スマホ版に
戻る

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

世界選手権広州大会(団体戦)

女子準々決勝4戦目、中国対ルーマニア。
ルーマニアといえば、昨年の世界戦ザグレブ大会で、日本の福原、平野、福岡を破った、ドデアンとサマラがいる。今、伸び盛りの二人が中国に真っ向勝負を挑んだ。
サウスポーのサマラは張怡寧と見応えのあるラリーを展開。厳しくコースをつき、3ゲーム目を奪う健闘を見せた。
ドデアンは郭躍と対戦。一発のあるドデアンの攻撃にさすがの世界チャンプも驚いたのか1ゲーム目を失う。そのままドデアンが勝利、とはいかなかったが、その後も積極的な攻撃で互角といっても良い、見応えのあるラリーを見せた。
当然ながら、中国がストレート勝ち。しかし、ドデアンとサマラのプレーは今後のさらなるステップアップを予感させるすばらしい内容だった。

  中国 3-0 ルーマニア
○張怡寧 8、7、-8、7 サマラ
○郭躍 -9、4、3、9 ドデアン
○李暁霞 4、9、2 ヒリチ

サマラ&ドデアン、中国相手に実力を発揮
接戦となった中国香港対オーストリア。オーストリアはエースのリュウ・ジャが2点とり、ラストにつなげるが、姜華君がリ・チァンビンをすっ飛ばし、香港が勝利。ラストで完敗したリは、試合後涙を見せた。

  中国香港 3-2 オーストリア
 姜華君 -9、7、9、-7、-6 リュウ・ジャ○
○帖雅娜 7、9、-17、7 リ・チァンピン
○林菱 -7、7、13、9 ハイン
 帖雅娜 -9、-10、-8 リュウ・ジャ○
○姜華君 7、7、3 リ・チァンビン
 トップは福原対トート。左右の両サイドに飛んでくるゆっくりしたタイミングのドライブに対して、積極攻撃を試み、またバックハンドを使って前後の揺さぶりをかけペースをつかんだ福原。ピッチの早さと勝負所での集中力が非常に高かった。
 2番の平野対ポータ。平野はフットワークを生かした両ハンドドライブ攻撃は安定性とコースの正確さが増し、ラリーの主導権を握り、一方的に打ち抜いた。
 3番の福岡対ロバス。変幻自在の王子サービスで崩し、コースで揺さぶりをかけ相手のミスを誘った。福岡のサービスからの攻めは理想的だった。
 日本はよく相手を研究し、相手の欠点を良く突いた作戦・戦術であった。
【高島の通信簿】1番福原75点 2番平野85点 3番福岡80点

    日本 3-0 ハンガリー
○福原  -8、8,-9、3、8  トート
○平野  10、5、1       ポータ
○福岡  7、4、10       ロバス

 トップは福原の前後の攻め対トートの両ハンドでの粘りの対決。試合は最終ゲームへ。3-5で福原がタイムアウトを取れば、6-5と逆転したらトートがタイムアウト。6-6から福原4本連取で10-6、10-8とトート追い上げるが11-8でトップバッターの福原勝利! 
 2番で今大会全勝の平野がポータと対戦。1ゲーム目9-10から3本連取で先取した。第2ゲーム、いきなり4-0とリードし、6-4から10-4と離し、11-5で連取。接近戦でのファーストストライクを強打していく平野は鋭い動きを披露している。第3ゲームは11-1と相手を圧倒した平野。
 3番福岡で一気に決めたい日本。第1ゲーム、福岡のサービスが効きまくって11-7で取る。ほとんどラリーにはならない展開だ。第2ゲームも一方的に福岡が連取。第3ゲーム、4-8とリードされるも、10―9と逆転。10-10と追いつかれながら、12-10で勝利。メダル獲得!日本は準決勝に進んだ。メダルは獲得したが、何色になるのか。

愛ちゃん接戦制す/トート敗れる/はるちゃん勝ってピース★
●男子 予選グループA第5試合
中国(5勝) 3-0 イタリア(2勝3敗)
ルーマニア(4勝1敗) 3-2 オーストリア(3勝2敗)
クロアチア(1勝4敗) 3-1 ベルギー(5敗)

●男子 予選グループD第5戦結果
シンガポール(4勝1敗) 3-1 スペイン(1勝4敗)
中国香港(4勝1敗) 3-2 ベラルーシ(2勝3敗)
デンマーク(3勝2敗) 3-1 ギリシャ(1勝4敗)

※画像クリックで拡大
日本がハンガリーに勝てば、準決勝の相手となるシンガポールとオランダの対戦は意外な幕引きとなった。
まずトップでリ・ジャウェイがティミナのカットを丁寧に打ち抜いて勝利。2番は、若手の馮がベテランリー・ジャオに苦しめられるが中盤から巻き返し逆転勝利。なんとか挽回したいオランダは、リー・ジエの粘りに望みを託すが……。第1ゲーム、5-3となったところで、打球したリー・ジエが崩れ落ちた。右足首を傷め、立ち上がれず。激痛で涙を流すリー・ジエはこのままキケンとなり、試合終了。
昨日、激戦の末に韓国を破ったオランダだったが、2番で逆転負け、3番キケンという最悪の展開で敗退した。

