☆世界選手権ロッテルダム大会・女子代表選考会「直通鹿特丹」
第2ステージ 3.8~10/山東省許城市
[第1ステージ] ※勝/負
A:1. 李暁霞(3/0)/2. 木子(2/1)/3. 曹臻(1/2)/4. 武楊(0/3)
[李暁霞 4-0 木子][木子 4-0 曹臻][木子 4-1 武楊]
B:1. 郭躍(3/0)/2. 文佳(2/1)/3. 姚彦(1/2)/4. 饒静文(0/3)
[郭躍 4-1 文佳][郭躍 4-1 姚彦][姚彦 4-0 饒静文]
C:1. 馮亜蘭(3/0)/2. 范瑛(2/1)/3. 楊揚(1/2)/4. 王シュアン(0/3)
[馮亜蘭 4-1 范瑛][范瑛 4-2 楊揚][楊揚 4-3 王シュアン]
D:1. 劉詩ウェン(3/0)/2. 李暁丹(2/1)/3. 常晨晨(1/2)/4. 陳夢(0/3)
[劉詩ウェン 4-1 李暁丹][李暁丹 4-3 常晨晨][常晨晨 4-3 陳夢]
[第2ステージ]●準々決勝
李暁霞 9、8、-10、12、13 文佳
木子 9、3、4、6 郭躍
劉詩ウェン 10、5、5、6 范瑛
馮亜蘭 8、-9、9、8、4 李暁丹
●準決勝
李暁霞 -4、5、-10、9、11、10 劉詩ウェン
木子 -8、-8、8、10、3、7 馮亜蘭
●決勝
木子 -12、9、8、-10、10、8 李暁霞
世界選手権ロッテルダム大会の代表選考会「直通鹿特丹」、女子第2ステージで大きな波乱が起こった。第1ステージを2位通過した木子(ムゥ・ズ)が、第2ステージで郭躍、馮亜蘭、李暁霞という世界のトップランカーを連破し、世界選手権の切符をつかみ取ったのだ。
人民解放軍に所属する木子は1989年1月9日生まれの22歳、右シェークバック表ソフトの前陣攻撃型。フォアのカウンタードライブは非常に打球点が早く、バックは相手のフォアサイドへ流れるような変化のあるブロックも使う。ずいぶん前に中国リポートでもお伝えしたことがあるが、なんと両親とも名字は「李」。娘に「李木子」という名前をつけようとしたら、母方の祖父が「いっそのこと姓名を木子にしてしまったらいい」ということで、名字まで変わってしまった。「假小子(おてんば娘)」が多い中国女子チームの中でも、男っぽさ(?)と負けず嫌いは天下一品のようで、09年の「直通横浜」では試合に負けてフェンスを蹴り飛ばし、兄貴分の郭炎とともに注意を受けている。
混合ダブルスで準優勝した09年横浜大会以来、2回目となる世界選手権への切符を手に入れた木子。実はこの好成績には伏線がある。もともと、郭躍・劉詩ウェン・姚彦とともに、担当コーチである孔令輝の指導を受けていた木子。しかし、「直通鹿特丹」第2ステージの1カ月ほど前に、かつて王楠や張怡寧を指導し、現在は李暁霞の担当コーチである李隼に担当コーチがチェンジした。それからわずか1カ月でこの大活躍。しかも準々決勝ではかつての同門である郭躍を完璧に破った。孔令輝としては何とも頭が痛い結果だ。
「木子は見た目は男の子のようだが、精神的には非常に繊細な部分がある。ベンチではとにかく彼女を鼓舞して、長所とプレーの方向性をはっきりさせることに努めた。木子はまだ普段の練習での集中力が低く、自分に甘い。十数年前の張怡寧はこんなに手がかからなかった。今は練習中から口を酸っぱくして注意を与えているところだ」(李隼)。
それにしても、準々決勝で敗れた郭躍の不振は気がかり。「これがあの郭躍なのか?」と中国のマスコミも厳しい。3月16~20日に行われたポーランドオープンでも3回戦で帖雅娜(香港)に敗れるなど、元世界女王の復活への道のりは遠い。
Photo上:「黒馬(ダークホース)」の木子が大仕事!(写真は09年世界選手権)
Photo下:郭躍、選手生活で最大のピンチか…?(写真は10年アジア競技大会)