パリ五輪卓球の男子団体準決勝、地元フランスを迎え撃つ中国は、王者の貫禄を見せて3‐0のストレートでフランスを下して決勝に進出した。
●男子団体準決勝
中国 3-0 フランス
◯馬龍/王楚欽 11、5、2 ゴーズィ/A.ルブラン
◯樊振東 3、11、-8、14 F.ルブラン
◯王楚欽 -7、8、9、1 A.ルブラン
男子シングルスでF.ルブランが銅メダルを獲得し、その勢いがチームの覇気を強めている地元フランス。若手のルブラン兄弟とベテランのゴーズィのメンバーで中国に挑むも、王者の壁を突き破ることはできなかった。
トップのダブルスは1ゲーム目こそフランスペアの奇襲に先手を許して9-10とリードされた中国ペアだが、このゲームを13-11で奪うと2ゲーム目からは精度の高い台上プレーとミスなく威力のあるドライブでフランスペアをシャットアウト。中国ペアの緻密なプレーに対して、フランスペアのミスが目立った。
果敢に攻めたゴーズィ/A.ルブラン(Photo:ITTF/ONDA)
王楚欽(左)と馬龍(Photo:ITTF/ONDA)
男子シングルス準決勝の再戦となった2番の樊振東とF.ルブラン。シングルスでは樊振東のミドル攻めにいいところなく敗れたF.ルブランだった。この試合でも1ゲーム目はミドルのボールに対してボディーワークを使えずに打ちあぐんだが、2ゲームからはわずかに体を左右に動かしてミドルのボールに対応できるようになる。
3ゲーム目からはミドル対ミドルの高速ラリーから、どちらかが左右に攻める展開になる。F.ルブランは樊振東の回転量の多いドライブに対してカウンターのオーバーミスが減り、フルスイングの裏面ドライブで狙えるようになると、1ゲームを返した。F.ルブランが覚醒する。
4ゲーム目も覚醒したF.ルブランを樊振東が真っ向から迎え撃つ展開でハイレベルなラリーが続出。ジュースになってから樊振東が先にマッチポイントを握るが、F.ルブランが中陣からの逆襲を見せて追いつくなど、長いジュースが続く。この状況でも樊振東にはまだ余裕が感じられて、最後は16-14で樊振東が決める。中国が2-0と王手をかける。
勢いだけでは崩れない樊振東(Photo:ITTF/ONDA)
3ゲーム目から覚醒したF.ルブラン(Photo:ITTF/ONDA)
3番は王楚欽とA.ルブラン。1ゲーム目は王楚欽がA.ルブランのパワフルなフォアドライブとロビングを打ちあぐんで落としたが、2、3ゲームの競り合いをしっかりと取ると、最後は一方的な展開になって王楚欽が勝利。絶対王者の中国が自力でフランスを押さえた。
王楚欽が勝利を決めた(Photo:ITTF/ONDA)
敗れたフランスは悲観的になっておらず、すぐに気持ちを銅メダル決定戦に切り替えた。フランス対日本の銅メダル決定戦は日本時間の8月9日、17時から行われる。
ツイート
[アーカイブその4]馬龍、語る。「確かに世界選手権で優勝したことは階段を一段上がったことだけど、これは始まりでもある」
[イチオシギア実力&試打]VICTAS スワットスピン「もっと楽しくなる。2枚目のラバーは決まり」
いざ、パリへ 張本智和インタビュー 「1秒たりともメダルがほしいと思ってはいけない」[後編]
【伝説のプレイヤーたち】北村秀樹 後編・北村は残された左腕だけを見て生きてきたが、多くのマスコミは失われた右腕ばかり見ていた
[グッズストーリー高島規郎]90年前に作られ、「Mr.カットマン」を育てた「銅」のラケット
[天才としての荻村伊智朗]「荻村、おまえは世界チャンピオンになった。それで満足なのか」と自ら記した
【伝説のプレーヤーたち】三木圭一 後編「国内でも国外でも、すべて自分が乗り越えるべき相手、という感じでした」
[アーカイブ]「石川佳純」という生き方。「オリンピック、そこには勝ちと負けしかない」