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欧州リポート

トップニュース欧州リポート

10/22 [デュッセルドルフ 4-6 オクセンハオゼン]
10/22 [グレンツァオ 6-3 ヴュルツブルグ]
※左側のチームがホーム


 10月15日の試合ではゲナンに足元をすくわれてしまったデュッセルドルフ。優勝するために連敗は避けたいところだが、オクセンハオゼンをホームに迎えた22日の試合で敗れてしまい、2連敗を喫してしまった。

 ボルのいないデュッセルドルフはズースをエースに指名。ダブルスでは水谷とのペアリングだ。そのズース/水谷組だが、1番で梁柱恩/モンテイロ組にゲームオールで敗戦。最終ゲームは4本しか取れず、集中力が切れたか。しかし、2番コルベル/オフチャロフ組がクリサン/イェレル組をゲームオールで下し、1-1でシングルス戦へと突入することとなった。
 エースに指名された世界ランク38位のズースは、同30位のクリサンと対戦。世界ランクが拮抗しているために接戦が期待された対戦は、その期待通りにゲームオールにもつれ込む。ここまでくると勝敗を分けるのはほんのわずかな差なのだが…ズースは力尽きてしまった。続く4番オフチャロフが敗れ、1-3とリードされたデュッセルドルフだが、5番ではコルベルが勝利し2-3と追い上げをみせる。そしてここで水谷が出場した。相手は世界ランク102位のイェレル。同40位の水谷の勝利は確実かと思われたが、良いところなく敗れてしまう。さらには7番ズースが格上のクリサン相手に根性を見せるもゲームオールで敗れ、2-5となりデュッセルドルフの勝利はなくなってしまった。
 勝利はなくなっても2連敗を避けたいデュッセルドルフは8番オフチャロフ、9番コルベルが苦しみながらもゲームオールで勝利。4-5とし、ラストの水谷に引き分けへの持ち込みを託した。しかし、世界ランク149位のボボチーカの前にあっけなく敗れた水谷。デュッセルドルフは手痛い2連敗を喫してしまった。

 一方の、3位グレンツァオ対5位ヴュルツブルグの対戦は、グレンツァオの勝利。これでグレンツァオは2位に浮上。デュッセルドルフは4位に後退した。



10/22 デュッセルドルフ 4-6 オクセンハオゼン
ズース/水谷 5、-7、-9、7、-4 梁柱恩/モンテイロWIN
WINコルベル/オフチャロフ 7、-2、6、-7、5 クリサン/イェレル
ズース -8、10、-7、8、-13 クリサンWIN
オフチャロフ -8、-11、6、-5 梁柱恩WIN
WINコルベル 7、-7、7、13 ボボチーカ
水谷 -9、-8、7、-9 イェレルWIN
ズース 11、10、-11、-2、-4 梁柱恩WIN
WINオフチャロフ 4、8、-6、-6、8 クリサン
WINコルベル -6、3、-6、10、8 イェレル
水谷 -7、-8、6、-2 ボボチーカWIN

写真:ラストで水谷を破ったボボチーカ(06ジャパンオープン時)

日本人選手の成績
●水谷隼
通算成績
シングルス:2勝4敗
ダブルス:2勝2敗

現在の順位(10月22日終了時)
1位:フリッケンハオゼン(4勝1分)
2位:グレンツァオ(4勝1敗)
3位:オクセンハオゼン(3勝2分)
4位:デュッセルドルフ(3勝2敗)
5位:ヴュルツブルグ(2勝2敗2分)
6位:ユーリッヒ(2勝2敗1分)
7位:フルダ・マーバーツェル(2勝3敗)
8位:ゲナン(1勝3敗1分)
9位:ブレーメン(1勝5敗)
10位:プリューダーハオゼン(1分4敗)

