卓球王国 2024年12月20日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
世界卓球2024

日本男子もオーストリアに快勝でベスト8進出。自力で五輪団体戦の切符を勝ち取る!

●男子決勝トーナメント2回戦(ベスト8決定戦)
〈日本 3−0 オーストリア〉
◯張本智和 −8、7、7、8 レベンコ
◯篠塚大登 4、−9、6、9 ガルドス
◯松島輝空 4、3、6 D.ハベソーン

日本男子も女子に続いてベスト8進出、パリ五輪団体戦の出場権を獲得!!

まだ練習は再開できていないものの、インフルエンザで療養中だった戸上隼輔がこの試合からベンチに復帰。田㔟邦史監督は「全員で(五輪団体出場を)決めたかったので、戸上をベンチに入れました」と試合後に語った。

黃鎮廷が好調の香港と比べれば、戦いやすいと思われたオーストリア。しかし、日本は1番・張本が1ゲームを落とす予想外の展開。対戦相手のレベンコは張本のフォア前へアップダウン(上回転・下回転)の変化をつけた巻き込みサービスを使い、両ハンドのカウンターを連発する。フォア面に粘着ラバーを使うレベンコのサービスは変化が大きく、張本のフォアでのレシーブが大きくオーバーミスする場面もあった。

台から下がってからの連続バックドライブが正確だったレベンコ

しかし、2ゲーム目以降は張本が徐々に落ち着きを取り戻した。中陣でのバックドライブで何本でも粘ってくるレベンコに手を焼きながらも、要所でバック対バックからうまくフォアを突き、フォアハンドも強攻ではなく何本でも連打で攻めた。2ゲーム目以降も競り合いながら、要所を締めて逆転勝ちを収める。

怖いものなしの連打を見せるレベンコをがっちり受け止めた張本。さすがエース、のプレーだった

2番・篠塚は、ガルドスとの「25歳差対決」。親子と言っても差し支えない年齢差だろう。ガルドスは往年のカミソリカウンターの切れ味こそないものの、篠塚の後陣での粘りにもよく動き、フォアでしっかり攻めてきた。

篠塚は2ゲーム目を落としながらも、3ゲーム目に0−4のビハインドから11−6と逆転したのが大きく、3−1で勝利。「下がっていては勝てない」と覚悟を決めて打った、4ゲーム目9−9からのバックカウンターは迫力があった。

勝負所で受け身にならず、攻め切った篠塚

大ベテランのガルドス、敗れたとはいえ存在感を見せた

前半で2−0のリードを奪えば、日本男子の勝利はほぼ動かない。3番・松島は先輩たちが作ってくれた流れに乗り、出足から両ハンドのパワードライブを振り抜く。試合の中盤から、21歳年上のハベソーンが半ば戦意を喪失していた。

「自分が絶好調だったので、それが結果につながった。得意としているサービスが効いていたし、全然緊張しなかった。世界卓球の舞台は本当の楽しいです」と試合後に語った松島。試合の終盤にはバックストレートへのライジングのバックドライブを連発し、昨年10月のWTTスターコンテンダー蘭州では敗れていたハベソーンを打ちのめした。怪物ぶりを見せつける、圧巻のパフォーマンスだった。

両ハンドのパワードライブを連発した松島。恐るべき16歳だ

まずは第一の難関突破。五輪団体出場権を手にした日本男子チーム

関連する記事