紫色のジャージ

父の話しをします。

昔はなかなかの「ルパン顔で強面(コワモテ)」の中学校の社会科の先生だったんですけど。

 

「ルパン顔」のおかげで、ニックネームは「ルパン」。母の隆子ちゃんはとばっちりを受けて、みんなから「不二子ちゃん」と呼ばれる始末。

 

社会科の先生のくせに体育教師ばりにいつもジャージを着ていまして。

所見の人は「西田先生は体育の先生」だと勘違いするレベル。

 

私が小学校4年生だった頃の授業参観で、母が入って来て、

出て行ったと思ったらなんと父が入ってきました。

 

父が授業参観に来たのは初めて。来るなんて思っていなかったのですっごいビックリしたんですけど。

 

何にビックリしたかって、お召しになっていた服なんですけど。

 

いつも着ている超・紫色のジャージ(上下)で登場したわけ。

 

「おめかしのワンピ、あら奥さんごきげんよう」とか、

「久しぶりにタンスから引っ張り出してきまして~、まぁ奥さまお久しぶりですわね」とか、

そういうのが微塵も出てないわけ。ザ・ゼロ。

 

でも紫色はモロ出し。すっごい紫色なの。「えこんな紫色、出せる~?」って戸惑うくらい、紫色してんの。

 

父が教室に入った途端、本当にね、クラスが一瞬ザワつきました。

 

で、もう恥ずかしくて恥ずかしくて、授業の内容なんて微塵も頭に入って来ないわけ、いつもにも増して! 

 

授業が終わると仲の良いグループの女の子たちがみんなして

 

「ねぇねぇ! あの紫のジャージ着た人、見た?」

「見た見た! すんごいジャージだったよね(笑)」

「誰のお父さんだろうね?」

「ねー。いっちゃん、知ってる?」

「いや、知らないなぁ」

「あ、でも私あの人知ってる! あの人、私が通ってるピアノ教室でピアノ弾いてるんだけど、めっちゃ上手なんだよ」

「それにしても、めっちゃ怖そうだったね、ヤクザが来たかと思ったよ(爆笑!)」

「あはは~!」

 

 

お父さんごめん。「知らない」なんて言っちゃって。

みんなごめん。嘘ついて。

 

 

おまけ。

3歳年下の妹が、小学校1年生の時の授業参観にて。

 

先生「はい、みなさん。今日は国語の授業ですね。『う』から始まる言葉、知っている人? はい、西田さん、元気が良いですね! どうぞ!」

 

妹「うんこ!」

 

教室が大爆笑の渦で包まれたそうです。

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