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世界卓球2026

「金メダルをつかむ」ことの難しさを知った日本男子。張本「2年後にリベンジすることを忘れない」

世界選手権ロンドン大会の男子決勝、日本対中国。
準決勝で相手エースの林昀儒を粉砕した張本智和はトップで起用され、梁靖崑(リャン・ジンクン)と対戦した。決して分の悪い相手ではない。出足から激しくもスピーディーな打撃戦が展開され、会場からは感嘆の声が上がった。

ゲームカウント2-0とリードを奪う。しかし、そこからの梁靖崑の粘りに、中国の王者たる精神力を見た。それは前日の準決勝、中国対フランスの3番で、アレクシス・ルブランに2-0とリードされてからの梁靖崑の逆転劇を彷彿とさせた。

2-2のフルゲームに持ち込まれ、最終第5ゲームも8-3とリードした張本。勝利まであと3点。しかし、そこから猛追した梁靖崑が大逆転劇を演じた。

張本は試合後のミックスゾーンでこう振り返った。「昨日と同じように、1番がすべてという気持ちで入った。出足でリードできて良い入りはできたが、3ゲーム目から打つべきボールをミスしたり、(最終ゲーム)8-3から追い上げられる時に流れを断ち切る実力ある一本を打てなかった。速さに関してはぼくのほうがあったが、厚みがなかった」

もしトップの張本が勝っていれば、2番以降の王楚欽や林詩棟にプレッシャーを与えることができただろう。しかし、それでも日本が勝てたかどうかはわからない。ここ一番の決勝で見せる、中国の精神力とプレーの質の高さは想定を超えるものがあるからだ。

大会前半のグループリーグで敗れる中国男子を見て、多くの関係者は「今大会の中国は盤石ではない。日本にもチャンスがある」と思ったはずだ。しかし、決勝での彼らは全く別の集団のように隙がなかった。

「中国との『あと一本』の差を詰めていくのも大事だが、他の5、6チームに対してしっかり勝っていくことも大事。銀メダルを獲った収穫はあるけれど、どの試合で誰に勝ったかを見ていかないと、チームで勝った意味が曖昧になってしまう」(張本)

表彰式を終え、記者会見場での張本はこうも語った。

「間違いなく、ぼくにとっては勝っていた試合で、勝てなかったのは反省するしかない。相手の粘りも称えるしかない。調子の良し悪しがある中で助け合って決勝に行けたことは誇りに思うし、収穫と反省のある大会だった。2年後にリベンジすることを忘れない」

「史上最強」とも言われながら、10年間、決勝の舞台から遠ざかっていた日本男子。彼らは過大評価されていたのか。いや、違うだろう。決勝トーナメントに入ってからの日本男子は、間違いなく強かった。 

ただし、WTTなどで中国選手に勝つことがあっても、この「世界選手権」や「オリンピック」という舞台での中国選手は別物だ。その壁の高さに愕然としながらも、日本選手は戦いを挑み続けるしかない。

メディアのキャッチコピーとして踊る「金メダル」ではなく、本当の意味での「金メダルを獲ることの難しさ」を、日本男子の3人は肌で感じたはずだ。

 

恐るべき中国の強さ。しかし、2年後にこの場所に立つのは日本であってほしい

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