月別アーカイブ: 11月 2024

紫色のジャージ

父の話しをします。

昔はなかなかの「ルパン顔で強面(コワモテ)」の中学校の社会科の先生だったんですけど。

 

「ルパン顔」のおかげで、ニックネームは「ルパン」。母の隆子ちゃんはとばっちりを受けて、みんなから「不二子ちゃん」と呼ばれる始末。

 

社会科の先生のくせに体育教師ばりにいつもジャージを着ていまして。

所見の人は「西田先生は体育の先生」だと勘違いするレベル。

 

私が小学校4年生だった頃の授業参観で、母が入って来て、

出て行ったと思ったらなんと父が入ってきました。

 

父が授業参観に来たのは初めて。来るなんて思っていなかったのですっごいビックリしたんですけど。

 

何にビックリしたかって、お召しになっていた服なんですけど。

 

いつも着ている超・紫色のジャージ(上下)で登場したわけ。

 

「おめかしのワンピ、あら奥さんごきげんよう」とか、

「久しぶりにタンスから引っ張り出してきまして~、まぁ奥さまお久しぶりですわね」とか、

そういうのが微塵も出てないわけ。ザ・ゼロ。

 

でも紫色はモロ出し。すっごい紫色なの。「えこんな紫色、出せる~?」って戸惑うくらい、紫色してんの。

 

父が教室に入った途端、本当にね、クラスが一瞬ザワつきました。

 

で、もう恥ずかしくて恥ずかしくて、授業の内容なんて微塵も頭に入って来ないわけ、いつもにも増して! 

 

授業が終わると仲の良いグループの女の子たちがみんなして

 

「ねぇねぇ! あの紫のジャージ着た人、見た?」

「見た見た! すんごいジャージだったよね(笑)」

「誰のお父さんだろうね?」

「ねー。いっちゃん、知ってる?」

「いや、知らないなぁ」

「あ、でも私あの人知ってる! あの人、私が通ってるピアノ教室でピアノ弾いてるんだけど、めっちゃ上手なんだよ」

「それにしても、めっちゃ怖そうだったね、ヤクザが来たかと思ったよ(爆笑!)」

「あはは~!」

 

 

お父さんごめん。「知らない」なんて言っちゃって。

みんなごめん。嘘ついて。

 

 

おまけ。

3歳年下の妹が、小学校1年生の時の授業参観にて。

 

先生「はい、みなさん。今日は国語の授業ですね。『う』から始まる言葉、知っている人? はい、西田さん、元気が良いですね! どうぞ!」

 

妹「うんこ!」

 

教室が大爆笑の渦で包まれたそうです。

父 ~ペルーの公園にて~

哀愁漂う背中。ペルーの公園にて。

父、68歳。

かかとに重心を置いたのか、この後、乗っていた遊具が見事に宙を舞い、父が転びそうになりました。

しかし驚異の身体能力を発揮し、大事には至らず。

卓球はナナフシみたいなフォームで相手の気を存分に逸らせていますが、

若かりし頃は登山、今でも夏は水泳でバタフライ、冬にはスキー、週に3回はサウナ、毎日ピアノの練習は欠かさない。運動神経はあるほうかと思います。

最近では91歳になる私のお祖母ちゃんの為に料理を覚えた。

 

めんつゆで野菜を煮れば、なんでも和風になって美味しいんだ」が最近出来た口癖。

 

「まだまだ若いもんには負けんっ!」っていうセリフは私の父が言いそうなセリフ。実際に聞いたことはないけど。でも絶対に心の中で言ってる。

元中学校の先生で、生活指導などをしていたので「若いやつに隙を見せたら付け込まれる」とでも思っているのでしょうか。

 

で、実際にいつも口にしているセリフは「死んだらずっと休めるんだから、死ぬまでは休まない」ってヤツ。それと「自分のケツは自分で拭け」。それから、

 

「お袋のところ行ってくる」

「リトキン行ってくる」

「部活行ってくる」

「ピアノ行ってくる」

「飯、風呂、寝る」

 

これらのセリフを見ただけで、私の父を表現していることが分かります。

 

突然ですが問題です。これは誰のセリフでしょう?

「やっべ! またパン焦がした!」

「コーヒー淹れてくる」

「レンソ、運転中は携帯電話見ないでよ!」

「レンソ、お風呂入って! 昨日だって入ってないんだから」

「レンソ、ちゃんと歯、磨いた?」

「だめっ! もうビデオはおしまい! こんなにビデオ観ないの!」 (息子に対して)

「公園行こう! ママを公園に連れて行って」

「走っちゃダメ! それ触らない! そこ登らない! 勝手に入らない!」

「やっべっ! もうこんな時間! 早く寝るよ! 明日も幼稚園だよ!」

 

 

あなたのいつものセリフは何ですか?

