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【WTT福岡】無念、張本智和は準優勝。完璧なプレーの王楚欽がV3達成

●男子シングルス決勝
王楚欽(中国) 2、8、7、5 張本智和

男子シングルス決勝、張本智和は王楚欽にストレートで敗れ、準優勝……!
王楚欽が2022年大会からの3連覇を達成!

準決勝で林詩棟との死闘をくぐり抜け、決勝へ駒を進めた張本。2022年世界卓球団体戦・準決勝での3−1の勝利を除き、国際大会のシングルスで一度も勝ったことのない王楚欽が相手とはいえ、地元大会での歴史的な勝利も十分にあり得た。

しかし、試合は1ゲーム目から一方的な展開。準決勝のヨルジッチ戦まではやや様子見のプレーに終始していた王楚欽に、全く迷いがない。叩きつけるようなバックカウンター、フォアサイドに回り込む一撃のパワーチキータを連発し、10−0と猛烈なスタートダッシュ。会場を埋めた中国人応援団の声援をバックに、11−2で1ゲーム目を先取する。

1ゲーム目はまさかの10−0。目を疑うような光景だった

張本への声援をかき消すような、中国人ファンの大声援が会場に響き渡った

2ゲーム目も1−5とリードされた張本だが、バックサービスやループドライブでの緩急などで必死に王楚欽のリズムを崩し、徐々に追い上げて7−7。回り込み強打をバックブロックでクロスに跳ね返して、8−7と初めてリードを奪う。

この2ゲーム目を取っていれば、勝機も見えてきた。しかし、ここでも王楚欽の強烈なバックカウンターを食らい、4点連取を許して7−11。

叩きつけるような直線的なバックカウンターと、一撃必殺のチキータを連発した王楚欽

張本はサービス・レシーブで優位に立てず、攻撃の機会が非常に少なかった

3ゲーム目以降もフォアサイドからのサービスやYGサービスなど、サービス・レシーブで少しでも打開策を見出そうとした張本。王楚欽にレシーブから狙い打たれてロングサービスを有効に使えず、より後手に回った感があった。3ゲーム目は要所で王楚欽にエッジがつく不運もあった。

ゲームカウント3−0とあとがなくなった4ゲーム目。4−4から5−9と突き放され、5−10で王楚欽がチャンピオンシップポイント。最後は張本のまさかのサービスミスで、男子シングルス決勝は39分で幕を閉じた。

優勝の瞬間、中国人ファンの大歓声を一身に浴びた王楚欽

優勝者インタビューで「張本とはもう何度もやっているので、お互い知り尽くしている相手。準決勝の彼の試合はエキサイティングな素晴らしいプレーを見せていた。だからこそ今日の試合のため、メンタルを含めて準備をしていた」と語った王楚欽。パリ五輪での悔しい敗戦の一年を、WTT男子ファイナルズ3連覇という偉業で締めた。「今年は本当にいろいろなことがあって、良いことも悪いこともあったけど、最後に良い結果を残せてうれしい」と語った。

また、決勝で敗れたとはいえ、地元開催の今大会を最終日まで盛り上げてくれた張本には感謝したい。梁靖崑、張禹珍、林詩棟とこれまで相性が良いとは言えない相手も破っての決勝進出。決勝の完敗も「三歩進んで、二歩下がる」。ジリジリと世界の頂点との距離を詰めているのは間違いない。王楚欽へのリベンジの舞台になるのは、もっともっと大きな舞台だ。

男子シングルス表彰。ふたりのライバル関係はこれからも続いていく

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