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世界選手権モスクワ大会(団体戦)

日本女子 3-1 ロシア
 平野 10、-9、-10、-8 チホミロワ○
○福原 2、3、3  ノスコワ
○石川 10、6、3  ミハイロワ
○福原 3、5、8 チホミロワ

 日本女子は4番で福原が巧みな前陣攻守でチホミロワを料理した。平野の裏ソフトからのバックハンドには完璧に対応したチホミロワだったが、福原の変化のあるバック表ソフトのボールに手を焼いた。福原は非常に落ち着いており、無理なボールは小さく落として相手の強打を許さず、チャンスボールには第2ゲーム10-5でバックハンド強打で打ち抜くなど、すばらしいプレーを見せた。
日本女子 2-1 ロシア
 平野 10、-9、-10、-8 チホミロワ○
○福原 2、3、3  ノスコワ
 石川 10、6、3  ミハイロワ
 福原  チホミロワ
 平野  ノスコワ

 1番平野が敗れた日本女子だが、2番福原、3番石川がともにストレート勝ち。日本が2-1とリードを奪った。
 2番福原は「ここは私の出番」と言わんばかりに、出足からエンジン全開のプレー。バックハンドの強打とナックル性の軽打、そして力強いフォアドライブでノスコワから大量リードを奪う。第3ゲームは7ー3からロングサービスでエースを奪い、9ー3からクロスへ強烈なドライブレシーブ。ここでノスコワは完全に集中力が切れたか、最後はバック前に浮いたサービスを福原がバッククロスへスマッシュ。まさに非の打ち所のないプレーを見せた。
 3番石川は、カットから突然両ハンドの強打を放つミハイロワに序盤は苦しめられ、第1ゲームは先に9ー10とゲームポイントを握られたが、よく我慢して逆転。第2ゲーム以降は無理打ちをせず、安定感のあるドライブでミハイロワを攻めて勝利を収めた。前回の広州大会では通算0勝2敗に終わった石川、記念すべき世界選手権団体戦での初勝利だ!
 日本女子 0-1 ロシア
 平野 10、-9、-10、-8 チホミロワ○
 福原  ノスコワ
 石川  ミハイロワ
 福原  チホミロワ
 平野  ノスコワ

 現地時間13時(日本時間18時)スタートの女子予選グループDの第2戦。日本はトップに出場した平野がまさかの敗戦を喫した。
 直前までカットのコチヒナを1番手でエントリーしていたロシアだが、直前にエントリー変更でコチヒナが外れ、2点起用されたチホミロワとノスコワはともに攻撃型。2010年ロシア女子チャンピオンのチホミロワは、とにかくバックハンドが強く、バック対バックでは打球点の高いバックドライブで優位に立った。無理に回り込んでくれれば崩せるのだが、バックに来た深いツッツキには切れたツッツキで返球され、平野が持ち上げたところを再びラリー戦にされてしまう。
 平野もラリーがやや単調になり、チホミロワのフォアを思い切って攻められなかった。チホミロワの世界ランキングは101位だが、巧みな試合運びとラリー戦の強さは相当なもの。ロシアは危険な牙を隠し持っていた。
 世界の選手たちを撮影に行った高橋発行人が、「すごい熱い試合を見てきた!」と興奮。グループFのインドネシアvsエジプトは2-2のラストもゲームオールまでもつれ込む。最終ゲームは僅差でインドネシアのウランサリ選手が、エジプトのマグディ選手(下写真左)に勝利。場内は結構蒸し暑いオリンピックスタジアム、「(エジプトの選手は)頭に巻いてる分、暑くて不利だったのかな…」とは高橋発行人の弁。

 どの国の選手にとっても、世界選手権団体戦は国の威信を賭けた、2年に1度の祭典に違いない。
 世界選手権の団体戦は終了が遅いのが通例。1日目は会場に9時半入り、終了は夜の10時半だった。大会1日目はどこでも勝手を知るのに時間がかかるものだ。プレストリビューンという会場内のプレスシートは全体が狭く、イスの座りごこちが非常に悪く、疲れる。そこから階下のプレスセンターまでは遠い。プレスのインターネット使用は有料だが、アクセスは遅い(横浜は良かったな……)。日本からの取材陣は卓球王国、卓球レポート、ニッタクニュースの専門誌に、2,3社の新聞、通信社のみ。若干寂しいが、王国薄幸人が盛り上げている。

