悲願の団体金メダルをかけて決勝で中国に挑んだ日本。しかし、王者の壁は厚く0-3で敗戦。2度目の銀メダルで大会を終えた。
●女子決勝
【中国 3-0 日本】
○陳夢/王曼昱 -9、6、8、7 石川/平野
○孫穎莎 8、5、-3、3 伊藤
○王曼昱 5、9、3 平野
1番のダブルス、中国は準々決勝、準決勝に続き陳夢/王曼昱を起用。2番は伊藤美誠と孫穎莎、シングルス準決勝の再戦となった。日本は試合を重ねるごとに素晴らしいプレーを見せている石川佳純と平野美宇のダブルスで、何とか先制点を奪い、プレッシャーをかけて試合を進めたいところ。その1本目、石川が選択したのはロングサービス。平野が3球目をバックストレートへ攻めると、浮いた返球を石川がスマッシュで決める。「攻める」という意志を表すようなファーストラリーで得点した日本、その後もレシーブではチキータ、フリックでどんどん仕掛け、ラリーでも積極的にストレートを狙っていく。ミスも出て点数は競るのだが、それも積極的に仕掛けていってのミス。10-9と日本がリードして、最後は平野のフォアフリックから連打で得点し、最初のゲームを奪った。
2ゲーム目に入ると、中国ペアもしっかり修正。1ゲーム目はなかなか先手を奪えなかったが、このゲームはレシーブからチキータを連発。日本ペアはレシーブでのミスが続き、終盤に追い上げたが11-6で中国が取り返す。3ゲーム目、積極性を取り戻した日本ペアがリード、中国ペアが追いつくも日本ペアがまたリードという展開が続くが、8-8から中国ペアが大技小技織り交ぜたプレーで3本連取。日本ペア、逆転を許す。4ゲーム目、日本ペアも好プレーを見せるが、中国ペアは簡単に得点を許さない。決まったと思うようなボールもさらに強烈なボールで跳ね返し、下げられても中陣から盛り返す。3ゲーム目から勢いが出てきた王曼昱が回転量のあるドライブで次々に得点をあげてマッチポイント。最後も早い打球点からバックサイドを切るコースへ王曼昱のバックドライブが決まり、ダブルスは中国ペアに軍配。攻めの姿勢を貫いて好プレーを見せた日本ペアだが、最後は得点が遠かった。
ダブルスを落とした日本、シングルスでは0-4で敗れた伊藤だが、孫穎莎にリベンジして試合の流れを引き戻したい。しかし、1ゲームを手にしたのは孫穎莎。スタートから長いラリーは少なく、お互いサービス・レシーブから3・4球目までの短いラリーでゲームが進行。伊藤が8-6とリードしたが、孫穎莎が素早い判断での回り込みフォアドライブを連発し、ラリーでのコース取りも冴えて5本連取を決めた。2ゲーム目は随所で孫穎莎の強烈なバックドライブが炸裂。このゲームも5-5から6本連取で孫穎莎が奪う。後がなくなった伊藤はサービスを散らし、孫穎莎を先に動かす展開で3ゲーム目を奪ったが、4ゲーム目はアンラッキーなポイントもあり、息を吹き返した孫穎莎が隙のないプレーを見せて奪取。孫穎莎がシングルスに続いてライバル・伊藤を下し、中国が4大会連続の頂点にあと一歩に迫った。
3番の平野は両サイドの厳しいコースを突くも、王曼昱が長身を活かして回転量のあるドライブで得点を重ねて第1ゲームを奪う。2ゲーム目、3-0と王曼昱がリードしたタイミングで平野がタイムアウト。平野が4本連取、3本連取で逆転するが、王曼昱がジワジワと巻き返し、8-9からは両ハンドが火を噴き3本連取。王曼昱の猛攻を止められず、平野が追い込まれた。第3ゲームも王曼昱に攻め込まれて試合が進み、最後は平野のフォアドライブがオーバーして終焉。王朝は揺るがず、中国が五輪団体4連覇を決めた。
試合後、3選手とも目に涙を浮かべながらインタビューに答えた。伊藤が「勝ちたかったし、悔しい気持ちもあるけど、楽しくできました」と語れば、平野は「決勝で2点使ってもらったのに勝てなくて悔しい。でも、この舞台に立てて楽しくできたので、いろいろな人に感謝したい」とコメント。最年長の石川は「中国の強さを感じたし、たくさんのサポートに感謝したい」と振り返り、ともに戦った伊藤、平野に「本当に心強い2人で、チームワークもすごく良かった。オリンピック前の合宿から最高の雰囲気でできて、本当に2人には感謝しかない」と言葉を贈った。
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