月別アーカイブ: 2月 2018

趣味の卓球で夫婦喧嘩をしても、何の得にもなりません。

旦那レンソは予選リーグを1位通過したものの、決勝トーナメント二回戦で負けました。

 

レンソはテニス肘で全く練習が出来ず、そのくせ大会の4日前に、なぜか違う種類の新しいラケットとラバーに変えていたのです。

 

「テニス肘で練習が出来なかったし、ラケットとラバーを大会の4日前に変えて、ちゃんと準備が出来なかったから負けた」と会う友人全員に言っていました。

 

「言い訳をしたらこの手であの世行きにしてやる」と意気込んでいた私ですら「怒る」を通り越して呆れてしまい、なんの言葉もかけられませんでした……。

 

旦那よ……。まぁイイや別に。趣味の卓球ですからね。

「仕事の気晴らしに、ちょっと卓球」というレベルですから、もう何も言う事はありませんよ。旦那の趣味の卓球で夫婦喧嘩をしても、何の得にもなりません。犬も喰わぬ。

……ゴキブリだったら食べるかもしれないけどね。アイツら、何でも食べますからね。

 

 

外国の卓球大会といえば、卓球以外で何かネタになる事が絶対に起こります。

例えば、お決まりの停電。

野良犬や猫が体育館を走り回る。

鳩が体育館を飛び回る。

雨で体育館が雨漏りする。

 

今回の大会は鳩が体育館を飛び回りました。空いてるコートにも降りてきました。鳩よ、そこには豆は落ちていないよ……。

 

まぁ、鳩位のレベルはペルーでは当たり前ですよ。

それでもこうやって写真を撮る人が居るという事は、「クスッ、鳩が体育館に居るぜ(笑)」という笑いのネタになっている、という事でしょう。

↑ペルー人のおじさんが鳩にカメラを向けています。

 

一般女子の決勝戦。

ラケットを破損し、オリンピックを惜しくも逃したキューバ人のリーシー選手(もうすぐ33歳) VS すまし顔が得意なペルー1位のアンヘラちゃん(23歳)。

4-0でリーシーの勝ち。

 

一般男子の決勝戦。

ブラジルからの参戦、左ペン裏のイスラエル選手(41歳) VS ペルー1位のブライアン選手(28歳)。

4-1でブラジルのイスラエル選手の勝ち。

なんとイスラエル選手は20年前にもこの大会に出場し、一般男子で優勝しているそうです。恐るべし41歳……。

 

気を取り直し、友人の決勝戦のベンチコーチに入る旦那レンソ(写真右下)。

友人は見事に0-4で敗れたのでした。

バレンタイン。まさかこのプレゼントは「不倫」とかそういう系のやつ?

ペルーの、フアン 二十三中学校主催のオープン戦を観覧席でボケーっと見ていたら、とある16歳のナショナルチーム選手のお父さんが挨拶しに来ました。

 

年齢は恐らく60代前半。少し禿げており、少し小太りで、チョビ髭を生やし、メガネをかけています。

 

「先生、ごきげんよう」

「あら、○○君のお父さん、ごきげんよう」

 

この日はちょうどバレンタインデー。2月14日。

日本では女性が男性にチョコレートをあげるのが主流ですが、ペルーでは男性が女性に花束や「好きだよ」等と毒々しくプリントされたハート形の風船をプレゼントします。

ペルーでは「愛情」だけではなく「友情」もお祝いするので、友達同士で「友情の日、おめでとう!」と言ってハグをしたり、フェイスブック等で「おめでとう!」等とメッセージを送り合います。

 

選手のお父さんと時候の挨拶を軽く済ませると、彼が手提げ袋からよそよそしく箱を取り出しました。

 

「先生、これ、どうぞ」

「あら何かしらこれは?」

箱を持ってみると、なにやらずっしりと重い。

 

まさか。お父さん。

 

○○君のお父さん。

 

2月14日、バレンタインデーにプレゼントなんて……。

 

ダメですよ。私が人妻という事を知っているでしょう?

貴方も奥さんと二人の子供を持つお父さんでしょう?

しかも試合会場の観覧席で堂々とこんなものをプレゼントするなんて、何という感覚の持ち主!

 

恐る恐る箱を開けてみると……

 

 

私 「……。」

 

 

……バレンタインデーに関係なく、不倫とかそういう系の方じゃなくて本当に良かった。

 

っていうか、何コレ?

 

「先生、これは私が手作りした回転をかけるのを覚える道具です。身体の使い方を覚えるのにも役に立ちます。中国では上級者がこういうのを使っているのをビデオで見ました。日本でも使われていると思いますが、どうでしょう? 是非、先生もこれをお使いになって下さい。差し上げます。ほら、ここ、バネになっていてビヨンビヨン動いて元に戻るんですよ。卓球台が無い所でも椅子なんかに置けば十分使えますし、持ち運びも楽なんです。それから……、そして……、ここが……、さらに……」

※銀色のバネがビヨンビヨンと動きます。

 

そういえば、この家族、アレでした。すごくプレゼントしてくるんでした。

最初はお母さんでした。「先生、突然ですが、これをどうぞ」と、本当に突然こんな箱をプレゼントしてきて、

 

○○君は漫画「ワンピース」が大好きだというので日本に帰った時にトニートニー・チョッパーのぬいぐるみを買ってプレゼントしたら、次の日「イズミ、これをどうぞ」とお返しに牛をプレゼントしてくれました。

 

牛!

