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世界卓球東京大会WEB速報

 〈日本 2−0 ポルトガル〉
○水谷 7、7、9 アポローニャ
○丹羽 8、−6、10、−4、9 フレイタス
 松平 vs. モンテイロ
 水谷 vs. フレイタス
 丹羽 vs. アポローニャ

 日本はトップ水谷に続き、2番丹羽がフレイタスを下し、大きな大きな2点目!
 丹羽はフレイタスの回転量の多い両ハンドドライブに苦しみ、第5ゲームは2−6、4−8とリードされながら、最後まで攻撃的なプレーを貫いて逆転。ポーカーフェイスの丹羽が、噛みしめるような大きなガッツポーズ!

 3番健太、このまま決めてくれ!
 カットの石垣をトップで起用し、完璧に試合の流れをつかんだ村上恭和監督。4試合すべてストレート勝ちという快進撃で、予選グループ1位通過を決めた。
 
「やはりカットの石垣が入ったのが大きかった。短時間ではタイペイもカット対策はやりきれなかった。トップで勢いをつけてくれました。佳純は2番の鄭怡静とは勝ったり負けたりで、五分五分だったので、これも1番で勝って楽にしてくれたおかげで乗り切れた。3番はもっと厳しかったけれど、2−0でリードしていたので、一番良い集中力を発揮できた。
 石垣のプレーは期待どおり。平野のプレーについては、いろんなことを考えすぎて、いろんなことをやってみて、それが相手にとってやりやすいことがある。そこで第2ゲームから、彼女本来のプレーに変えて戦わせた。どうしても新しいことを練習していると、いろいろやりたくなるもんですから。
 決勝トーナメントの準々決勝の相手は北朝鮮か、それとも韓国か……。どちらもカット攻略はうまいし、今までのように石垣が簡単に勝てるということはない。石垣は対カットにあまり強くなくて、韓国も北朝鮮もエースはカットマン。誰かカット攻略のうまい選手が出てくるんじゃないですか。
 ここまでは100点でしょう。森さくらも勝ったし、すべて3−0というのは100点と言っていい」

 準々決勝の対戦相手になり得るのは4チームだが、すでに韓国と北朝鮮のグループ2位通過が確定しており、この2チームのいずれかが日本の下に入ってくる確率は二分の一だ。日本女子は明日がグループ最終戦のオーストラリア戦。
  • トップで良い流れを作った石垣

日本の快進撃は止まらない。
1番は、黄怡樺が石垣のカットの変化に対応できず、石垣の完全勝利。石垣は攻撃もカットもよく決まっていた。1ゲーム目の9-9、相手のドライブを前陣でのカウンターでポイントをとってからは石垣の独壇場だった。
2番の石川は相手の鄭怡静よりも打球点が非常に早く、台上からの攻めが優れている。また、両サイドを切る厳しいコース取りを見せ、フットワークの良い鄭怡静でも反撃できなかった。2ゲーム目、8-10の鄭リードの場面で相手の読みを外すバックへのロングサービスでサービスエースを奪ったのは、石川が勝負を知っているからだろう。
3番の平野は1ゲーム目で先にフォアドライブで攻められ、ゲームを落としていた。しかし、2ゲーム目からは逆に平野が先にフォアドライブで攻め得点。また相手のショートサービスに対しても、ストップレシーブを多く入れることで相手の攻めを封じ、平野のペースで試合を運び勝利した。
 〈日本 3−0 チャイニーズタイペイ〉
○石垣 9、3、4 黄怡樺
○石川 8、11、−9、6 鄭怡静
○平野 −8、1、4、11 陳思羽

 日本、タイペイにストレート勝ち!

 試合の流れを作ったのは、この試合でもトップ石垣。第1ゲーム、ミスが出ても積極的な攻撃を連発し、9−9からフォア強打を2本決めて11−9。第2ゲーム以降は攻めて良し、守って良しとまさに独壇場だった。
 2番石川は強敵・鄭怡静に対し、強打もバックブロックで良くしのぎ、チャンスボールはすかさず前陣でフォア強打。打たれ強くなったのは、男子ナショナルチームでの練習のたまものか。トップ石垣が作った流れを渡さず、きっちりエースの働きを見せた。

 3番平野は第1ゲームを落としてから、「憑きものが落ちた(?)」かのようにリズムが良くなった。「平野は常に進歩しようとして、いろいろ新しい技術も取り入れているが、それが相手にとってやりやすい場合がある。第2ゲームからは、もともとの平野のプレーに変えて戦わせた」と村上監督。フォアハンドの積極性と巧みなバックの緩急で得点を重ねた。これから決勝トーナメントを控えて、平野が復調したのは非常に大きい。

