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速報・現地リポート

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全日本卓球選手権大会

●男子ダブルス準決勝
三部航平/及川瑞基(専修大) 8、−10、8、5 江藤慧/松下大星(クローバー歯科カスピッズ)
戸上隼輔/宮川昌大(野田学園高) 11、7、8 笠原弘光/上村慶哉(シチズン時計)

男子ダブルス準決勝は、専修大の三部/及川と野田学園高の戸上/宮川が勝利し、決勝に勝ち上がった!

三部/及川は後陣に下げられても粘り強く対応し、安定性抜群の連続フォアドライブでラリー戦を制した。江藤/松下は一発の球威では上回っていたが、松下は「ぼくが力が入ってしまって、持ち味が出せずに負けてしまって悔しい」とコメント。江藤は「結果には満足していない、優勝を狙っていたから悔しい」と語り、大健闘の3位入賞にも無念さをのぞかせた。

戸上/宮川は、戸上が丹羽を破った勢いそのままに、強烈な両ハンドドライブを連発。試合の序盤はややミスが多かった左腕・宮川も持ち味のカウンターに切れ味が戻り、常に試合の主導権を握った。このまま頂点まで上り詰めるのか?
  • 決勝進出に笑顔の戸上(左)/宮川

  • 笠原(右)/上村は3位

  • 及川(右)/三部、競り合いを制して決勝へ

  • 江藤(右)/松下、大健闘の3位も悔しさを隠せず

●女子ダブルス準決勝
伊藤美誠/早田ひな(スターツ/日本生命) 6、6、7 塩見真希/梅村優香(ミキハウス/中央大)
芝田沙季/大藤沙月(ミキハウス/ミキハウスJSC) −10、−7、3、10、9 長崎美柚/木原美悠(JOCエリートアカデミー/大原学園/JOCエリートアカデミー)

女子ダブルス準決勝が終了、決勝は伊藤/早田対芝田/大藤という顔合わせになった。

3−0のストレートで勝利した伊藤/早田は、伊藤が連戦の疲れも見せず、キレのあるフォアハンド攻撃を連発。中陣から強烈な回転のドライブを放つ早田とのコンビネーションは、やはり絶妙だ。敗れた塩見/梅村は、梅村が「2年前に決勝でやった時よりも対策されていて、変化も通じなかった」とコメント。塩見は「所属が違ってダブルスの練習量も少ない中で、3位は上出来だと思う」と語った。

一方、芝田/大藤はゲームカウント0−2から逆転。左の長崎と右の木原が組み、広角に厳しく攻めるコース取りを見せた相手ペアに対し、芝田/大藤は高いバックハンドの攻撃力を見せ、先手を取って打ち勝った。
  • 伊藤/早田ペア、改めてその強さを見せつけた

  • 3位で大会を終えた塩見/梅村

  • 芝田/大藤、大逆転勝利に笑顔

  • 長崎/木原は3位。伊藤/早田との対戦も見てみたかった

●男子シングルス準々決勝
吉田雅己(FPC) 3、8、9、−6、−7、7  神巧也(T.T彩たま)

吉田は出足からミスのない攻撃で先手攻撃とカウンター攻撃を決めていく。
3−0となったが、そこから神が徐々に攻め返し、11−6で4ゲーム目を取り返す。神の凡ミスが少なくなり、5ゲーム目を神が連取。こうなると、完全に神のペースだ。6ゲーム目も神がリードするも、6−6と並ぶ。7−7から吉田が4本連取して、11−7で吉田が勝利を収め、準決勝進出を決めた。
神に試合の流れが行きかけたが、7−7からバック対バックからの吉田の攻撃が、流れを自分に引き要せた。

ベスト4を決めた吉田のコメント
「相手のことを考えてプレーしていたけど、今回は自分のプレーをすれば結果はついてくると思ってプレーしている。今回は久しぶりにケガもなく体調も良く、良いコンディションで全日本に臨めた。今年でもう26歳、ベスト4では何も残らないので、優勝しか狙っていない」


敗れた神のコメント
「相手の状態が良くて、頭ではわかっていたのに戦術転換が思い切って出来なかった。
ベスト8は自分の中で納得いかない。世界選手権の代表を逃してしまい悔しいし、絶望です」
  • 神を破った吉田。準決勝は宇田との対戦

  • 神は好調・吉田に一歩及ばず

  • 青森山田の先輩・神とがっちり握手

●男子シングルス準々決勝
張本智和(木下グループ) 6、5、4、4 吉村真晴(名古屋ダイハツ)

