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大会報道

WTTヨーロッパスマッシュはモーレゴードの劇的な初優勝でフィナーレ!! 張本美和/大藤沙月は女子ダブルスで準優勝

スウェーデンで開催されたWTTヨーロッパスマッシュは24日に最終日を迎え、男子シングルスで地元スウェーデンのモーレゴードが林詩棟(中国)を4‐3で下し、自身初のスマッシュ優勝とともにヨーロッパ選手として初のスマッシュ優勝者となった。

多彩かつトリッキーなテクニックとフォア強打で優勝を手にしたモーレゴード

モーレゴードは準決勝で好調のドゥダ(ドイツ)をシャットアウトすると、決勝では0勝2敗と分の悪い林詩棟と対戦。積極的なプレーで先制してゲームカウントを3‐1とリードしたが、ここから林詩棟が2ゲームを返して最終ゲームへ。モーレゴードは6‐8とリードを許したが9‐9に追いついて10‐9でマッチポイントを奪うと、ロングサービスからのフォア強打で林詩棟を台から下げさせる。ロビングで粘る林詩棟に対して全力のスマッシュを打ち続けたモーレゴードが得点し、長く激しい戦いにピリオドを打った。

林詩棟も最後まで食い下がった

優勝直後、コーチである兄のマルテと抱き合う

「トロフィーを手にするのは大きな夢でした。信じられない気持ちです。まるで現実とは思えないほどです。こんなに大きなタイトルを獲得するのは、私にとっては久しぶりのことでした。これまでたくさんのメダルを獲得し、多くのことを成し遂げてきましたが、世界のトップ選手たちが出場する中で、優勝して頂点に立ち、自分が最高の選手だと感じられるのは、本当に特別な気持ちです。本当に素晴らしい気分です。とても嬉しく、自分の仕事に誇りを感じています。そして、私とマルテ(トゥルルスの兄でありコーチ)がここで優勝できたことを嬉しく思います」(モーレゴード)

2位の林詩棟は3種目全てで決勝に進んだが、優勝は混合ダブルスのみ。それでも男子シングルスでは同僚の中国選手たちが早々に敗れていく中で最後まで中国選手としての意地とプライドを見せた。

 

【男子シングルス】

●準決勝

林詩棟(中国) 4、‐7、‐9、‐5、8、9、7 ゴーズィ(フランス)

モーレゴード(スウェーデン) 7、9、7、6 ドゥダ(ドイツ)

●決勝

モーレゴード 8、‐8、10、8、‐4、‐11、9 林詩棟

 

女子シングルス決勝は孫穎莎(中国)と王曼昱(中国)の顔合わせになり、孫穎莎が4‐2で勝利して横浜でのチャンピオンズに続いて2大会連続で優勝を手にした。孫穎莎はライバルである日本勢(早田ひな、伊藤美誠)に力の差を見せつけて、同士討ちでも危なげない勝利を飾るなど世界ランキング1位の力を見せつけた。

心技体が充実していた孫穎莎が他を圧倒した

 

優勝はならなかったが長﨑美柚、橋本帆乃香など日本勢に競り勝った王曼昱

 

【女子シングルス】

●準優勝

孫穎莎(中国) 2、3、‐3、7、9 陳熠(中国)

王曼昱(中国) 7、10、3、7 石洵瑶(中国)

●決勝

孫穎莎 9、9、‐5、‐10、6、5 王曼昱

 

前日に行われた男女ダブルス決勝。男子ダブルスは黄鎮廷/陳顥樺(香港)がアグレッシブなプレーで中国ペアを破ってスマッシュで初優勝。

女子ダブルス決勝は、ここまでWTT大会で負けなしの4連勝を続けていた日本の張本美和/大藤沙月が孫穎莎/王曼昱(中国)に迫ったが、最終ゲームで点差を大きく離されて優勝はならなかった。それでも前・中陣での両ハンドのラリーで五分の打ち合いを見せるなどポテンシャルの高さを見せた。

中国ペアをおさえて優勝した黄鎮廷(左)と陳顥樺

【男子ダブルス】

●決勝

黄鎮廷/陳顥樺(香港) ‐7、9、‐4、6、8 林詩棟/黄友政(中国)

張本美和(右)と大藤沙月。まだまだ強くなると感じさせた

【女子ダブルス】

●決勝

孫穎莎/王曼昱(中国) ‐9、11、8、‐11、2 張本美和/大藤沙月(日本)

写真は全て=WTT

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