7月26日の夜に開会式が行われ、いよいよスタートする2024年パリオリンピック。卓球競技は翌27日から8月10日まで、『パリ南アリーナ4』を舞台に15日間に渡って熱戦が展開される。7月18日にフランスに到着した日本チームは、アミアンでの調整合宿を経て23日にパリに入り、24日から会場であるパリ南アリーナ4での調整練習も行っている。
卓球競技で最初に金メダリストが決定するのは混合ダブルス(決勝:7月30日)。前回の東京五輪で、水谷隼/伊藤美誠ペアが日本に卓球競技初の金メダルをもたらした種目だ。表彰台の頂点に立ったふたりの満面の笑顔は、未だに記憶に新しい。
16ペアが出場する混合ダブルスで、日本から出場する張本智和/早田ひなは第2シード。2021・2023年の世界卓球で2大会連続で決勝で対戦し、敗れている王楚欽/孫穎莎(中国)は第1シードとなり、決勝まで当たらない。また、現地時間の7月24日17時から行われたドロー(組み合わせ抽選)では、林鐘勲/申裕斌(韓国)、林昀儒/陳思羽(チャイニーズタイペイ)、A.ルブラン/ユエン・ジアナン(フランス)といった強豪ペアが張本/早田とは反対のブロックに入り、決勝進出への視界は良好だ。
一方で、初戦で対戦するイ・ジョンシク/キム・クンヨン(朝鮮民主主義人民共和国/以下:北朝鮮)には注意が必要だ。前回の東京五輪はコロナ禍を理由に欠場し、その後も国際大会には長く姿を現さなかった北朝鮮の選手たち。しかし、混合ダブルスの世界予選に出場し、「一発勝負」を制してパリ五輪の出場権を得た。
男子のイ・ジョンシクはオーソドックスな右シェークドライブ型だが、北朝鮮の選手らしくフットワークが良く、馬力もある。そして女子のキム・クンヨンはサウスポーで、変化が出る粒高ラバーをバック面に貼っている。実績や経験値は張本/早田が格段に上だが、繰り出される変化球にペースを乱されないようにしたい。
25日の会場練習では、Pカード(団体戦の補欠選手)としてチームに帯同する松島輝空と木原美悠がペアを組み、張本/早田とボールを打ち合う場面もあった。普段はバック面に表ソフトラバーを貼る木原が、両面裏ソフトのラケットを使って男子のイ・ジョンシク役を務め、松島はバック面に粒高ラバーを貼ったラケットを使って女子のキム・クンヨン役となる。オリンピックは競技会場に入ることのできる人数が限られるため、チーム内で協力して代表選手たちをサポートしていく。
張本/早田が登場する混合ダブルス1回戦は、7月27日の日本時間23時30分からスタート。日本勢の2大会連続の混合ダブルス金メダルを目指し、「はりひな」ペアの挑戦が始まる。
ツイート
[全日本実業団チャンピオン]リコー卓球部に見る卓球と仕事の両立<前編>
2024年全日本ランキングプレーヤーの使用用具&データ〈男子〉
【People】谷口史子:大阪の卓球を裏から支える大黒柱
ちょいデカラケット時代がやってくる!?【後編】
【アーカイブ】ティモ・ボル「まわりがどう思っていようが自分自身はいつも通りで変わるつもりもないね」
[ヴェガ プロ ハイブリッド]誰もが使える粘着テンション。『ヴェガ』の志を持つプロダクツは蝶とは違う空を飛べるのか
[卓球本悦楽主義5]何度読んでもゾクッとする凄み。素晴らしく濃厚な荻村ワールド
【私のリフレッシュタイム】出澤 杏佳 vol.3