10/21 [ユーリッヒ 6-4 ゲナン]
10/21 [フリッケンハオゼン 6-2 プリューダーハオゼン]
※左側のチームがホーム


 10月21日に行われたユーリッヒ対ゲナンの試合に高木和卓が出場した。ここまで、ロスコフとのダブルスではなかなか勝ち星に恵まれておらず、この日は好調のアポローニャ/フレイタスに1番を譲るオーダー。高木和にとっては悔しい作戦となったが、これが見事に当たり、アポローニャ/フレイタス、ロスコフ/高木和はともに勝利し、ユーリッヒは2-0と先手を取った。
 しかし、序盤でリードしていても後がつづかないのが今年のユーリッヒ。この後のロスコフ、高木和が続けて敗れて2-2に。前節でデュッセルドルフを破ったゲナンに早くも追いつかれてしまった。敗戦パターンにハマりかけたユーリッヒだが、06世界ジュニア複3位のフレイタスが負の流れを断ち切るストレート勝ち。さらに、フレイタスとのダブルスが好調なコソウスキーが07年ヨーロッパ選手権ベスト16のガブラスを破り、4-2と再びリードを奪うユーリッヒ。このチャンスをものにしたいところだが、ロスコフが王シとのエース対決で力なく敗れると、8番高木和はドリンコールにゲームオール12本で敗れてしまう。
 またも4-4に追いつかれたユーリッヒだが、5番でフレイタスがまたも勝利を挙げ、5-4と王手をかける。ラストはコソウスキーとメンゲルの対決。またとないチャンスでしっかり勝ち星を挙げたいユーリッヒに、デュッセルドルフを破った勢いを止めないために敗戦は避けたいゲナン。緊迫した空気の中での対戦はユーリッヒ・コソウスキーの執念が上回った。
 今回は3番手フレイタス、4番手コソウスキーが単複全勝の活躍で辛くも勝利を収めたユーリッヒ。次戦は高木和の奮闘に期待したい。

 10月21日にはフリッケンハオゼン対プリューダーハオゼンの試合も行われ、こちらはフリッケンハオゼンが快勝。今季の成績を4勝1分とし、首位に立っている。

写真:単複全勝のフレイタス(06世界ジュニア時)



10/21 ユーリッヒ 6-4 ゲナン
○アポローニャ/フレイタス 3、-6、6、5 ガブラス/メンゲル
○ロスコフ/高木和 7、-9、-8、2、6 王シ/フィルス
 ロスコフ -6、-9、12、-6 ドリンコール○
 高木和 8、-7、10、-7、-8 王シ○
○フレイタス 7、9、6 メンゲル
○コソウスキー 5、1、10 ガブラス
 ロスコフ -5、-10、-7 王シ○
 高木和 -6、-7、5、10、-12 ドリンコール○
○フレイタス 7、7、5 ガブラス
○コソウスキー 7、13、7 メンゲル



☆日本人選手の成績☆

●高木和卓

通算成績
シングルス:3勝5敗
ダブルス:2勝3敗



現在の順位(10/21終了時点)
1位:フリッケンハオゼン(4勝1分)
2位:デュッセルドルフ(3勝1敗)
3位:グレンツァオ(3勝1敗)
4位:オクセンハオゼン(2勝2分)
5位:ヴュルツブルグ(2勝1敗2分)
6位:ユーリッヒ(2勝2敗1分)
7位:ゲナン(1勝3敗1分)
8位:フルダ・マーバーツェル(1勝3敗)
9位:ブレーメン(1勝4敗)
10位:プリューダーハオゼン(1分4敗)

ヨーロッパチャンピオンズリーグ 女子グループA
10/12 [クロッパッハ 3-2 ヘーレン]
10/12 [サンドナテーゼ 3-1 モンペリエ]
※左側のチームがホーム


 10月12日、イタリア・サンドナテーゼでプレーしている梅村がECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)女子グループリーグ第3戦に出場した。第2戦は出場できなかった梅村だが、今回は定位置のエースとしてモンペリエ(フランス)と対戦した。

