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世界卓球2026

王者の風格を取り戻した中国。日本を3-0で下して通算24度目の世界王座に輝く

13日間に及ぶ世界選手権ロンドン大会団体戦も、5月10日に最終日を迎えた。大会のフィナーレを飾る男子決勝は、中国が日本の猛攻を振り切り、3-0のストレートで勝利。12大会連続、通算24度目の世界王座を手にした。

決勝で日本から3ー0の勝利を収めた中国男子。12連覇を達成

【ステージ2・決勝】

〈中国 3-0 日本〉

◯梁靖崑 -8、-4、9、11、8 張本智和

◯王楚欽 -8、10、2、9 松島輝空

◯林詩棟 9、5、-7、9 戸上隼輔

 

中国は準々決勝の韓国戦、準決勝のフランス戦で3番手に起用し、勝利をあげていた梁靖崑を、決勝では2番手に持ってきた。大方の予想では、これまで通り2番手は林詩棟の起用と見られていたが、中国がオーダーで勝負をかけてきた。

その梁靖崑と1番で対戦した張本智和。過去の対戦成績は3勝7敗と、張本が負け越している。1ゲーム目はスタートから高い集中力でミスのない梁靖崑が5-1と張本を引き離す。しかし、張本はバック対バックの展開から6-6で追いつくと、7-7、8-8から9-8とついに逆転。そこから2得点して11-8と逆転でゲームを奪った。

2ゲーム目も張本がバック対バックから先に梁靖崑のミドルを攻めて得点を重ねる。8-3と大きくリードすると、11-4で2ゲーム目も奪った。しかし、このまますんなりと勝たせてくれないのが中国。梁靖崑はミドルのボールをフォアではなくバックで返し始め、張本にチャンスボールを与えないようにすると、11-9で3ゲーム目を奪う。

ここまで張本の横回転系のサービスをチキータでレシーブしていた梁靖崑だが、そのチキータが張本に狙われて得点されていることに気づき、4ゲーム目からはストップやツッツキでレシーブするようになる。そこから梁靖崑のペースとなり、4ゲーム目を13-11で競り勝つ。

梁靖崑のペースで進むと思われた最終ゲーム。張本に積極的な両ハンドプレーが戻ると、8-3と大きくリード。8-5となったところで日本がタイムアウトを取ると、張本はベンチで「何点になってもラブオールの気持ち」と自分に言い聞かせるように声を出した。しかし、ここから張本にとって悪夢の時間が始まる。張本のプレーに硬さが見られると、梁靖崑はそれを見逃さずにノーミスのプレーで対応。11-8で8連続得点を決め、張本に逆転勝ちした。

手の内に収めかけていた試合で、梁靖崑に底力を見せられた張本

大会中盤から尻上がりに調子を上げ、中国男子の守護神となった梁靖崑

前日のフランス戦3番での大逆転といい、「団体戦男」の異名を持つ梁靖崑が、大一番で価値ある先取点をあげた。

2番に登場した松島輝空は、嫌な流れにのまれることなく王楚欽を攻め立てる。前陣での超高速ラリーで互角の戦いを演じる松島が1ゲーム目を取ったが、2ゲーム目のジュースを落とすと、王楚欽がリズムをつかむ。

非常に集中力が高く、プレーに遊びがなかった王楚欽

3ゲーム目を大きく離された松島はこのゲームを捨てたが、次の4ゲーム目からは何事もなかったかのように積極的なプレーを見せた。松島は6-2とリードし、王楚欽の猛攻で8-8に追いつかれたが、9-8と再びリード。だが、反撃もここまで。余力を残していた王楚欽が3連続ポイントでゲームセット。中国が2-0と日本を引き離した。

王楚欽と互角に打ち合った松島だが、気合十分の世界王者を崩し切れず

あとがなくなった日本。戸上に対して林詩棟は自らを鼓舞するべく、得点のたびに左拳を高く突き上げて声を張り上げる。ゲームカウント0-2とリードされた戸上は、3ゲーム目はラリー戦で得点できるようになり1ゲームを返したが、4ゲーム目で再びスタートダッシュをかけてきた林詩棟に3-7と大きく離された。ここで勝ちを意識した林詩棟に対して、ドライブの引き合いなど大きなラリー展開でじわじわと点差を詰めた戸上だったが、最後は渾身のフォアドライブを林詩棟にバックカウンターで決められてゲームセット。

果敢に攻めた戸上だが、1ゲーム目の出遅れが響いた

勝利を決めた林詩棟は卓球台に上がり、ひとり勝利のパフォーマンス。苦しみ続けた今大会を最後は優勝で締めくくったことに敬意を表するが、女子団体で銅メダルを決めたルーマニアも含めて、卓球台の上でのパフォーマンスはいかがなものか。

卓球台に乗り、胸の五星紅旗を指し示す林詩棟

中国はステージ1Aでのプレーから立て直し、決勝のコートでは王者の風格を取り戻していた。敗れた日本も57年ぶりの金メダルには届かなかったが、ステージ1Aの2敗から中国同様にチームを立て直して、4大会ぶりの決勝進出とその強さを世界に知らしめた。ステージ1Aで2敗したチーム同士が決勝を争うという形になった今大会。改めて上位8チームによるステージ1Aの戦いにどのような意味があったのかを大会関係者には十分に検証し、議論してもらいたい。

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