いまどき、時代は「隆子ちゃん」

憧れの国、ジャパン。

 

待ちきれない 早く行きたい あの国へ

 

どうも、いつもトースターでパンを真っ黒に焦がす西田泉です。

 

 

今年の年末にペルーからペルー人3人を連れて日本に参ります。

 

メンバーは3人。

 

エントリーナンバー1。前回、日本に来る前に小指を骨折し、日本では全く練習できなかったジョバニ君(右ペン裏裏の16歳)がリベンジ来日。

 

エントリーナンバー2。ペルー15歳の部1位のナツミちゃん(右シェーク裏裏の15歳)。ナツミっていう名前からして、日系人と思う人もいると思いますが、まさかの生粋のペルー人。お父さんが日本かぶれで、子供たちに日本の名前を付けたそうです。ナツミのお兄ちゃんは「ケンイチロウ」、お姉ちゃんの名前は……すみません、忘れました。

 

エントリーナンバー3。日系人のエリカちゃん(右シェーク表裏の15歳)。日系4世です。日本語も少し話せます。しかしめっちゃ大人しい子なので、日本人のみなさんとコミュニケーションとれるかちょっと心配。

 

 

来年の3月4日にペルーに帰ります。滞在期間は64日。前回は50日だったので今回は2週間も多めの滞在です。

 

 

前回同様、神奈川県海老名市にある、両親が「新しく建てた家」に住まわせてもらいます。

 

そして73歳の母親に毎日大量の料理を作ってもらいつつ、大量の買い出しもしてもらいつつ、たまに送り迎えもしてもらいながら、同時進行で体力不死身の5歳の息子の面倒を見てもらうつもりです。

 

 

おんぶにだっことはまさにこのこと。お母さん大活躍。卓球王国の取材依頼が来ても全然おかしくない。たぶん今頃インタビュー受けてる。来月あたりの卓球王国のインタビューに載ってる。おっと、お義兄さんに知らせなきゃ!

 

それなのにうちのお母さんときたら、性格がおっとりしていてのんびり。全然ガッツいたりしないの。

競争とか争いごとが嫌い。競争中に「お先にどうぞ」とか言っちゃってるし。中学校の部活では友人について行きバスケットボール部へ。バスケットは5人で戦いますが、6人しか部員がいない中、試合ではいつも補欠という分際。

文句もほどんど言わない。雪国の岩手県花巻市で生まれ育ったせいか、とっても我慢強くって。そのくせ、かましてくるボケの破壊力ったら半端ない。「天然ボケ」と「老化からくるボケ」が相乗効果によって跳ね上がり、すでに手が付けられない状態。

 

そんなお母さんの卓球王国でのインタビューは「頑張ります」の一言のみ。

 

 

ところでみなさん、歌舞伎で言う「黒衣(くろご)」って知ってます?

 

舞台上で俳優の補助をする役割を「後見(こうけん)」といいますが、顔を隠して全身黒い衣裳を身に付けている「後見」は「黒衣(くろご)」と呼ばれるそうです。

 

 

そう。ペルー選手たちを陰で支える名黒衣。その名を隆子(りゅうこ)。御年73歳。

 

 

もうね、隆子ちゃんの活躍無くして日本遠征は語れないっていうか。

 

いまどき、時代は「隆子ちゃん」だよねっていうか。

 

隆子ちゃんの話題について行けなかったら、結構ヤバいっていうか。

 

美容院でかけてもらっているパーマーがばっちり決まった時にお見掛けした時には

 

ダァーズィベンニャーカラチ―ヒババー! って歌うにかぎるよね! 私なんて勢い余って手拍子なんかも付けちゃう!

 

あれ? なんか選手より活躍しちゃってる。トロフィーは真っ先に隆子ちゃんにあげたい。金メダルは率先して隆子ちゃんにかけに行く。あれ、隆子ちゃん、今までずっと補欠だったのにいきなり金メダル貰って戸惑ってる。っていうか、今すぐ主役の座を明け渡したい。黒衣なんて、さっさと脱ぎ棄てちゃいなYO☆

 

 

それなのに。

 

 

それだのに。

 

 

前回の遠征中では、まだ折り返し地点でもないのに、あの名黒衣・隆子ちゃんに「ねぇ、いつになったらペルーに帰ってくれるの?」と言われ続けました。

 

あーはいはい、またその話ね。それね、もうね、耳タコ。つーか他に話すことないの? 昨日も、一昨日も同じこと言ってたよね。どうせ明日も言うんでしょ?

 

妹は妹で「ここぞ!」とばかりに母親をかばう。姉である私に噛みついてくる。

 

「……ねぇ、いっちゃん。お母さんは『お手伝いさん』じゃないんだけど。こき使わないでよ。お母さんがかわいそう!」

 

で、お母さんはお母さんで下を向いて、じーっと一点を見つめてるわけです。

 

一家の大黒柱であった、みんなから「ルパン」と呼ばれ恐れられていたお父さんはなぜか一言も話さないんですけど。なんかずっと黙ってる。

まぁね、いつも割と寡黙な方ではありますが、今は「まぁまぁ」くらい言っても良くない? 「ま」と「ぁ」を続けて二回言えば良いだけなんですけど。ほら、リピートアフターミー。

 

まぁまぁ。

 

……。

 

リピートアフターミー。

 

まぁまぁ。

 

……。

 

……こうなったら「どうどう」でも良い。

 

お父さんっ、ねぇ、お父さんっ!

 

なにこれ! みんなで私を悪者扱いしてっ! ひどいっ! お母さんに言いつけてやるっ!

 

おかーさーん! おか~さ~ん! おかぁ~s……

 

 

 

帰国の日になると、父親、隆子ちゃん、妹に万歳三唱されつつ送り出された。

 

 

「お願いします。もう二度と来んなっ!」って言われた。

 

 

でもね、また行きます。また来ます。

 

 

つーことでみなさん。ペルー人を見かけたら相手をしてやってください。そしてペルー人を通して隆子ちゃんの活躍も見越して欲しい。

 

ペルー人一行が日本で活躍している裏には、名黒衣・隆子ちゃんの頑張りや踏ん張り、優しさ、人には見せない涙があることに思いを馳せて欲しいのです。

ついでに妹の愚痴と父親の無言の重圧が私に圧し掛かっていることもみなさんに知ってもらいたい。

 

でも隆子ちゃんに同情した「共感度」が高いあなたには「日本に来ないでください」って言われそうですね。

 

でも行きます。

いまどき、時代は「隆子ちゃん」” への 2 件のコメント

  1. 泉さん今晩は。隆子様尊敬致します。ワタクシなんぞ、子供達の帰省は一日で十分です。「子供、元気で留守がいい」のに64日も居られたら・・・・想像するのも恐ろしい。70代の体には堪えます。どうぞ親孝行もお忘れなくお願い致します。

    1. ふなちゃんさま
      コメントありがとうございます。
      40歳の子供(私)が来るだけならまだしも、5歳の孫(しかも男の子)を連れて来られ、ペルー人の付き添いだか何だか知らないけれど、その間、ずっと孫の面倒を見る? 買い出しもして、料理も作って、送り迎えもしてくれだと? え? 64日間も?
      私だったらストライキを起こします。

      そうそう、「親孝行」はもちろん考えていますよ!
      そこは西田泉、「抜かりが無い」といいますか。
      私が考える親孝行。それは……

      孫(5歳の男の子)の遊び相手になってもらう事です!

      え? 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です