丹羽がストレートで敗れた第1コートに、続いて登場した張本智和。昨年の準々決勝と同じ顔合わせとなった吉村真晴戦をストレートで制し、ベスト4に進出した。
1ゲーム目、2ゲーム目ともに出足でリードされる場面もあった張本だが、「リードされても平常心で逆転することができた」と試合後の張本。バック対バックからの電光石火の高速バックハンドも随所に見せながら、バックハンドの緩いボールも有効に使う。「多少ボールが遅くても相手の逆をついたほうが得点できるので、相手を見ながらプレーしています」(張本)。

そして3ゲーム目の終盤、7−2と9−4で見せたフォアクロスのパワードライブ。その強烈な踏み込みは、広大なアリーナに轟き渡るほどのものがあった。昨年と同じストレート勝ちだが、その試合内容からは確かな成長を感じた。

★張本智和のコメント
「いつも一緒に世界で戦う先輩なので、手の内は知り尽くされている。出足の1・2ゲーム目で我慢できたのが大きかった。まだ体力は問題ない。明日は100%の状態でプレーできると思います。今日ストレートで勝てたのはたまたま、ストレートで勝てればベストですが、常に7ゲームまでもつれてもいいように準備はしています。
 (明日の)去年負けた準決勝は、自分の中でちょっとプレッシャーはある。そろそろ優勝が近づいてきて、自分のメンタル次第なので、平常心で戦いたい。全日本選手権はみんなレベルが近いので、相手の状態が良いと波乱もある。優勝以外はかならずどこかで負けるし、優勝を目指しているし、優勝できなければダメだと思う」

★吉村真晴のコメント
「張本選手とは練習もやるけど、意識も高いし、試合になると格段にミスが少ないし、ボールの質も違う。やっぱり『世界』の選手ですね。前半は良い感じで競り合いになるけど、中盤で点数が取りたい分、自分が攻め急いでしまった。相手は打ってよし、打たれてもよしとバランスがすごく良い選手なので、完敗です。張本のほうがすべての技術が自分より上だった」
  • 快勝で準決勝進出を決めた張本

  • 吉村は1ゲームも奪えず敗退

  • 張本、2度目の優勝まであと2つ

  • 昨年と同様に準々決勝で張本に敗れた吉村

●男子シングルス準々決勝
宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園) 8、7、10、−4、−8,3 吉村和弘(東京アート)

接戦の試合をものにして準々決勝に進んだ吉村和弘(東京アート)対ベテランの吉田海偉(東京アート)に快勝して、初のベスト8入りを果たした高校生の宇田幸矢(JOCエリートアカデミー)。第1ゲームから激しい打ち合いを展開するも宇田が11−8でゲームを先取。
 2ゲーム目、宇田が6−6から9−6とリードし、11−7でゲームを連取。吉村の強打が炸裂する場面が少ない。
 3ゲーム目、吉村が前半からリードするも宇田が逆転して12−10。3ゲームを連取する。このまま一気に宇田が押し切るかと思いきや、そこから吉村が2ゲームを連取し、巻き返しを図る。しかし、6ゲーム目は宇田が主導権を取り、出足から終始リードして、11−3で取り、4−2で高校生の宇田がベスト4入りを決めた。

敗れた吉村のコメント
「先手をとって仕掛けて行こうと思ったけど、序盤は受け身になってしまった。宇田のボールの質が高校生とは思えないくらい高くて、押されてしまった。タイミングを外して戦おうと思ったが、バックハンドのレベルが上がっていて崩せなかった。0-3になってサービスをハイトスにしたり、出てもいいサービスにして3球目を狙ったりしてゲーム返したけど最後は対応された」
  • 「相手より前でプレーできたのが良かった」(宇田)

  • 初の準決勝進出を決めた宇田

  • ベスト8に終わった吉村和弘

●男子シングルス準々決勝
戸上隼輔(野田学園高) 5、9、8、10 丹羽孝希(スヴェンソン)  

男子シングルス準々決勝、高校3年生の戸上隼輔と宇田幸矢が「下克上」の準決勝進出!!

戸上は出足から、迷わず振り抜く強烈なバックドライブを連発。丹羽のフォアサイドを目にも留まらぬ速さで駆け抜け、さすがの丹羽もカウンターで狙えない。レシーブでは回転量の多いチキータと高速チキータを使い分け、丹羽を揺さぶる。2ゲーム目、丹羽が9−8とリードした場面で戸上のバックドライブがエッジになり、ここを戸上が11−9と逆転で奪ったのが大きかった。

ゲームカウント3−0とリードした4ゲーム目、戸上もさすがに勝利を意識するかと思われたが、3−7、4−8、7−10とリードを許しながらも戸上は冷静だった。10−10に追いつき、下回転系サービスでエースを奪ってマッチポイント。最後は戸上のレシーブドライブに、丹羽のカウンターが大きくオーバーして決着!