っていうかこの牛、笑えるくらいかっこいいんですけど!

 

で、今回はお父さんからプレゼント。

 

○○君には歳の離れたお姉さんが居るというので、次はお姉さんからのプレゼントで決まりだな。

名前も知らないし、会った事もないけど!

試合で負けた言い訳が「だって、練習しなかったんだもん」

現在、2月10日(土)~17日(土)まで、ペルーの中華系の中学校「フアン 二十三中学校」による卓球オープン大会が行なわれています。

 

参加国はペルー、中国(といってもペルーに住んでいる中国系人)、ブラジル、エクアドル、チリ、キューバ、パナマ、ボリビア、そして日本。

(写真提供:渡辺拓也氏)

 

え? 日本?

……一体誰が出るんだろう? ま、まさか、私?

いえ、私は試合に出ませんよ。じゃあ誰が出るんだろう?

JICAボランティアの松山新之助くん?

ペルーで活動していた時はこういう大会に絶対に出てましたけど、彼ならもう帰国しましたよね?

じゃあ渡辺拓也くんかなぁ? モケグア県でコーチをしているけど、彼はそんなに試合に出るタイプじゃないのにな。

 

誰かに「イズミ、(勝手に)試合登録しておいたからね」なんて言われたらぶっ殺すよ?

あらやだ私ったらごめんなさいね。育ちの良さがバレてしまいますわね。おほほほ。ごきげんよう。

 

二年前の同じ大会で旦那レンソとミックスダブルスを組んで準優勝しましたが、未だに「二度とレンソとはダブルスを組まない!」という固い意思は貫かれたまま。(去年のチリで行われたマスターズ大会は除く)

 

そして一般女子シングルスでは優勝。相手はかつて「天才」と呼ばれていた、問題児のフランチェスカちゃん。色々と問題を起こし、現在はペルー卓球協会から離れています。

セットカウント4-2、最終セットは11-2で勝ちましたがその印象が強かったらしく、「今年も大会に出るの?」と全員に聞かれます。

 

「いえ、出ませんよ」と言うと「この大会、イズミにはレベルが低すぎるから、試合に出てもつまらないんでしょ?」と言われますが、そんなことありません。

 

ペルーのランキング1位、「すまし顔」が得意なアンヘラちゃんに今まで1セットも取られた事がなく、ペルーで卓球の個人コーチをしてお金を稼いでいるキューバ人の現役卓球選手、オリンピック予選決定戦で負け(勝っていたのにラケットを台にぶつけてラケットが破損、スペアを持っていなかった為、そこら辺にいる観客のラケットを借りて続きをプレーし、見事に逆転負けをした)、惜しくもオリンピック出場を逃したリーシー選手に、この前練習試合で2-0で簡単に勝ち、ナショナルチームの練習試合で男子のリーグ戦に突然入れられたにも関わらず優勝しても、「この大会、私にはレベルが低すぎるから、試合に出てもつまらない」という事ではないんです。まじで。

 

ではなぜ私がかたくなに試合に出ないのかと言いますと……

 

そもそも私、選手じゃないんです。コーチなんです。ペルーナショナルチームのコーチをしているんです。

 

日本だったら、例えば田勢邦史さんがナショナルチームの選手たちが出ているオープン戦に出ますか? っていう話しなんですよ。

 

っていうか、もし試合に出るとするなら、ちゃんと練習して準備(勝つための最大限の努力を積む)しないと。だって、絶対に負けたくないんですもん。

 

卓球をなめないで欲しいですよね。試合は誰が勝つか分からないから面白いんでしょう? 私だって負けるかもしれない。

もし私が「練習しないで負けたら」どうなると思います?

ちゃんと練習して負けたら「あぁ、負けちゃった」で終われるんですけど、練習しないで負けたら「だって、練習しなかったんだもん」って言い訳が私の口から絶対に出るんですよ!

 

これ、私が一番嫌いなやつ!

 

しかも練習してようが、してなかろうが、そんなの「対戦相手には全く関係の無い事」ですしね。勝ちは勝ちで、負けは負け。そして私は練習していません。

 

試合で負けて、言い訳が「だって、練習しなかったんだもん」。

 

そんな言い訳聞きたくないし、絶対に言いたくない。なので、私は試合に出ません!

 

 

旦那レンソはいよいよテニス肘になり、今も病院に通ってリハビリ中。

練習も全然出来ず、体重も増えるいっぽう……。

そのくせ30代の部にエントリーし、ご両親が応援に駆け付け見守る中、昨日見事に予選を1位で通過しました!

明日は決勝トーナメントです。

 

30代の部にもブラジルやチリからの参加者がおり、優勝は難しいですが、どこで負けたとしても「テニス肘で練習が出来なかった」なんて言い訳を言った日にゃ、この手であの世行きにしてやります。