隆子ちゃんの卓球のレベル in ペルー

父と母が100日間のピースボートに乗って世界を一周しているのですが、この前ペルーにもやってきました。

 

船内には卓球台が2、3台ほど置いてあるらしく、二人はマイラケットでたまに船内で卓球をしているそうです。

ちなみに父は中学校で卓球部の顧問をしていましたが、自身が選手だったことはなく、今でも週に3回通っているリトルキングスでは初心者の子供たちのレベルを測る「丁度良い目安」となっております。

 

母に至ってはずっと初心者。声出しとか、ボール拾いレベル。卓球の神様から中級者の敷居を跨ぐことを禁止されています。

 

ペルーにいる時、隆子ちゃんが5歳の孫に「ねぇ、おばあちゃんと卓球しようよ~」と誘ってもずっと無視され続けていたので、私が仕方がなく、暇を持て余した神のごとく振り向きざまに「私が相手してやろう」と隆子ちゃんの卓球の相手に名乗り出たのですが。

 

なんかさ、もう一度、声出しとか、ボール拾いからやり直してきてほしい。体育館の隅の方で素振りとかしてきて? え? 卓球のコーチがそんなこと言っちゃダメ?

 

まぁいいや。彼女は真剣に、至って真面目にボールを打っているのでしょうが、

 

なにそのラケットの振り方。特にフォロースルー。ブレッブレなんですけど、どした? それ、ブラす意味あるの? え? 敵を動揺させるため? それだったら効果抜群だね。つーかそのフォーム、誰に教えてもらったの? え、お父さん? まぁ、お父さんもお父さんで相当癖のある振りをしているけども。なんかナナフシみたいな動きするよね。

 

夫婦揃って癖の強い卓球してる。

 

船内で卓球のダブルスの大会があったらしく、もちろん参加したらしいんですけど。参加者があまりにも多く、1セットのみの7本勝負。

「7本」って……せめて11本にしてほしかった。

 

一応父は卓球部の顧問だし、母も「卓球をしたことのない73歳」よりは卓球をしている方だと思うので、「で、もしかして優勝しちゃった?」 って聞いたんですよ。

 

そしたら! なんと!

 

一回戦負けだそうです。

 

ズコー!

 

卓球部の顧問の威厳(近寄りがたいほど堂々としておごそかなこと)とかさー、人生の酸いも甘いも大体経験したのにも関わらず、まだまだ現役、いつでも貪欲に「まだまだ若いもんには負けん! わしゃ、クルーズ船で世界一周してるんだ73歳にもなって! 100日間かけて!」みたいな貫禄を、ちゃんと出した? ほのめかした?

 

あぁ、そういえばお母さんはそういうタイプじゃなかった。競争中に「お先にどうぞ」とか言っちゃうタイプだったわ。今回の船内のダブルス大会だって、積極的にミスしたんでしょ? え? それはさすがに無い?

 

で、隆子ちゃんの卓球のレベルに戻りますが、最初は20球くらい続いたんですよ。でも、速攻に集中力が切れたのか、今度は5、6本でミスし始めた。で、ミスする度に

 

「あれ~?」って言うんですけど、まじで、それ言わないで。

 

「となりのトトロ」でメイがさつきとお父さんにトトロの巣に繋がる道を教えてあげようとするけど、道が違う所から出てきて「あれ~?」って言ってたように言うんです。

 

私は我慢が出来なくなり、ついに笑ってしまい「ウケた!」と確信した隆子は以前にも増してミスを連発し「あれ~?」の輪唱が始まった。

 

「あれ~?」を言いたいがために、絶対にわざとミスしてる。

 

私も私で「ミスさせまい!」と卓球歴35年(内コーチ歴13年)の知見と名誉にかけて、持っている技術と集中力を全て出しきって配球に専念したんですけど。

 

それでも母があまりにもすぐミスをするので、もしかしたらラバーが悪いのかもと思いチェックしたら、

 

ラバーが両面ともツルッツル。アンチラバーも顔負け。

 

多分ですけど、25年前に卓球始めてから一度もラバーを替えてない。

 

暇を持て余した神が「……ラバー替えれば?」って言ったんですけど、

 

ラバーたちが「私たちはここから離れません! ずっと隆子ちゃんについて行きます!」ってしがみついてるわけ。ご主人を慕うペットみたいになってんの。

 

 

で、お母さんもお母さんで「やれやれ、アンタたちには手塩にかけて今までお世話して(されて)きたけど、これからもお世話する(される)ことになりそうだね、しょうがない子たちだね」って言ってんの。でも私は知っている。このラバーたちがいつの間にか誰かに張り替えられたとしても、絶対にこのおばあさんはそれに気が付かない。

全日本マスターズ大会

全日本マスターズ大会、女子サーティで優勝した片上知代さん(フォーネット・愛媛)、女子フォーティで優勝された上原美月さん(九十九・東京)、この度は誠におめでとうございます!