 これで予選グループ1位通過が確定し、日本女子の準々決勝進出が決まった!
  • 「第2ゲームからは積極的にで攻めるようにした」とコメントした平野

  • 平野に敗れた陳思羽

星野美香の眼
「トップの丹羽の卓球はワルドナーを彷彿とさせる。ボールを操るタッチが突出しているからだ。早い打球点でボールをとらえる中で多彩な技術が使えるところに魅力がある。多彩な技はボールを操る独特の感覚があるからこそで、それは集中力を欠く場面を誘発することもあるのだ。今日の試合では、集中力がほんの一瞬切れてしまったようだ。そこからゲームが崩れた。
 一つ前のタイムテーブルで、中国男子の試合を見ていたのだが、トップの許昕が2ゲームを取り、3ゲーム目11−10でリードしたところでベンチがタイムアウトを取った。サービスの指示をしたのではないか。許のサービスは相手のバックへ長いナックルサービスを出し、相手がレシーブミスしてゲームセット。もし、タイムアウトを取らなくても80%以上得点できたと思うが、ベンチは隙を与えず、許自身も3−0で勝ちに行く姿勢を崩さずに試合を進めていた。
 それは、ほんの一瞬でも隙を与えたり、ゲームを落としたりすれば勝負がわからなくなるのを中国は知っている。そう考えると、丹羽が集中力が欠けたことは今後の課題だろう。そこを克服すれば丹羽は中国とも対等に戦えるだろう。
 2番の水谷は、競ったゲームを取るところに強さがある。左利きの相手のドライブにあっておらず、かなり苦しそうだった。攻められるボールを先に逃していたのが苦しんだ原因である。これから攻められるボールを逃さなければより調子が上がっていくだろう。
 3番の松平は、非常に巧みなネット際の技、タッチの鋭さと、そこからとブロックと攻撃ともに打球点が非常に良かった。松平のプレースタイルである前中陣の高速プレーが光っていた。3,4ゲームは攻撃のコースが相手に読まれていた。前に寄せてからの攻撃が単純になってしまったからだ。5ゲーム目前半に相手のドライブ攻撃のボールを殺し、ナックルにして返すブロックから相手が崩れていった。
 自領コート、フォアへの少し浅いボールを、打球点の早いストレートで決めれれば、さらに戦術の幅も広がり勝ちやすくなると思う。それにしてもネット際のタッチは天下一品だ。
 苦戦のフランス戦を振り返った倉嶋洋介監督。「フランスは粘り強いチーム。弱点を突いてもそこから盛り返す力がある。マテネが水谷や丹羽に分が悪く、カット打ちもあまり得意ではないので、マテネが出てこないことはある程度は予想していた。ただ、フロールは以前丹羽に勝ったことがあるし、ルベッソンもかなり前だけど水谷に勝っているので、マテネがいないから勝ちやすいということはなかった」。試合後にミックスゾーンでコメントを残した。オーダーを見て感じるほど、やさしい試合ではなかったということだ。

 「次のポルトガル戦は勝負の一戦。誰が誰に確実に勝てるということはなく、ガチンコ勝負。ちょっとした戦術の転換や、思い切ったプレーをする勇気、気持ちの切り替えが重要になる」(倉嶋監督)。その目はすでに先を見据えている。

 一方、敗れたフランス男子のシーラ監督は「フロールが丹羽に勝っていることと、ルベッソンはサウスポーに強いから起用した。3番のゴーズィは松平と対戦したことがないので、チャンスがあると思った。マテネは昨日2点落としているし、今日の夜には大事なハンガリー戦が控えているので、このオーダーになった」と説明。各選手の相性を考えながらも、ハンガリーとギリシャに勝って3位通過という現実的な目標に基づいたオーダーだったことを明かした。
  • 丹羽にアドバイスする倉嶋洋介監督