野田学園、高校3年での快進撃。かつての吉村真晴を彷彿とさせる戸上の勢いだ。ベンチに入った橋津文彦監督は「戸上とは真剣にチャンピオンを狙おうと言ってきました。(高3での快進撃ですが?)智和がいるから真晴の時より壁は高い」と語る。しかし、最後に「イメージはあります」とも。野田学園の師弟コンビ、再び全日本に旋風を巻き起こすのか?

★丹羽孝希・試合後のコメント
「相手のサービスがうまくレシーブできなかった。ぼくも向かっていく気持ちで戦ったけど、相手の勢いを止められなかったです。2ゲーム目を落として気持ち的にも落ち込んでしまった。
 相手のチキータがうまくて、自分の展開を作れなかった。戸上選手はワールドツアーを見ても、あのくらい強いので想定はしていたけど、もっと自分が良いプレーをしないと勝負にならない。なるべくチキータしないで、フォアでレシーブしようと思ったけど、ストップがうまくいかなくて甘いレシーブになってしまった」
  • カミソリドライブが炸裂の戸上

  • 1ゲームが遠かった丹羽

  • 準決勝は張本との対戦だ

  • 丹羽、今大会はベスト8止まり

●女子シングルス準々決勝
石川佳純(全農) 7、8、−9、7、8 芝田沙季(ミキハウス)
早田ひな(日本生命) 6、6、2、6 佐藤瞳(ミキハウス)

女子シングルス、残る2試合は石川と早田が勝利。準決勝は伊藤対早田、石川対橋本という組み合わせになった。

石川は芝田に対してバック対バックで優位に立ち、芝田に回り込ませず。3ゲーム目に6−1のリードから6−10と逆転され、このゲームを落としたが、「その次をしっかり取れたのは大きい」と試合後のコメント。「先に打たれる展開だったけど、少し距離を取って押し返そうと思って、そのとおりのプレーができた。出足からリードして試合を進められたので、気持ちの部分では楽でした」(石川)。

一方、早田は得意のカット打ちで佐藤にストレート勝ち。ミドルへ回転量の多いドライブを集め、チャンスボールはスマッシュも交えて広角に強打した。「早田さんは高校時代は決定打もドライブで、対応しやすい部分があったけど、今はスマッシュもあるのでやりにくさがある」と試合後の佐藤。より前陣でのカットプレーへのモデルチェンジを計り、積極的に攻撃も混ぜた佐藤だったが、まだ攻撃からの展開は未完成の部分が多く、今後の伸びしろだろう。「攻撃はもっと相手をよく見て打てるようにならないといけないですね」と試合後に語った。
  • バックで優位に立った石川

  • 佐藤のカットを打ち抜いた早田

  • 芝田は1ゲームを奪うに留まる

  • 佐藤、攻撃も早田には効かず

●女子シングルス準々決勝
橋本帆乃香(ミキハウス) 6、11、6、5 木原美悠(JOCエリートアカデミー)

女子シングルス準々決勝、カットの橋本が木原をストレートで破り、二度目の準決勝進出!
木原が10−6とゲームポイントを握った2ゲーム目、橋本が13−11と逆転で奪ったのが大きなポイントだった。高い打球点でのフォアストレートへのフォア強打、バック表ソフトのストップで前に寄せてからバック強打でミドルを狙う木原だが、前回大会でカットの佐藤瞳を破った時のような思い切りの良さがない。フォア強打にもミスが続いた。

★勝利した橋本帆乃香・試合後のコメント
「一番最近では9月のチェコオープンで対戦していて、その時は4−3のギリギリで勝っていた。その時はベンチコーチもいなかったし、久しぶりの対戦だったのでたまたま勝ったのかなと思ったけど、今日は木原さんも向かってくるだろうと思った。だからこちらも向かっていかないとと思って、『1回負けているつもりで、自分が持っているものを出し切ろう』と思った。それが勝ちに繋がりました。打たせないようにとは思わず、誘って打たせるつもりでプレーしました」
  • 2度目の準決勝進出の橋本

  • 木原は橋本から1ゲームも奪えず

  • 橋本、準決勝は石川との対戦

  • ベンチで中澤監督のアドバイスを聞く木原

●女子シングルス準々決勝
伊藤美誠(スターツ) 4、3、3、4 小塩遥菜(JOCエリートアカデミー)

