グループリーグから強豪との対戦が続く、今回の世界選手権ロンドン大会。例を見ない試合方式が採用される中、日本男子は過去の大会でも類を見ない「3人だけで戦い抜く」大会になるかもしれない。
通常、世界選手権団体戦のエントリーは5人で、その中から各試合3人を起用する。心身ともに疲労が蓄積するハードな日程において、5人を巧みに使い分けながら長い大会を乗り切るのが通例だ。監督は対戦相手との相性や選手の得手不得手を考慮し、序盤でエースを温存して若手や初出場選手を起用したり、3人目の枠を入れ替えたりしながらオーダーを戦略的に組み立てる。
しかし、試合方式が大きく変わった今大会、日本男子には「グループ1位通過を果たし、決勝トーナメントで中国とは反対側の山に入る(=決勝まで中国と当たらない)」という明確な狙いがあった。その初戦の相手が強豪ドイツだった。
岸川聖也監督は、世界ランキング上位3人である張本智和・松島輝空・戸上隼輔を「対外的なベストメンバー」として初戦に投入。ドイツをこの3人で破り、第2戦、第3戦で篠塚大登や宇田幸矢を起用する青写真を描いていたのではないか。だが、ドイツに敗れたことで、1位通過の望みをつなぐために続くチャイニーズタイペイ戦、フランス戦でもベストオーダーを組まざるを得ない状況に追い込まれた。
さらに昨日の第2ステージ(決勝トーナメント)1回戦・ベルギー戦も、負ければ終わりのノックアウト方式であるため、ベストメンバーで臨むこととなった。
グループリーグ最終戦のフランス戦後、岸川監督は次のようにコメントしている。
Q:日本は他チームのようにオーダーを変えず、同じメンバーで戦い続けています。その狙いは?
「やはり1試合目でドイツに負けてしまい、2試合目は絶対に勝たなければいけない状況になった。そこを勝って、さらに3試合目も1位通過を目指すという流れになった結果です」
また、昨日のベルギー戦に勝利した後には、こう語った。
「宇田か篠塚を起用し、主力の誰かを休ませることも考えました。しかし厳しい試合になると予想されましたし、今日さえ乗り越えれば明日は休めるスケジュールだったので、選手たちにもそれを伝えた上でオーダーを決めました」
もし日本男子がこのまま3人だけで全日程を戦い抜くとすれば、1952年のボンベイ(現ムンバイ)大会以来の出来事となる。ただし、当時の日本代表は予算不足により3人しか派遣できなかったという背景がある。5人を派遣しながら、実質3人のみで戦い抜くことになれば、変則的な試合方式による極めて異例の事態といえるだろう。
PHOTO Remy Gros
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