 まずは1番で、ゲーベル(ドイツ)と対戦。01年世界選手権大阪大会に出場していたゲーベルに苦しみ、ゲームオール10本で辛勝した。続く2番でバデスク(ルーマニア)が敗れたが、3番でドデアンが勝利。2-1とリードして迎えた4番で梅村はソロチンスカヤ(ウクライナ)と対戦。98年ヨーロッパユース選手権(カデット)優勝で、世界選手権には99年から連続出場している選手だ。2番でバデスクを下しており、決して油断のできる相手ではないが梅村は4本、3本、2本と完勝。サンドナテーゼは3-1でモンペリエを下し、初勝利を飾った。

 また、グループAのもう一試合はクロッパッハ(ドイツ)がヘーレン(オランダ)を3-2で下し、グループ首位に立っている。準決勝に進出するためにはグループリーグで2位以上に入らなければならないが、クロッパッハとヘーレンはかなりの強敵。しかし、エース梅村を軸に、バデスクとドデアン(ともにルーマニア)が最高のパフォーマンスを発揮すればチャンスはある。後半の試合に期待したい。

写真:2勝を挙げたサンドナテーゼのエース・梅村(06年度全日本選手権時)



10/12 サンドナテーゼ 3-1 モントペリエ
○梅村 -4、9、9、-8、10 ゲーベル
 バデスク -8、9、-6、-2 ソロチンスカヤ○
○ドデアン 5、-10、5、8 イェン・スー
○梅村 4、3、2 ソロチンスカヤ



グループA 順位(10月12日終了時点)
1位:クロッパッハ(3勝0敗/ドイツ)
2位:ヘーレン(2勝1敗/オランダ)
3位:サンドナテーゼ(1勝2敗/イタリア)
4位:モンペリエ(0勝3敗/フランス)
 10月16~17日の二日間、ロシアで「ヨーロッパスーパーカップ」という大会が行われた。今回が初の開催となる同大会。ヨーロッパ男子トップ選手8名が選出され、4名ずつに分かれて予選リーグを行い、各グループ上位2名が準決勝に進出できる。と、いうようにヨーロッパトップ12と似たような性格を持つが、こちらの賞金総額がなんと12万ドル(=約1400万円)。ヨーロッパでは過去最高金額の大会であり、今後どのような道を歩んでいくのかが楽しみだ。
 17日に行われた決勝にはボル(ドイツ)とサムソノフ(ベラルーシ)が進出。やはりヨーロッパではこの二人の力が抜けている。幾度となくヨーロッパの頂点を争っている二人だが、今回はボルがストレートでサムソノフを下し、見事に初代チャンピオンに輝いた。3位には決定戦でスミルノフ(ロシア)を下したメイス(デンマーク)が入った。準決勝ではサムソノフをあと一歩まで追いつめており、復活の兆しが見えてきたか。



●予選リーグ
グループA:1.ボル(ドイツ) 2.メイス(デンマーク) 3.シュラガー(オーストリア) 4.ルボツォフ(ロシア)
グループB:1.サムソノフ(ベラルーシ) 2.スミルノフ(ロシア) 3.陳衛星(オーストリア) キケン.クレアンガ(ギリシャ)
●準決勝
ボル -9、-8、9、-10、8、6、5 スミルノフ
サムソノフ -10、8、4、4、-9、-9、8 メイス
●3位決定戦
メイス -1、6、-5、7、4、5 スミルノフ
●決勝
ボル 9、4、9、14 サムソノフ