女子シングルス準々決勝、注目の伊藤対小塩の一戦は、圧巻の強さで伊藤がストレート勝ち!
試合後、「サービス・レシーブで先手を取られて、カットに変化をつけていけなかった」と小塩が語ったように、伊藤は変化のある巻き込みサービス、レシーブではタイミングの早いバック表ソフトのレシーブでコースを突き、小塩を大きく動かす。ラリーになれば巧みなミドル攻めを交え、鮮やかにスマッシュで打ち抜く。

伊藤の強打はコースが厳しいうえ、カットの落下点への移動が速いので、打球前に一瞬のタメが生まれ、よりコースが読みにくくなる。どのゲームも中盤で一気に突き放し、つけいる隙を与えなかった伊藤。4ゲーム目の10−4のマッチポイントでも、フォアストレートに強烈なスマッシュを決め、場内は驚嘆のため息に包まれた。

伊藤の対カットの強さは誰もが知るところだが、小塩の強烈な変化カットに対しても、ここまで完璧に試合をコントロールするとは……。女王はまだまだ強くなっている。

★試合後の小塩のコメント
「全く歯が立たなかったので、今度やる時はもっと良い試合がしたい。自分がしたいことをまったくやらせてもらえなかった。練習では何度か打ってもらったことがありますが、練習よりもボールの緩急やサービスの変化があったし、サービスは全然分からなかった。
今大会の目標は伊藤さんと試合をすることだったので、試合ができたのはうれしい。今後は先手を取られてもそれに対応して、自分でペースを握ることができるように練習していきたい」(小塩)
  • 伊藤、小塩のカットを粉砕

  • 小塩、伊藤の前に為す術なし

  • 勝利後、笑顔を見せる伊藤

★大会第6日目・1月18日のタイムテーブル

10:00〜 ●女子シングルス準々決勝
伊藤美誠(スターツ) vs. 小塩遥菜(JOCエリートアカデミー)
橋本帆乃香(ミキハウス) vs. 木原美悠(JOCエリートアカデミー)
11:00〜 ●女子シングルス準々決勝
石川佳純(全農) vs. 芝田沙季(ミキハウス)
佐藤瞳(ミキハウス) vs. 早田ひな(日本生命)

12:00〜 ●男子シングルス準々決勝
丹羽孝希(スヴェンソン) vs. 戸上隼輔(野田学園高)
吉村和弘(東京アート) vs. 宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)
13:00〜 ●男子シングルス準々決勝
張本智和(木下グループ) vs. 吉村真晴(名古屋ダイハツ)
吉田雅己(FPC) vs. 神巧也(T.T彩たま)

14:00〜 ●女子ダブルス準決勝
伊藤美誠/早田ひな(スターツ/日本生命) vs. 塩見真希/梅村優香(ミキハウス/中央大)
長崎美柚/木原美悠(JOCエリートアカデミー/大原学園/JOCエリートアカデミー) vs. 芝田沙季/大藤沙月(ミキハウス/ミキハウスJSC)

14:35〜 ●男子ダブルス準決勝
戸上隼輔/宮川昌大(野田学園高) vs. 笠原弘光/上村慶哉(シチズン時計)
江藤慧/松下大星(クローバー歯科カスピッズ) vs. 三部航平/及川瑞基(専修大)

15:40〜 ●女子ダブルス決勝
16:15〜 ●男子ダブルス決勝

 大会第6日目の1月18日、今日は男女シングルスの準々決勝、そして男女ダブルスの準決勝・決勝が行われる。

女子シングルスの準々決勝は、平野美宇が5回戦で敗れたものの、その他の優勝候補は順当に勝ち残った感がある。その中で勝ち抜いてきた14歳の世界ジュニア銀メダリスト・小塩遥菜が女王・伊藤美誠に挑戦する。ハードヒッター同士の打撃戦が予想される石川対芝田、豪腕サウスポーの早田と、鉄壁カットの佐藤の対戦も楽しみだ。

そして男子シングルス準々決勝。JOCエリートアカデミーで練習を積んだ張本智和と宇田幸矢、野田学園の快速両ハンドのDNAを受け継ぐ吉村真晴・和弘の兄弟と戸上隼輔がベスト8に残り、これまで上位を席巻してきた「ヤマダ(青森山田)」の選手たちに対抗している。丹羽孝希・吉田雅己・神巧也というヤマダ勢が、意地を見せるか。

男女ダブルスは決勝まで行われる。女子ダブルス準決勝では、準々決勝の大苦戦を乗り切った伊藤/早田が登場し、伊藤が2冠目に挑む。男子ダブルス準決勝は多士済々の顔ぶれで、どのペアが優勝しても初優勝。ハードな打撃戦になることは間違いないだろう。
  • 女王・伊藤美誠に挑む小塩遥菜。果たしてどのような試合を見せるか?