 シンガポール 3-0 オランダ
○リ・ジャウェイ 9、7、13 ティミナ
○馮天薇 -10、-7、8、6、4 リー・ジャオ
○王越古 キケン リー・ジエ

リー・ジエ動けず/敗れたオランダチーム。右の人たちは転んだシーンをビデオで確認中(たぶん)
●男子 予選グループB第5試合
韓国(5勝) 3-1 ハンガリー(1勝4敗)
チャイニーズタイペイ(4勝1敗) 3-0 チェコ(2勝3敗)
スウェーデン(2勝3敗) 3-2 ポーランド(1勝4敗)

●男子 予選グループC第5試合
スロバキア(2勝3敗) 3-1 ドイツ(3勝2敗)
ロシア(3勝2敗) 3-0 フランス(5敗)
日本(5勝) 3-1 セルビア(2勝3敗)

 男子予選グループB・Cが終了。1位通過はともに無傷の5連勝で韓国、そして日本だ。
 グループBではスウェーデンが4位となり、13位以下が決定。往年のスウェーデンを知る卓球ファンには寂しい結果だ。グループCではフランスが5戦全敗。4位以下が濃厚となったグループ後半戦ではサリフら若手を積極的に起用したが、予想以上の不振に終わった。
 97年世界団体2位のフランス、2000年世界団体優勝のスウェーデン、ともに共通しているのは黄金世代の存在と、世代交替の遅れ。そしてジュニア育成の成果が出てきているフランスに比べ、スウェーデンは出口の見えないトンネルに入りつつあるのではないか。

※画像はクリックで拡大

●宮崎監督
 これまで出場していた3人には疲れもあるし、昨日で1位が決まって、今日勝っても負けても関係ないという気持ちで試合に出て、万が一負けた時のことを考えると、明日に影響が出る。それなら試合に出たいと思っているフレッシュな二人を出してチームを盛り上げるほうが良いし、今の勢いならばセルビアに劣ることはないと考え、このオーダーになった。岸川は、悪くもなく、そう良くもなくという感じ。しかし、カラカセビッチに勝つレベルには来ている。岸川の世界ランクは64位だが、30位くらいの実力はあると評価している。
 準々決勝はどこがきても強豪。ドイツ以上の力はある。しかし、我々は中国と反対側のブロックに入れば、決勝に進める力、勢いはあると思う。やはり目標は高く、最後まで行きたい。とにかく1試合1試合がんばって、中国のところまでいく。そして中国を慌てさせるくらいの試合をしたい。

●大矢
 戦術的に穴が出たところがあった。勢いだけでなく、頭を使って試合をしていきたい。対戦は初めてでしたが、ドイツオープンとかでは見ていた。ただ予想以上に球が速かった。球が速くてもブロックできるような対応の仕方を覚えなければいけない。
 1セット目の時に「これが世界選手権か」と会場を見上げながら思った。1、2セット目は緊張したけど、3セット目からは「負けてもともと、挑戦者の気持ちでいこう」と思ったが、最後はやられてしまった。試合がはじまる前とかはこの大会に来て初めて緊張した。「世界選手権はこれぐらい重いんだなぁ」と感じた。圧倒された部分はあったが、次また世界選手権に選ばれたら、こういう言い訳はできないと思うので、本当にこの経験を生かしたいと思う。打点の早さは通用するけど、どうしても後ろに下がる展開がでてくる。そこで1本取れるか取れないかが大きい。今後はその部分を強くしていきたい。
 トップで、岸川はラリー戦で良く粘るが、徐々に球質の違いから劣勢に追い込まれた。しかし、サービスの変化からバックハンドでの先手、フォアの回り込みを多用し、勝利した。
 2番の韓陽は、前陣での両ハンド攻撃が鋭く、相手を前後に揺さぶるフォアドライブでコースを突く戦術が功を奏した。
 3番の大矢は、速攻で攻めればポイントできるが、台上で単調になり、相手の強烈なバックハンドを止めることができなかった。
 4番の岸川は台上のフリックで先手を取り、丁寧にコースを突き、相手のペースに入らなかった。バックハンドも良く決まった。
【高島の通信簿】1番岸川85点 2番韓陽75点 3番大矢70点 4番岸川80点

 岸川が4番でカラカセビッチに競り勝ち、日本は3-1のグループ全勝で締めくくった。明日はメダルを賭けて準々決勝を戦う。
  日本 3-1 セルビア
岸川 8、-9、-6、5、5 グルイッチ
韓陽 -9,5,10、-10、5 カラカセビッチ
大矢 -13、-11、8,-9 ペテ
岸川 2,-7,10、-5、9  カラカセビッチ