私の足元に落ちていた汗の正体

それはいつもの練習の一コマでした。

私は女子選手の練習相手をしていたんです。

隣りの台ではレジェンド田中さんと男子選手が、激しくボールを打ち合っていました。

私と田中さんがこっち側、向こう側には女子選手と男子選手。

まだ準備段階のボレー中だというのに、私の足元には何粒もの汗がポタポタと床に落ちていました。

私はあまり汗をかかないんです。その時も、まだ汗はかいていませんでした。

それなのに、私の足元には汗。

「隣の台の、しかも向こう側にいる男子選手の汗が私の足元まで飛んで来た。どんだけー!

私はそう思ったんです。

 

キューバ人の女子選手が練習場に入って来て、一緒に練習を始めようとしていましたが、準備体操を終えた彼女はおもむろに男子トイレへ入ったかと思うと、モップを持って来て男の子が練習している床目がけてモップがけを始めました。

 

私は汗をかいている男の子を見て「若いって、良いわねぇ~」と微笑むと、彼は「ボク、すごく汗をかくんです」と、恥ずかしそうにはにかんでいました。

 

まったく、しょーがねー奴だなぁ」と言っている田中さんの顔を想像しながら、そのまま視線を田中さんの方へチラリと向けると、

 

ちょっ! たっ、田中さんっ! めっちゃ汗かいてるじゃないですかー!

男の子が1リットル汗をかいてるとしたら、田中さんは5リットルくらいかいてるんじゃないですか?!

我が目を疑いました。大量の汗をかき、満面の笑顔の田中さん。

えっ? えっと、あのー……だ、大丈夫ですか?

っていうか昨日、何飲んだんですか? 

そして、なんでそんなに満面の笑顔なんですか?

 

モップがけをしているキューバ人の女子選手に「男の子と田中さん、どっちの方が床に汗落ちてた?」と聞くと、迷わず「田中さん」という答えが返ってきました。

 

そうか。私の足元に落ちていた汗は、隣にいた田中さんの汗だったのかー! っく~!

私の足元に落ちていた汗の正体” への 4 件のコメント

  1. 数行読んだだけで犯人はわかりました。
    岸クラでも田中さんが練習したあとは、子供たちがモップをかけていました。
    特にゲーム練習になると絶対負けないぞオーラを出しまくり、噴水車のようになっていました。
    体に気をつけて頑張ってくださいと田中さんにお伝えください。
    いっちゃんもね。(笑)

    1. あすかのちち、もとい、町くんのお父さん
      コメントありがとうございます!
      数行読んだだけで、犯人が分かったですと~! どっひょ~!
      岸田卓球クラブでも、子供たちがモップがけをするんですね! ペルーと同じだ!
      ということは田中さん、「自分の汗は子供たちに拭かせる」というのがセオリー、つまり「確立された手法」をお持ちなんですね!
      あの方、台に落ちた汗もご自分では拭きませんからね。
      「ゲーム練習になると絶対負けないぞオーラを出しまくり」も、ペルーも同じです。
      「噴水車のようになっていました」
      噴水車って、初めて聞きましたよ(笑)
      消防車とは違うんですね? 消防車は火を消すための車で、噴水車はなんのための車なんでしょう?
      田中さんに体に気を付けて下さいと伝えておきますね。
      まぁ、もう少しで日本に帰国されますが……。
      私も体に気を付けますね。
      町さんもね。(笑)

  2. どっひょ~!!
    「散水車」を「噴水車」って書いてしまってたよ。(汗)
    眠たかったからねえ~。
    まさかペルーに行っていて、日本語を忘れかけている人に指摘されるとは・・・。
    出直して参ります。

    1. 町さん
      「噴水車」と自信満々にコメントされていたので、日本語を忘れかけている何処かの誰かさんは「噴水車」なるものが存在しており、しかし、始めてお目にかかる単語が出てきたので「えっ! この世に『噴水車』なるものが存在しているとは、33年間ずっと知らなかったなんて……この恥さらしめっ! 小学校一年生から出直して来い!」と自分を戒めましたが、町さんが眠くて「散水車」と間違えちゃったんですね。眠いところ、コメントくださって、本当にありがとうございます! 嬉し過ぎて、私の目から涙が噴水車の様に出ています!
      しかし町さん、ペルーに行っていて、日本語を忘れかけている人に指摘されるなんて、さぞ恥ずかしかったでしょうに。出直して来て下さい。

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