フランス革命は市民が、封建的な王政を倒した市民革命と言われている。日本は江戸時代の真っ只中、1789年、フランス革命で市民が立ち上がり、自由と平等を勝ち取った。
革命者の末裔たちが今日の午後8時にBEXCOのセンターコートに立ち、中国と対峙する。
昨日は勢いに乗るチャイニーズタイペイを3−1で下した。ヨーロッパチャンピオンのスウェーデン、強豪ドイツを破ってきたチャイニーズタイペイをフランスは圧倒した。
●男子準決勝
フランス 3-1 チャイニーズタイペイ
●男子準々決勝
フランス 3-1 ポルトガル
●男子決勝トーナメント2回戦
フランス 3-0 ポーランド
●グループリーグ
フランス 3-0 アルジェリア
フランス 3-0 オーストリア
フッランス 3-0 オーストラリア
フランス 3-1 デンマーク
ここまで7試合をして、失ったのは3点のみ。
タイペイを破った後のナタナイル・モーリン監督はこう語った。
「選手たちは素晴らしいパフォーマンスをしたね。チームを祝福したい。フェリックスは言葉にならないほどのプレーをした。プレッシャーもあったと思うけど、うまくコントロールした。シモン(・ゴーズィ)も良い働きをしたね。素晴らしかった。タイペイとフランスの両チームは似ている。トップ10のエースがいて、20から30位くらいの選手がいるという構成で、ひとり(ゴーズィと荘智淵)は経験豊富な選手なんだ。
準決勝の勝利は、信じられないような瞬間だけど、まだ終わっていないよ(笑)。これから明日の決勝へしっかり準備をしていく」
選手としての実績はないモーリン監督。以前はフランスはシーラ監督だったが、オリンピックを見据えて、ルブラン兄弟を小さい頃か見ていて信頼の厚いモーリン氏にチームを委ねた。
兄のアレクシス・ルブランは林昀儒と前半競り合いながら敗れた。2ゲーム目、10−5から大逆転を食らい、完全に平常心を失った。
「1、2ゲーム目を取れなかったのが残念。でもチームメイトが素晴らしいプレーをして救ってくれた。だから今は超ハッピーだよ。2−2でぼくに回ってくる準備をしていたけど、3−1のほうが良かったよ(笑)」(アレクシス)。
今大会、3番手に出場し、確実に点をあげていくゴーズィの存在は大きい。
「1−1で来れば、3番はキーマッチになるのはわかっていた。ぼく自身のプレーは信じられないくらい良かった。でもフェリックスはすごかったね。別の惑星からきたみたいだったよ、今日は。あ、今日だけじゃないな(笑)。すべての試合が良い感じだし、大事なポイントでは自分のレベルが上がっているし、試合ごとに良くなっている感覚があるね。明日もベストを尽くすよ」とゴーズィは語った。チームの精神的な支柱となっている。
モーリン監督はチームのエースとして、これまで全勝のフェリックス・ルブランを絶賛した。
「フェリックスは大舞台での経験が多くなくても、勝つための準備はできていた。彼はグループリーグと、準々決勝、準決勝で全く同じようなプレーをしている。プレッシャーはあったと思うけど、ポジティブなプレッシャーだった。荘智淵に対しても簡単ではなかったし、2ゲーム目も接戦で落としてもおかしくなかった。でも、その後一気に巻き返した」(モーリン)。
17歳のエース、フェリックス・ルブランは1年前よりも格段に上達した英語で早口に語った。
「試合の出足は難しい展開だったし、プレーも良くなかった。でも自分のベストのプレーを心がけ、続けていって、最後は良くなっていた。準決勝で2点取ったことはとてもハッピーだね。明日は中国とのタフな戦いになるけど、彼らは世界のトップ3がいるチーム、200%の力を出していくよ。
27年ぶりのメダルで歴史を作っている。このチームはスピリットがあるし、スタッフとも一つになっているし雰囲気も良いし、大きなことを成し遂げる時にはそのチームスピリットも大切」
ヨーロッパとアジアの強豪を次々と破ったフランスは文句なしのファイナリストである。
「明日の中国は世界のトップの3人がいるチーム。オリンピックチャンピオンの馬龍が3番手に控えている。今日は3千メートルの山を登ったけど、明日はさらに千メートル高い山に登らなければいけない」とモーリン監督。
正確無比なマシーンを狂わすにはフランスのような独創的な卓球があっているのかもしれない。
彼らの祖先がフランス革命で自由を勝ち取ったように、卓球界におけるフランス革命で、彼らは中国からの強烈な呪縛から世界の解き放つことができるだろうか。
決戦は今日の夜8時に幕を開ける。
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