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世界卓球2024

世界女王を破ったアヒカ・ムケルジ「戦術は何もなかった。孫穎莎に勝てたなんて信じられない」

世界卓球女子団体 第1ステージ グループ1の中国対インド、トップで孫穎莎を3−1で破ったアヒカ・ムケルジ。世界ランキング155位が世界ランキング1位の現・世界女王を破るという、まさに大金星だ。

ムケルジのプレーは、2012年にインド・ハイデラバードで行われた世界ジュニア選手権から時折見ているが、彼女はその当時からDr.ノイバウアーのアンチスピンラバー『ゴリラ』をバック面に愛用。猛烈に切れたショートだけでなく、ツッツキやハーフボレーなど、アンチラバーを巧みに使いこなした。相手がアンチラバーの変化ボールをつないでくれば、フォア面の表ソフトから切れ味鋭いスマッシュが炸裂する。

アンチスピンラバーでも多彩な打法を駆使するA.ムケルジ 

試合後のミックスゾーンでは、まだ興奮冷めやらぬという表情を見せていたA,ムケルジ。「試合が始まる前から、世界ランキング1位の孫穎莎と対戦できるから本当に興奮していた。孫穎莎と対戦するのは初めてで、勝てたなんてとても信じられない。とても幸せだし、自信になりました」と笑顔で語った。

孫穎莎戦の戦術について尋ねてみると、「本当に何の戦術もなかったですね。100%の力を出して、決して後悔しないと自分に言い聞かせていたし、リスクを負ってプレーしていた」とコメント。まさに無心の勝利だった。

一方で、5番・王曼昱にきっちり「ムケルジ対策」を授け、ストレートでの勝利に導いた中国ベンチの対応力はさすが。「王曼昱は戦術面でも十分に準備をしてきていた。1・2ゲーム目は接戦になったけど、3ゲーム目は王曼昱のプレーが素晴らしかった。私はベストを尽くそうと思っていたけど、自分に対して期待をしすぎて孫穎莎戦のように楽しむことができなかった」(A.ムケルジ)。

王曼昱戦ではフォアサイドを狙われ、フォア強打で対抗するも勝機を見出せず

一躍注目を集めたインド女子チームだが、今大会での目標はもちろんパリ五輪の団体出場権を獲ること。チームとしての大金星はならなかったが、ここから異質系軍団の快進撃が始まるのか?

ミックスゾーンでも興奮冷めやらぬ表情だったA.ムケルジ。朝からワクワクしていたのだとか

A.ムケルジにアドバイスを送るインド女子ベンチ

 

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