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【WTT福岡】張禹珍の回り込み強打を完封。「100点に近い」内容で、張本智和が準決勝進出!

●男子シングルス準々決勝
張本智和(智和企画) 6、4、8 張禹珍(韓国)
林詩棟(中国) 9、6、7 チウ・ダン(ドイツ)

男子シングルス準々決勝、張本智和が「因縁の相手」張禹珍を完封し、ストレート勝ちで準決勝進出!
準決勝の対戦相手は、こちらもチウ・ダンをストレートで破った林詩棟!

「ここ数試合は、全部ゲームオールになっている」(張本)というほど、いつも競り合う張禹珍との対戦。回り込んで一撃のフォアドライブがある張禹珍にプレッシャーをかけられ、苦しめられてきた。

「張禹珍はフォアの回り込みさえ封じれば負けることはない。技の数では勝っているけれど、あの1本だけで展開を打開されてしまうのはもったいないと思っていた。たくさんある技を有効に使えば、回り込ませないように戦えるかなと思いました」と試合後に語った張本。「フォアへボールを送って足を止めさせたり、バックに送る時も回り込ませないように強く打ったり、サービス。レシーブでコースを散らしたり、準備してきたことをすべて出せた。100点に近い内容だと思います」(張本)。

フォアサイドから出すサービスなど、様々な工夫で張禹珍の回り込み強打を封じにかかった張本

快調に2ゲームを先取し、3ゲーム目も出足で5−0、中盤で突き放して9−3。終盤、開き直った張禹珍に9−7まで追い上げられたが、9−7でフォアサイドからサービスを出してバックにレシーブを誘導し、バックストレートへ一撃のバックドライブで得点して10−7。最後は11−8で勝負を決めた。1回戦でカルデラノを破った張禹珍だが、今日の試合は終始元気がなかった。

張禹珍、高速の回り込み強打が今日の試合は影を潜めた

試合中、ミスした場面などで声を出したり、ベンチの田㔟邦史監督に声をかけながら戦っていた張本。今大会、モーレゴードやF.ルブランのプレーを見て、「セルフコントロール」のヒントを得たという。

「日本人はおとなしい性格なので、ミスした時にストレスをため込んでも、真面目にプレーするのが良いという風潮があるけれど、やはり勝ってこそ。ミスした時に少し声を出したり、セルフトークをするのは良いと思う。ストレスは発散したほうが良い流れができる。モーレゴードやF.ルブランの日本人バージョン、『礼儀正しいバージョン』ですね」(張本)。こうやって周りからヒントを得ながら、彼は成長してきたのだ。

得点時だけでなく、失点時の表情やアクションも豊かだった張禹珍戦。これもひとつの「ニュー智和」?

会場での勝利者インタビューでは、「ベスト4に入れたことはもちろんうれしいですけど、何よりここ福岡で勝ちを積み重ねられたことが一番うれしい」と語り、観客の拍手を浴びた張本。明日の男子シングルス準決勝、林詩棟戦は大一番だが、今大会の張本智和なら勝機は十二分にあるだろう。

試合後のミックスゾーンでコメントする張本。張禹珍戦は自ら太鼓判を押す完勝だった

張本と準決勝で対戦する林詩棟。台から下がっても威力ある両ハンド強打を打ち込む

林詩棟にストレートで敗れたチウ・ダンはベスト8

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