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2017世界ジュニア選手権大会

★大会第7日目・12月2日のタイムテーブル

●女子シングルス2回戦
9:30〜(日本時間17:30〜) 
4コート 長崎美柚 vs. プライアン(ルーマニア)
2コート 木村光歩 vs. ドラゴマン(ルーマニア)
10:15〜(日本時間18:15〜) 
8コート 加藤美優 vs. ザハリア(ルーマニア)
3コート 木原美悠 vs. カマス(インド)

●男子シングルス2回戦
11:00〜(日本時間19:00〜) 
4コート 高見真己 vs. ロラン(フランス)
6コート 宇田幸矢 vs. 郭儒彬(韓国)
11:45〜(日本時間19:45〜)
5コート 田中佑汰 vs. シドレンコ(ロシア)
8コート 木造勇人 vs. マルティンコ(チェコ)

●女子シングルス3回戦(ベスト8決定戦)
12:30〜(日本時間20:30〜)
●男子シングルス3回戦(ベスト8決定戦) 
13:45〜(日本時間21:45〜) 

●女子ダブルス準々決勝
14:30〜(日本時間22:30〜) 
●男子ダブルス準々決勝
15:15〜(日本時間23:15〜) 

●女子シングルス準々決勝
16:00〜(日本時間3日0:00〜)
●男子シングルス準々決勝 
17:30〜(日本時間3日1:30〜) 

●女子ダブルス準決勝
19:00〜(日本時間3日3:00〜)
●男子ダブルス準決勝 
19:45〜(日本時間3日3:45〜)
●混合ダブルス準決勝 
20:30〜(日本時間3日4:30〜)

大会第7日目のタイムテーブルは上記のとおり。男女シングルスが3ラウンド、男女ダブルスが2ラウンド進行し、最後に混合ダブルス準決勝が行われる。世界ジュニアでは、団体の準々決勝・準決勝が行われる大会第3日目と、シングルスが一気に進行するこの大会第7日目がハードなのだ。

加えて今大会では、メインフロアとセカンドフロアの往復がジワジワ効いてくる。メディアの席はメインフロアにあるが、昨日の日本選手の試合はすべてセカンドフロアで行われたので、2階から地下1階までの往復を繰り返した。iPhoneを信用するならば、昨日は13km・2万歩も歩いたことになっている。距離はともかく、気が焦りますね。

日本チーム、今日を勝ち抜くことができれば、それはメダル獲得を意味している。ひとりでも、1種目でも多く勝ち抜いてもらいたい。頑張れ、ニッポン!!
●混合ダブルス準々決勝
薛飛/王曼昱(中国) 6、9、9、5 シドレンコ/A.ディアス(ロシア/プエルトリコ)
プレテア/ディアコヌ(ルーマニア) −8、8、12、−3、8、6 徐海東/銭天一(中国)
安宰賢/金智淏(韓国) 7、9、−7、8、6 牛冠凱/石洵瑶(中国)
王楚欽/孫穎莎(中国) 5、4、1、7 フランシスコ/周穎詩(ポルトガル/香港)

大会第6日目の最終戦、混合ダブルス準々決勝が行われ、第1シードの薛飛/王曼昱と第2シードの王楚欽/孫穎莎という優勝候補の双璧が快勝する中、残るふたつの中国ペアがここで姿を消した。

牛冠凱/石洵瑶は、台から下がってのラリー戦で安宰賢の球さばきに翻弄され、牛冠凱のパワー不足が出てしまった。そして徐海東/銭天一は、ルーマニアの大応援団をバックに戦うプレテア/ディアコヌに敗れた。プレテア/ディアコヌは球威では中国ペアに及ばなかったが、プレッシャーのかかる場面でも高い集中力で、ラリー戦を次々に制した。

プレテア/ディアコヌは勝利の瞬間、倒れ込んだプレテアにディアコヌが抱きつき、フロアで抱擁。その場でクルリと半回転。コート外でも一緒にいる場面をよく目にするふたり、ただならぬムードを漂わせていました。後でごゆっくり、どうぞ。

そこからルーマニアのコーチや選手、関係者がフロアになだれ込み、もうお祭り騒ぎ。ちょっとクレイジーな応援をする時もありますが、このルーマニアの熱さ、いいですねえ。
  • 中国ペアをノックアウトした安宰賢/金智淏

