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世界卓球2024

大一番を制した日本男子。張本智和、松島輝空の試合後の囲みインタビューを全文紹介

チャイニーズタイペイとの激戦を制した日本男子。試合後の囲みインタビューでの張本智和、松島輝空のコメントを全文掲載する。

 

荘智淵との両ハンドの激しい攻防を制した松島

 

●松島輝空のコメント

◯松島 9、-11、6、-8、9 荘智淵

「最初から競るとわかっていたので、その準備をして最後粘り強くやれた。初めて対戦したけど、みんなから粘り強いと聞いていて、やったら本当に粘り強くてベテラン感があった。最後、9−9で勝負できたのが勝ちの要因でした。最終ゲームは勝ちたいという気持ちが強かったので1球目から声を出していきました。

緊張はしなかったんですけど、あの場所で、いろんな人の応援が力になりました。試合前は前について荘選手よりも下がらない、粘り強く、サービスをきっちりと狙ったところに出すことを注意した。

普段の試合と違って、緊張感のある舞台で盛り上がるし、やっていて楽しい舞台でした。この1勝は大きいですね」(松島輝空)

 

松島は大舞台でも奥せずに攻め続けるメンタルの強さを見せた

 

●張本智和のコメント

◯張本 5、15、11 高承睿
◯張本 10、-9、3、-7、3 林昀儒

 

エースとして負けられないトップの一戦。張本は高い集中力を見せた

 

(トップに入る前の心構えは?)

「いやもう、1番で負けるのは論外だと思っていたので。もし負けたら03、良くても13でチームも負けてしまう。自分が2番手に負けたら話にならない。ぼくの相手も強いですけど、強かろうが弱かろうが、ぼくは林選手以外には絶対に負けてはいけないと思っていた。その意志で23ゲーム目を取り切れた。意志の強さが相手より上だったのかなと思います。

 (2ゲーム目は4回ゲームポイントを取られても非常に冷静でしたが?)

 数年前より、ジュースの時でも落ち着いて戦えるようになったと思います。逆に自分がリードしても決めきれない気持ちを知っているし、1点取り切る難しさも知っている。自分が間違いをおかさなければ、相手はミスが出てくるし、たまにはトリッキーな奇襲も仕掛けていく。そのバランスが今日は良かったですけど、昨日はジュースで取られたゲームもありました。ジュースは全部取れるものではないですけど、できるだけ多く取れるようにとは思っています。

 

張本と林昀儒の戦いはハイレベルラリーの応酬になった

 

4番の林昀儒選手には、勝つなら32、よくて31くらいだと思っていた。もちろんストレートで勝てるとはさらさら思っていない。やっぱりゲームを落とした後の修正力はすごいなと改めて思いました。同じ戦術で2ゲーム連続で取れる選手ではない。それでも5ゲーム目、自分が取る番でしっかり取れた。それは1ゲーム目を取れたことが大きかったと思います。ずっと取って、取られての流れだった。その中で、どちらかというとぼくのほうが5ゲーム目に危機感を持って臨むことができた。

WTTフランクフルトでは悔しい思いをして臨んだ試合でしたが?)

フランクフルトではノータッチで抜かれたボールも、ミスしても返したり、逆にカウンターを決めたり、この2カ月、3カ月よく頑張った証が出たと思います。引き続き、この調子で練習を頑張っていきたいと改めて思いました。

右利きの選手は林選手のバッククロスのボールは本当にキツいと思うんですけど、そこをうまく返せたことで林選手も少し焦ったり、逆にぼくのバッククロスも効いたりした。お互いの有利な展開の中で、ぼくのほうが少し多く点を取れたかなと思います。それでも僅差ですし、また明日やったらわからない。うれしいことはもちろんうれしいですけど、取ったゲームと落としたゲームをしっかり反省して、もっと強くならないといけない。

 レシーブについては完璧に取れてはいないですけど、前よりはチキータできたり、ストップやツッツキを混ぜていける。1種類だけのレシーブで勝てる相手ではないですし、今日はチキータができない、今日はツッツキができないというケースもある。いろいろなパターンを想定して、この時はこのレシーブが最善、という絶妙なところで少しだけ上回れた。最終ゲームも113ですけど、ちょっと間違ったらこちらが3点だったかもしれない。80になってもまったく余裕はなかった。点差というより32というスコアがすべてで、3223で決着がつく試合だったかなと思います。出足でリードしたゲームは、リードしたほうが勝つという感じでした。

 

 

 林昀儒選手に勝てたのは大きいことですし、自信はとてもつきましたけど、まだ予選ですから。これがトーナメントだったらより意味がありますけど、林選手もおそらく予選は通過してくるでしょうし、ドローがどちらが良くなるかも運なので。そんなに喜びすぎる必要もない。互角だなと思います。今日勝っても林選手と互角か、まだぼくは自分のほうが下だと思っています。本当に、もっともっと向かっていきたいです。

 (相手ベンチの偉関晴光さんはミドルの処理がうまくなったと言っていましたが?)

 そうですね、ミドルからフォアサイドの遠いところにかけて、やっぱり一歩足が出たり、手が出たり、体のひねりができたり、そこは今日試合をしながら感じましたし、田勢監督からも「今日は前回とは違うぞ」と言ってもらった。自分でも周りからも自信を得ながらプレーできました。

 (松島選手の勝利は勇気になりましたか?)

 もちろん後輩があんなに良い場面で回してくれて、決めないわけにはいかない。松島選手もそうですし、その前の篠塚選手も負けはしましたけど、本当に素晴らしかった。23までいって、13でもおかしくないところを逆転した。今日はみんな良いプレーだったと思います。内容で言えばみんな、ほぼ完璧だったと思う。松島選手も篠塚選手も初出場とは思えない素晴らしいプレーだったと思います」(張本智和)

 

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