昨日2月20日は、会場で2時間ほど調整練習を行った日本男子チーム。大会も5日目となると少しずつ疲れも出てくるだろうが、第1ステージの山場を乗り越えた充実感のほうが上回っているようだ。
昨日深夜の男子決勝トーナメントのドローの結果、日本はベスト8決定の2回戦で香港対オーストリアの勝者、準々決勝で中国と当たる。前回の成都大会では、張本智和が中国から2点を奪取。あの快挙の再現を願うが、まずは五輪団体戦の切符がかかった2回戦が重要だ。エース張本にかかる精神的負担は小さくないが、今大会での動きは非常に良い。
昨日の練習前のミックスゾーンでの会見で、日本男子の田㔟邦史監督が大会前のNT合宿での準備について尋ねられ、「あえて言えば……」と前置きをしたうえで、こんなことを言っていた。
「(張本)智和のフットワークの時間を増やしたというのがあって。いつもだと1コマ7分半を3回ずつやって休憩なんですけど、智和だけ2回分の15分をぶっつづけでやったり、時間を多めにして取り組んできました。チャイニーズタイペイ戦ではちょっとでも成果として現れたかなと思いますけど」
フットワークを増やすことを監督から告げられた時のリアクションは、張本自身が再現してくれた。
「『いやあ、ちょっと、本当ですか?』みたいな感じで言ったんですけど、『本当だよ』と。初日はキツかったんですけど、毎日やりました。
習慣化したらまずいと思って、2日目くらいから田㔟さんと距離取ってたんです。話しかけられたら終わりだと思って。でも歩み寄ってきて『今日もやるから』って。習慣化されちゃいました(笑)」(張本)
ちなみにそのフットワーク「倍増」の成果について、「そこで体力がついたり、足の動きもスムーズになった」と張本は語る。ベテランならば大会前の合宿は調整が中心になるが、我らが日本男子チームのエースはまだ20歳。ガンガンやり込んで調子を高めるというやり方もあるのだろう。
ちなみにまだ決勝トーナメントのドローが出る前だったが、「チームの勝利が第一ですが、決勝トーナメントで対戦してみたい選手はいますか?」と張本に尋ねてみた。
「やっぱりフランスですかね、ルブラン兄弟が強いので。ドイツや韓国はいつもやり慣れている相手ですけど、ルブラン兄弟とはまだ1回ずつしか対戦していない。すごく楽しみというか、普通の対策で済む相手ではないし、普通のプレーをする相手でもない。まあ、面白いと言ったら、そこが一番面白いですね」(張本)
破竹の勢いを見せる欧州の新鋭、ルブラン兄弟と張本智和の世界卓球での対戦。卓球ファンなら誰だって見てみたい。
ちなみにもうひとり、大物の名前を挙げた選手がいた。「中国の馬龍選手とやりたいなと思っています。昔から憧れていた存在でもありますし、五輪で何度も金メダルを獲っているので、一番対戦したい選手」。答えの主は16歳の松島輝空。こちらは準々決勝に勝ち進めば、実現の可能性は十分にある。その意気や良し、だ。
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