  • 韓国チームの仲間たちが声援を送った

  • 大応援団をバックに、中国ペアを破ったプレテア/ディアコヌ

  • 勝利の瞬間、倒れ混むプレテア、跳び上がるディアコヌ

  • こらこら、こんなところで……

  • フロアで歓喜の抱擁

  • ふたりだけの時間は長くは続かず、殺到するコーチ

  • 後はもう、大騒ぎでした

●混合ダブルス3回戦
薛飛/王曼昱(中国) 6、7、5 田中/長崎
安宰賢/金智淏(韓国) 6、8、8 高見/木村

混合ダブルス3回戦(ベスト8決定戦)、日本の田中/長崎と高見/木村はともにストレートで敗れ、残念ながら準々決勝進出はならず。

薛飛/王曼昱は薛飛が後陣から強烈なパワードライブを放ち、王曼昱が前陣で鋭いカウンターを放つ。一方、安宰賢/金智淏は、金智淏が確実に相手コートにボールを運び、安宰賢が後陣から這い上がるようなパワードライブと多彩なしのぎを見せた。

どちらのペアにも共通して言えるのは、男子選手が後陣からパワーボールを打てること。日本ペアがうまいコース取りで後ろに下げても、一発で盛り返されてしまう。2003年の第1回大会以来、まだ世界ジュニアでは混合ダブルスのタイトルを獲得していない日本。ひとつの宿題をもらった。
  • 田中/長崎は混合ダブルスでベスト16

  • 高見/木村もベスト16で大会を終えた

  • 王曼昱が男子並みのパワーを見せた中国ペア

  • 安宰賢、フロアすれすれの打球点から相手コートへボールを運ぶ

●女子ダブルス1回戦
加藤/長崎 −8、4、7、10 ゴーティエ/モスタファヴィ(フランス)
木原/木村 4、1、1 マテジョフスカ/スレザコバ(チェコ)
●女子ダブルス2回戦
加藤/長崎 7、6、-14、-9、9 陳亭婷/蘇珮綾(チャイニーズタイペイ)
木原/木村 7、5、7 李幼芃/蔡育勤(チャイニーズタイペイ)

男子ダブルスと並行して行われていた女子ダブルスも1・2回戦が終了。2試合とも快勝で勝ち上がった木原/木村に対し、初戦でフランスの左利き同士のペア、ゴーティエ/モスタファヴィに苦戦した加藤/長崎。両選手とも回転量の多いループドライブを操り、モスタファヴィはチキータも巧みだった。

何とか1回戦を乗り切った加藤/長崎だが、2回戦では今度は快勝ペースで2ゲームを奪ったところから、2ゲームを取り返されて大接戦。加藤のフォアハンドにミスが続き、かろうじて11−9で乗り切ったものの、危ない試合だった。
  • 加藤/長崎、苦しみながらも準々決勝へ

  • 木原/木村は、先輩の木村がうまく木原をアシスト

  • 加藤/長崎を追い詰めたタイペイの陳亭婷/蘇珮綾

●男子ダブルス1回戦
宇田/田中 −3、2、5、9 ベンタンコル/サンチ(アルゼンチン)
高見/木造 9、3、6 フエンテス/トロサ(アルゼンチン)
●男子ダブルス2回戦
宇田/田中 8、7、-7、8 エンゲマン/ヒップラー(ドイツ)
高見/木造 6、4、10 M.ムッティ/ロッシ(イタリア)

男子ダブルス1回戦、続けて2回戦が行われ、宇田/田中と木造/高見はともにベスト8進出を決めた。
2回戦でドイツペアと対戦した宇田/田中は、各ゲームとも接戦。気性が荒く、ラリー中にボールが割れてレットになったラリーも「こちらの得点」としつこく抗議するドイツペア。荒れた試合になりかけたが、宇田/田中は着実に得点を重ねた。

明日の準々決勝は、宇田/田中がクヌード/ドヴォス(ベルギー)、高見/木造がイヴォニン/シドレンコ(ロシア)との対戦。ロシアペアは左腕のシドレンコに要注意だ。
  • ともに1ゲームを落とすも、1・2回戦をしっかり勝ち上がった宇田/田中

  • 高見/木造、ペアリングはバッチリ

  • 「審判長を呼んで!」けっこうしつこかったドイツペアの抗議

女子シングルス1回戦、チェコバ(チェコ)に1ゲームを奪われたものの、順当に2回戦進出を決めた長崎美柚。「試合前はちょっと緊張していたんですけど、コートに入ったらいつもどおりのプレーができた。結果として勝てたので良かったです」とコメントした。