 

二人とも青森山田高校時代の同級生でした。

 

卓球王国に書かれていますが、片上さんは「会場中に響き渡る気迫の雄叫びで勝利した」とのこと。

 

嗚呼、高校時代を思い出す。

 

会場中に響き渡る雄叫び……

 

昔は両面表ラバーでね。しゃがみ込みサーブを駆使し、ボールを追ってよく転び、靴下はわざとデザインの違うものを履いていたけれど、今でも靴下は違うデザインのものを履いてるのかな。

 

上原美月(るな)さんは、昔は「ルーさん」と呼ばれていて、おっとりとした中国人のかわいい女の子でした。

髪の毛を指でクルクルいじり、マイペースで、自分の世界を持っていました。

卓球王国に「強引な強打はせず、ポーカーフェイスで戦い抜いた」って書かれてありましたが、なんなんですか卓球王国さん! めっちゃその通りじゃないですか! 当たりすぎててビックリしますよ! ルーさんは昔からそのスタイル変わってないんだね。片上さんといい、ルーさんといい、超・的確に表現されている!

 

 

……いいなぁ。私もマスターズの試合に出て、卓球王国さんに私のプレースタイルを文章にして欲しいなぁ。なんて書かれるかな?

 

トレードマークの投げ上げサービスを駆使し、左ペン表からなるブロックとフォアストレートのスマッシュで戦い抜いた。得意のストップとフォアハンドのフリックで相手を揺さぶり、前陣速攻でポイントを重ねたかった。「サーブ練習をしないとすぐにミスが出るので、試合前は独りでひたすらサーブ練習ばかりしていました。練習相手には感謝しています」(西田)。

コーヒーの味の違い

「今ごろ隆子ちゃんは卓球王国のインタビュー受けてる」と思っていましたが、5歳年下の旦那さん、つまり私の父を引き連れてペルーに来ていました。ピースボートに乗って。

3泊4日ペルーに滞在し、イースター島へ出かけていきました。

 

大量の卓球用品を持ってきてくれたので、お返しにとペルー産のコーヒー豆をお返しに買いに行ったんです。

 

クスコ産、ハエン産、ビジャリカ産etc……フルーティーだったり、苦みが強かったり、蜂蜜みたいな甘みが最後に残ったりと各産地によって味が変わります。

 

コーヒー好きには味の違いを楽しむっていうのは、とってもお洒落ですよね。「こいつ、デキる!」みたいな。

 

卓球で言うと、「ラバーの違いからくる、球質の違い」といったところでしょうか。

 

私はペルーで卓球のコーチをしています。各選手の身体の癖、使用しているラバーを見つつ、打ち方のアドバイスをさせてもらっています。

 

こういう「ちょっとした違い」を見つけ出せるのは、長年の経験からくる賜物(たまもの)でしょう。

 

で、コーヒーの味の違いなんですけど、私はコーヒーの味の違いが分かりません。

 

普通に飲んで「あぁ、これはコーヒーだな。美味しいな」で終了。

試飲なんかで「これはフルーティーな味がするよ」と言われれば「あぁ、本当ですね、フルーティーですね」って言えるんですけど。

っていうか、一生懸命フルーティーを探すよね。逃げた飼い猫を探すかのように。

「フルーティー!? フルーティー!? どこ行ったの? あっ! いたっ! 見つけたっ! フルーティー! 全く、どこに行ってたの? ママはずっと探していたのよ!」

 

で、次は「これは後味に蜂蜜みたいな甘みがあるよ」と言われれば「はちみつ~? はちみつ~? あっ! いたっ! 見つけたっ! はちみつっ! 全く、どこに行ってたの? ママはずっと探していたのよ! あれ? アンタ……はちみつ? なんだかちょっと違うような……まぁ、いっか。はちみつっていう事にしておきましょう。はちみつ、見つけました」ってなるわけ。

 

 

だからボケのラスボスで恐れられている隆子ちゃんも、どうせ味の違いなんて分かるまいと高をくくって

 

「お母さんも、どうせ味の違いなんて分からないでしょう?」って言ったら

 

「分かるよ」

 

とサラリと言われた時に私が受けた衝撃といったら!!!

 

これがあの噂の「長年の経験からくる賜物」というものか!

 

だてに73歳生きているだけある。

 

日本では現在、全日本マスターズ大会が石川県で行われていると思います。選手のみなさん、頑張ってください!