 フロアでの撮影は比較的スムーズで、光量は十分だ。卓球王国取材班のホテルは会場から歩いて数分のルネサンスホテル。なぜか卓球関係者は少なく、快適。ただし1日目は夜も遅く、ホテルに着いたら11時前だったので、カップ麺が食事。備蓄は5日分。今日、2日目は早めに帰れるか……。
 大会前日まで巨大な本の見本市が開かれていたオリンピックスタジアム。「本当にブースが設置されるの?」と思われたが、翌日にはきれいさっぱりなくなり、メーカーのブースが並んでいた。

 お値段は結構高め。こんな写真を載せると、編集部の用具マニア・佐藤ユウから「もちろんお土産、あるんですよね?」なんて言われそうだ…。
 昨日は男女とも白星発進を決めた全日本チーム。今日は男子がクロアチア、女子がロシアと対戦する。
 男子が対戦するクロアチアは、08年北京五輪ベスト8のプリモラッツと譚瑞午が抜け、チーム力はダウン。昨日は格下のスペインに2-3で敗れている。チームのエースは09年世界選手権横浜大会で韓陽を破ったガチーナ。長身で懐が深く、中陣からでもパワフルなドライブを打ち込んでくる。2番手のロコ・トシッチは中陣で粘るタイプの左シェークドライブ型。ある意味では、長身のヤカブと左シェークのパジーを2点起用してきた昨日のハンガリーと似たメンバー構成だ。トシッチはそれほど警戒する必要はないので、ガチーナを前半で押さえれば、2勝目は問題ない。

 一方、女子は地元ロシアと対戦。地元の観衆の応援を計算に入れても、実力の差は明らか。ロシアはカット主戦型が多いチームなので、昨日のベラルーシ戦で完璧なカット攻略を見せた藤井寛子が再び起用される可能性もある。同グループのルーマニアは昨日スロバキアを3試合とも3-0のオールストレートで破り、完璧なスタートを切った。日本もどんどん調子を上げていきたい。

下写真はモスクワの街並み。排気ガスと砂ぼこりがひどいが、道路が広く、ゆったりとした緑の多い街だ
 団体5連覇を目指す中国男子はフランスと対戦。97年世界選手権団体戦の決勝のカードだが、フランスはその後世代交代が思うように進まず、ようやくここにきて若手にスイッチしつつある。
 中国のトップは左ペンホルダードライブ型の許シン(日+斤)。中国男子の開幕試合で切り込み隊長をまかされたが、ベテランのレグーとのサウスポー対決にやや苦戦。さすがに緊張があるのか、動きが固く、相手を呑み込むような爆発力が見られず。1ゲームを落とし、競り合いながらも勝利を収めた。続く2番に出場した馬龍も、現世界ランキング1位だが世界団体戦での出場経験は少ない。格下のマテネにこちらも1ゲームを落としたが、最後は地力の差を見せて突き放した。中国は3番にも団体戦初出場の張継科を配し、若手にどんどん経験を積ませる構えだ。
 チャンピオンシップディビジョンのコートの隅にあるステージで行われた開会式。スタジアムの規模を考えるとやや寂しいが、明るいロシア民謡にのせて、男女の踊り子たちが躍動感ある踊りを披露。さらに地上5メートルほどの高さにつり上げられた透明の球体の中で、女性ダンサーが圧巻のパフォーマンス。球体はくす玉のように、ちょうど真ん中で割れるようになっており、ダンサーは足だけで球体につり下がったり、上半身を大きく乗り出したり、観ているほうはヒヤヒヤ。

 さらにステージ上の地球儀の上から、スルスルと長さ1メートル半ほどの国旗が連なって出てくる。6台あるチャンピオンシップディビジョンのコートをすべて取り囲むのだから、長さ250メートルくらいあるだろうか(長さの話ばかりでスミマセン)。持っている男性たちもなかなか大変そうだ。国名をアナウンスする女性は、最後ペースが追いつかずにどんどん早口になっていた。

 最後もロシア民謡のダンスで幕を閉じた開幕式。この後、男子予選グループA~Bの第1戦が行われる。
 イタリア料理は美味しいが、そのイタリアをわずか1時間足らずで料理した中国。女子チームは今回初めてスコートを着用。赤を基調としたウェアに黒のスコートは視覚的にはもうひとつか。ビジュアルではやはりイタリアに軍配が上がるようです…。