女子団体決勝3番で石洵瑶を破った要因について、彼女は興味深い話をしてくれた。

「今回、試合前にすごく大事にしたことは、『カウントを見ないこと、相手の顔を見ないこと、楽しんでやること』。絶対に勝ちたいという気持ちよりも、自分が今できることを精一杯やろうと考えて試合に臨みました。
相手の顔を見ないというのは、中国選手は感情を表に出さないんです。ヨーロッパ選手は感情がすぐ表に出るけど、中国選手は出さないから、自分がリードしているのかわからなくなる時がある。無表情だから怖さがある。だから台だけを見て戦っていました」(長崎)。

もちろん「相手の顔を見ない」というのは、相手を全く観察せず、自分のやりたいようにプレーする、というレベルの話ではないだろう。試合に集中し、メンタルをコントロールするための一種のテクニックだ。「いつもは中国選手と対戦する時、相手は中国だから強いとばかり思ってしまうけど、今回はそうは考えなかった」と長崎。中国への先入観やコンプレックスを捨ててつかんだ勝利だった。

シングルスの目標については、「(目標が)高すぎちゃうんですけど……、優勝したいです」と語った長崎。準々決勝で当たる孫穎莎とはアジアジュニアで対戦。ゲームカウント1−3で敗れたが、最後のゲームは10−11からのネットインという悔しい幕切れだった。「悔しい気持ちがあるので、今回はリベンジしたいです」と頼もしいコメントだ。
  • 長崎、今大会はシングルスでまだ無敗だ

  • 長崎に敗れたチェコバ

●女子シングルス1回戦
長崎 5、1、5、−7、5 チェコバ(チェコ)
木村 8、5、5、−9、7 トリゴロス(ベラルーシ)
加藤 6、2、2、1 マテジョフスカ(チェコ)
木原 6、7、−9、9、9 ビグニェビッチ(セルビア)

女子シングルス1回戦、日本女子も4人揃って2回戦進出!

加藤はレシーブからの速攻とキレのある3球目攻撃で、マテジョフスカを全く寄せつけず。「団体戦の時はサービスが長くなって負けてしまったので、サービスが短く出せるように自分の中で意識してプレーしました。1本も無駄なミスをしないよう、どんどん調子が上げていけるよう、気を引き締めてやりました」と試合後に語った。
昨日は午前中は休養をとり、午後は会場で練習。女子団体決勝での敗戦からきっちり切り替え、「気持ちの部分ではもう問題ないです。今大会の目標はもちろん優勝。ダブルスも優勝を狙います」と力強くコメントした。

前回大会ベスト16のトリゴロス(ベラルーシ)を破ったのは木村。トリゴロスは時折見せるしゃがみ込みのフォアサービスに特徴があるが、その他はオーソドックスな右シェークドライブ型。「ヨーロッパの選手はやりやすいです」と語る木村は、バック面の変化系表ソフトをうまく生かして、厳しいコースを突くフォア強打に結びつけた。

木村のベンチに入るのは、同じシェーク異質のスタイルで活躍した山梨有理さん。「今日の相手(トリゴロス)はビデオで映像を見て、山梨コーチにサービス・レシーブの対策をしていただいたのがすごく良かったです。その成果が出たと思います。山梨さんのアドバイスはすごく参考になりますね。同じ異質(バック表)なので、相手が嫌がる緩急やミドル攻めなどを細かくアドバイスしてもらえます」(山梨)。異質コンビの二人三脚で、上位進出を狙う。
  • スピーディに1回戦を終わらせた加藤

  • 木村、欧州女子の実力者を破る

  • 木村に敗れたトリゴロス。ヘッドバンドがトレードマーク

●男子シングルス1回戦
宇田 4、6、4、6 ハムドウン(チュニジア)
高見 6、3、7、4 シャー(インド)
田中 6、8、8、9 プトゥンティカ(モルドバ)
木造 9、4、2、6 ボウラス(チュニジア)

男子シングルス1回戦が終了し、日本男子は全員がストレート勝ち。1ゲームも落とさずに明日の2回戦に進出した。

男子団体第2ステージのドイツ戦以来、中3日空けての試合となった宇田は、同じ左腕のハムドウンに勝利。試合後、「団体であまり試合をしていないので、最初ちょっと硬かったんですけど、2ゲーム目以降はチキータから良い展開が作れた」と語った。「シングルスでは3回戦で当たる薛飛に勝って、次も勝ってメダルを獲りたい。(田中との)ダブルスは金メダルが目標です」(宇田)。

