世界選手権団体戦・釜山大会7日目は午前10時から女子第2ステージ準々決勝のチャイニーズタイペイ対香港が行われ、5番までもつれる大激戦の末に香港がメダル獲得を決めた。
●女子第2ステージ準々決勝
〈香港 3-2 チャイニーズタイペイ〉
◯杜凱琹 11、5、10 陳思羽
朱成竹 -9、-6、-10 鄭怡静◯
◯李皓晴 6、-6、6、8 李昱諄
杜凱琹 -7、9、7、-8、-3 鄭怡静◯
◯朱成竹 9、-4、8、14 陳思羽
試合前半は香港の杜凱琹、チャイニーズタイペイの鄭怡静、両エースがそれぞれストレートで勝利してマッチカウント1-1とする。
3番に出場したのはフォアが強い李皓晴とバックが強い李昱諄。バック対バックの展開を避けたい李皓晴が先に回り込んでフォアで攻撃を仕掛ける。李昱諄はそのボールをがら空きになったフォアサイドに返球するも、「待ってました」と言わんばかりに李皓晴が飛びついてフォアハンド連打。試合終盤には李昱諄もバック側を連続で突いて李皓晴のフォアを封じにかかったが、時すでに遅し。李皓晴が勝利し、香港がメダル獲得へあと1勝と迫る。
4番は杜凱琹と鄭怡静のエース対決。両者ともにラリー戦に強く、「どちらが先に決めるか」よりも「どちらがよりミスをしないか」の我慢比べの勝負に。互いに譲らぬラリーが展開されたが、その中でうまくコースを突いた鄭怡静がわずかに上回りフルゲームで勝利。マッチカウント2-2のタイに戻し、メダルの行方はラストの5番へ。
泣いても笑ってもこれでメダルが決まる5番を託されたのは朱成竹と陳思羽。台から少し距離を取りながらパワーボールを放つ陳思羽に対しても守りに入ることなく、カウンターなどを駆使しながら戦う朱成竹。試合が進むにつれてより積極的に攻撃を仕掛けるようになり、しだいに陳思羽を押す場面が増えてくる。互いに引かない壮絶な打ち合いが繰り広げられ、ゲームカウント1-1で迎えた3ゲーム目を朱成竹が奪うと、4ゲーム目も10-9でマッチポイントを握る。しかし、ここで陳思羽がなんとか追いつくと、そこから長いジュースが続き15-14で朱成竹が4度目のマッチポイント。陳思羽の3球目フリック攻撃に対し、朱成竹が強気にカウンターで返球しこのラリーの主導権を握ると、最後はバックドライブからの鮮やかな渾身の回り込みフォアドライブで勝負を決めた。勝利した瞬間、香港ベンチは朱成竹に駆け寄り、喜びを分かち合った。
相手エースの鄭怡静に2点を奪われながらも、出場した3選手がそれぞれ勝利するチーム力の高さを見せ、2018年大会以来、2大会ぶりとなるメダル獲得を決めた香港(20年大会は新型コロナウィルスの影響により中止)。次の準決勝では日本対ルーマニアの勝者と対戦する。もし日本と対戦することになれば、一筋縄ではいかない強敵となるだろう。
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