あら、迷える子羊のみなさん、ごきげんよう。
日本に居る時に、「せっかくだから東京オリンピックで一緒にボランティアした皆さんで集まりましょ~!」つって、いつも通り大村さんから皆さんに声を掛けてもらったんですけど。それからスケジュールの調整と、場所の確保もしてもらったし、当日には集金もしてもらったんですけど。
「みんなに会える! 嬉しい!」つって、テンションが上がった私は、ちょっとかっこいいことを言いたいと思い、セリフを考えた。なんだっけ、何て言うんだっけ、アレ。
「たのもー!」つって、勝手に道場に押しかけて、試合を申し込むってやつ。
確か「〇〇破り」って言うんだけど、……何を破るんだっけ?
先生! 国語の先生! メガネをかけた国語の先生がいらっしゃいましたら、西田に助言をお願いします! この際、メガネをかけてなくていい。国語の先生でなくてもいい。
あれ、でも待って。
嗚呼、そうだった、そうだった。メガネをかけた国語の先生に聞かなくっても、思い出したわ。 「ピン!」ときた西田泉は早速、グループラインで
「看板破りに参ります!」
ってメッセージを送ったら、
「道場破りな!」
って返事が返って来たんですけど。
えっ?
……えっ??
ど、道場って、……破れるの?
……看板の方が、破れそうじゃないですか? 物質的に。
「プロレスにおける道場破り」Wikipediaより
プロレス界では腕自慢の部外者がプロレスラーとの腕試しを要求するケースが時折あるとされ、こういった目的を持つ人物がプロレス団体の道場に押しかけて来た場合を「道場破り」と呼ぶことがある。この場合プロレス団体側は可能な限りの適役、即ちガチンコでの立ち合いで実力を発揮するレスラーに相手をさせるのが通例。
「道場破り」Wikipediaより
フィクションに描写される典型的な形態では、腕に覚えのある武芸修行者が紹介もなく他流の道場に乗り込み、道場側を挑発して他流試合を強要し、師範代など主だった門弟や、道場主、場合によっては助っ人など道場側を総て倒す。道場破りに成功すると、看板を破壊する、あるいは戦利品として持ち去る。看板を取られた道場側は廃業するか、看板を金品を払って買い戻さねばならない。看板なしでは道場が運営できないからである。一方、もし道場破り側が敗北すれば、半殺しにされた挙句、往来に放り出された。
あのー……。
ここに「道場破り側が敗北すれば、半殺しにされる」って書いてあるんですけど。
これじゃあペルー人、いくら命があっても全然足りないんですけどっ!
それにしても、「道場破り」って、なんだか響きがかっこいいですよね。「日本で卓球遠征する」とかじゃなくて、「日本に道場破りしに行く!」って表現したら、ボケーっとお茶を啜っていたおじさんなんかは「なぬっ?!」つって正座をし始めるかもしれない。
今年は3人のペルー人が日本で「道場破り」させてもらいましたが、行くところ、ほぼ全ての先生、選手に大人気だったナツミが、先日エクアドルで行われた「WTT ユースコンテンダー」の17歳と19歳の部で見事優勝しました!
ペルー人3人とも、日本で練習している間に、目に見える形でどんどん強くなっていったんですけど、これも「ペルー人の道場破り」に胸を貸して下さり、指導してくださった皆さまのお陰です。心から感謝しています。