木造はチュニジアのボウラスと対戦。16歳だというボウラスは、試合を観戦していたITTFの前原正浩副会長が「チュニジアにこんなに強い選手がいるんだね」と驚くほど。中陣での両ハンドドライブに威力があり、台上プレーも意外なほど丁寧だった。しかし、サービス・レシーブの技術力の差はさすがに大きく、2ゲーム目以降は安心して見てられる内容だった。

「団体戦と個人戦の緊張感は違いますね。もっと楽にできるかなと思っていたら、最初はガチガチだった。でも、これでちょっとほぐれてきたかなと思います」と試合後の木造。日本男子のエースとして、すでに対戦相手のほうがビビる存在なのだが……。

「目標としては、ベスト4決定で中国選手(徐海東)と当たるので、そこまでは確実に勝ち上がって、そして中国に勝ってメダルを獲りたい。徐海東は去年なら勝てるかなと感じていたけど、今年見たら、より隙のないプレーになっていると感じました」(木造)。ここからどんどん調子を上げて、最高の状態で徐海東戦を迎えてもらいたい。
  • 木造、シングルスで初のメダルに期待がかかる

  • 宇田は試合の間隔が空いたが、きっちりストレート勝ち

  • 木造戦で好プレーを見せたボウラス

  • こちらは宇田と対戦したハムドウン。ふたりともチュニジアの選手

朝ご飯で出たクロワッサンやドーナッツを何個かいただき、会場でのお昼ご飯にしていた編集部タロー。昨日は選手たちが利用する会場の食堂で、お昼を食べてみた。

前菜でリゾットやパスタを選び、次にメインの肉や魚、サラダにデザートを選んでちょっとしたコース感覚。選手たちはお金は払わないが、お金を払って食べようとすると15ユーロ。うーん、結構高い。お味のほうは……イタリアンの給食という感じです。

昨日の夜は初めてアルコの街に出て、ピッツェリアへ。山に囲まれたお店で、シーフードを使った「メディトレニアン」を食べてしまいました。ホテルに戻って写真を整理していて、今日高見くんが対戦するインドのシャーが、隣のテーブルで食べていたことが判明。どうでもいいことでしたね。ピッツアは大変美味でした。

下写真はデザートのホワイトチョコレートのムース。これに苦いエスプレッソをつけて、、、また今日からはシンプルな食生活に戻ります。
  • とある日の選手食堂のメニュー

  • ガーリックの効いたピッツァ、美味でした

  • 柿が添えてあったデザート。街には柿の木も結構ある

男女シングルス・決勝トーナメントのドローが昨日発表された。各選手がどのラウンドで誰に当たるか、大まかなところをまとめてみた。

★男子
宇田:2回戦で郭儒彬(クァク・ユビン/韓国)、3回戦(ベスト8決定戦)で薛飛(中国)
高見:2回戦で白鎬均(パク・ホギュン/韓国)、3回戦(ベスト8決定戦)で林昀儒(チャイニーズタイペイ)、準々決勝で王楚欽(中国)
田中:2回戦でロシアのエース・シドレンコ、3回戦(ベスト8決定戦)で安宰賢(韓国)、準々決勝で牛冠凱(中国)
木造:3回戦(ベスト8決定戦)でジャー(アメリカ)、準々決勝で徐海東(中国)

☆女子
長崎:準々決勝で孫穎莎(中国)
木村:2回戦でドラゴマン(ルーマニア)、3回戦でA.ディアス(プエルトリコ)、準々決勝で銭天一(中国)
加藤:3回戦で金智淏(韓国)、準々決勝で石洵瑶(中国)
木原:3回戦で王曼昱(中国)

トーナメント表ではなく、ちょっと見にくくてすみません。全選手が準々決勝までに必ず中国選手に当たる組み合わせ。メダルを獲るためには中国越えが必須ということだ。もちろん、中国と当たる前にも強敵は多く、また中国選手が早いラウンドで敗れる可能性もあるが…。

写真左は徐海東と当たる組み合わせの木造、右は石洵瑶と当たる加藤。ひとりでも多く中国の壁を突き破ってほしい。