昨日行われた女子予選リーグ・ポルトガルとオーストリアの一戦。この試合で5番に出場し、チームの勝利の行方を託されたのが45歳のユ・フ(ポルトガル)と42歳のリュウ・ジャ(オーストリア)。世界選手権団体戦の5番という大舞台で、40代対決が実現した。
5番での対決となったユ・フ(左)とリュウ・ジャ
両者のプレーは現代の主流である高速卓球ではないが、丁寧でミスの少ないプレーでラリー戦が繰り広げられた。互いにフォアを先に突いて相手を動かし、ガラ空きになったバックを狙うという戦術を軸に試合を展開。その中でもユ・フはペンホルダーらしいバックショート、リュウ・ジャは両ハンドの安定性と巧なコース取りが光っていた。
バックショートでリュウ・ジャを左右に振り回したユ・フ
リュウ・ジャの両ハンドはスピードこそないものの、安定性・得点力ともに高かった
試合は序盤から互角の勝負となったが、自分のミスに対して納得のいかない表情を見せながらも、うまくリュウ・ジャのミスを誘ったユ・フがゲームカウント2-0とリード。しかし、3ゲーム目はリュウ・ジャが取り返し、4ゲーム目もジュースに突入。このままフルゲームになるかと思われたが、最後はユ・フが粘り勝ち。ポルトガルチームの勝利を決めた。
失点する度に顔をしかめたユ・フ
勝利した瞬間、大きくガッツポーズで喜びを表した
「40代で世界で戦うなんて難しい」と思われるかもしれないが、全然そんなことはない。もちろん、若手選手のようなスピードやフットワークがあるわけではないが、ベテラン選手はそれぞれが持っている武器をうまく使いながら戦っている。「歳を取ったら卓球をやめようかな」なんて考えている人は、動画などでこの試合を見てほしい。「卓球に年齢なんて関係ない!」と言わんばかりのプレーに元気をもらうことができる。両者の対決は、世界中の40代に希望と勇気を与えたのではないのだろうか。
●グループリーグ <ポルトガル対オーストリア5番>
ユ・フ 10、9、-10、11 リュウ・ジャ
試合後は笑顔で健闘を称えあった2人。何十年にも渡って戦い続けている、正真正銘の戦友だ
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