  • 試合後、松平と握手するマテネ。ベンチから大きな声援を送った

 〈日本 3−0 フランス〉
○丹羽 5、2、−6、−7、9 フロール
○水谷 8、−6、8、−6、10 ルベッソン
○松平 3、9、−10、−7、6 ゴーズィ

 日本はフランスをストレートで破った。しかし、今日の雨模様の空のように、スッキリしない勝利。ハラハラ、ヒヤヒヤ、なかなか目が覚めない日本男子。

 トップ丹羽は「よくぞここまでハラハラさせてくれた」という内容。変化サービスや、ブッツリ切った横下回転のバックショートからのカウンターなどでフロールを翻弄し、第2ゲームまでは圧勝、完勝ペースだった。しかし、ここから丹羽の集中力が下がり、レシーブでのネットミスやチキータからのバックハンドのミスが連続。逆に調子が出て、台上バックドライブをビシビシ打ってきたフロールに押された。
 最終ゲームは中盤でリードされ、6−9と絶体絶命。ここから丹羽は2本のサービスエースなどで追いつき、10−9でつかんだマッチポイントで、ラリーから相手の大きく空いたバックサイドを打ち抜き、決着をつけた。

  2番水谷もプレーにいつもの冴えがなく、ルベッソンのクロス・ストレートを巧みに打ち分けるパワードライブに苦戦。ゲームオールにもつれた第5ゲームも7−9とピンチ。さらに9−9に追いついてから、「サービスが服に当たった」と判定され、マッチポイントをとられた。
 ここで決死のフォア攻撃で逆転した水谷。11−10で取り返したマッチポイントでは、フォア前へいかにも打ち頃のナックルサービス。これをルベッソンがまんまとフリックミス。熱戦に終止符を打った。

 3番松平も2ゲームを先取し、第3ゲームの10−9とマッチポイントを握りながらゲームオールへ持ち込まれた。「自分がストレートで勝っていれば、チームを勢いに乗せられたのに、悔しい」。試合後、ミックスゾーンで松平は悔しそうな表情を見せた。
  • 本当にハラハラさせてくれた丹羽

  • 威力ある台上バックドライブを魅せたフロール

  • 2番で水谷がルベッソンを破った瞬間

 〈日本 vs. フランス〉
 丹羽 vs. フロール
 水谷 vs. ルベッソン
 松平 vs. ゴーズィ
 水谷 vs. フロール
 丹羽 vs. ルベッソン

 丹羽と水谷の2点起用、松平を3番起用という王道のオーダーを組んだ日本に対し、フランスは昨日まで不調のマテネをオーダーから外し、若手のフロールをここで使ってきた。しかも2点起用だ。
 
●男子グループA
 〈中国 3−0 ロシア〉
○許シン 9、2、10 ウラソフ
○樊振東 9、7、4 リヴェンツォフ
○馬龍 11、8、5 パイコフ

・シバエフら主力を下げたロシアに中国が完勝したが、期待の樊振東のプレーはまだ3〜4割という感じ。台上バックドライブからの強力な両ハンド攻撃が見られない。3番の馬龍もまだ試運転中か、イージーなミスが多かった。それにしても、ロシアは団体戦になるとモチベーションが低い。

●男子グループB
 〈シンガポール 3−1 香港〉
○ガオ・ニン −7、11、5、11 江天一
 ヤン・ツー −6、−3、−7 唐鵬○
○チョウ・ジェユ −5、−10、8、5、6 黄鎮廷
○ガオ・ニン 3、9、−8、8 唐鵬

・昨日はクロアチアに敗れた香港が、シンガポールにも敗れる波乱。3番に出場した黄鎮廷がまたも痛い星を落とした。香港はまだドイツとの対戦を残しており、今後の結果次第では13〜24位決定戦に回る可能性がある。

●男子グループD
 〈チャイニーズタイペイ 3−0 ベラルーシ〉
○陳建安 2、8、6 ヤラシェンカ
○荘智淵 −2、−9、9、10、10 サムソノフ
○黄聖盛 4、4、8 プラトノフ

・プラトノフを3番に下げ、サムソノフの2点と合わせて勝利を狙ってきたベラルーシだったが、2番でサムソノフが痛恨の逆転負け。

 〈韓国 3−2 スウェーデン〉
 趙彦来 −6、6、−5、−8 ルンクイスト○
○朱世爀 −6、4、8、6 イェレル
 金ミン鉐 −5、5、−9、−6 Jon.パーソン○
○朱世爀 6、6、8 ルンクイスト
○趙彦来 8、−9、9、7 イェレル

・韓国はスウェーデンに大苦戦。3番金ミン鉐の敗戦が誤算だった。チームを救ったのはチョッパー・朱世爀。この若いチームには、やはり彼の存在が必要だ。
  • 樊振東はまだ不調。それでも起用されるのは期待の表れか

  • ややカットの精度は落ちたが、朱世爀はまだまだ強い

表にまとめました。
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