10/14 [ヴュルツブルグ 6-1 ユーリッヒ]
10/15 [ゲナン 6-4 デュッセルドルフ]
※左側のチームがホーム


 10月14日に行われたヴュルツブルグ対ユーリッヒの試合は今季ブンデスリーガの20戦目。ここまで各チーム4戦程度をこなしており、成績にも徐々に差がついてきた。ホームのヴュルツブルグはここまで1勝1敗2分、アウェイのユーリッヒは1勝1敗1分と、ほぼ同じ成績。しかし、試合はヴュルツブルグが6-1と完勝。シングルスでは譚瑞午対高木和、凌偉超対ロスコフ、カイナット対フレイタスの3試合がゲームオールとなったが、その接戦を全てヴュルツブルグ勢が制したことが大きかった。高木和はロスコフとのダブルスでも敗れており、この日は未勝利に終わった。

 現在3連勝中のデュッセルドルフは10月15日、2敗1分とまだ勝ち星のないゲナンと戦った。ボルが出場しなかったデュッセルドルフは、1番コルベル/水谷組がゲームオール12本で落とすも、2番オフチャロフ/ズース組が勝利し、ダブルス終了時で1-1とまずまずの立ち上がり。
 3番でオフチャロフが王シにゲームオールで敗れたが、ズース、水谷、コルベルで3連勝し、デュッセルドルフは4-2でゲナンを突き放した。このまま勝利するかと思われたが、なんとここから3連敗。ゲームオールの接戦をものにできずに、4-5とゲナンに逆転された。勝利がなくなったデュッセルドルフのラストは水谷隼(青森山田高)。なんとか引き分けに持ち込みたかったが、ゲナンの勢いは止まらず。03年ヨーロッパユース選手権(カデット)優勝のフィルス(ドイツ)に敗れ、デュッセルドルフは手痛い1敗を喫した。

写真上:ラストで水谷を破ったカットマンのフィルス(06世界ジュニア時)。06年世界ジュニア男子団体準決勝では1番で出場したが高木和卓に敗れている
写真下:同じくフィルス(06世界ジュニア時)。ゾルヤ(手前)と組んだ混合ダブルスで3位入賞を果たした



☆日本人選手の成績☆

●高木和卓(ユーリッヒ/7位)
10/14 対ヴュルツブルグ
 高木和/ロスコフ 6、8、3 凌偉超/カイナット○
 高木和 8、-5、-7、5、-7 譚瑞午○

通算成績
シングルス:3勝3敗
ダブルス:1勝3敗

●水谷隼(デュッセルドルフ/2位)
10/15 対ゲナン
 コルベル/水谷 8、8、-11、-4、-12 ガブラス/メンゲル○
○水谷 -8、9、-8、3、11 メンゲル
 水谷 -11、6、-5、-9 フィルス○

通算成績
シングルス:2勝2敗
ダブルス:2勝1敗


現在の順位(10/15終了時点)
1位:フリッケンハオゼン(3勝1分)
2位:デュッセルドルフ(3勝1敗)
3位:グレンツァオ(3勝1敗)
4位:オクセンハオゼン(2勝2分)
5位:ヴュルツブルグ(2勝1敗2分)
6位:ゲナン(1勝2敗1分)
7位:ユーリッヒ(1勝2敗1分)
8位:フルダ・マーバーツェル(1勝3敗)
9位:ブレーメン(1勝4敗)
10位:プリューダーハオゼン(1分3敗)

10/12 [プリューダーハオゼン 2-6 グレンツァオ]
10/13 [オクセンハオゼン 6-3 ブレーメン]
10/13 [フルダ・マーバーツェル 3-6 フリッケンハオゼン]
※左側のチームがホーム


 ECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)では惜敗が続き、3戦して未だに勝ち星に恵まれていないグレンツァオだが、ドイツ・ブンデスリーガでは2勝1敗と好調だ。その好調を支えているのがダブルス。ブラシュチック/張ユク組、フェイヤー-コナート/パベルカ組はともに2勝1敗と勝ち越している。10月12日に行われたプリューダーハオゼン戦でも前半のダブルスで2勝を挙げたグレンツァオが6-2で勝利。グレンツァオのエース・ブラシュチックがまさかの2失点をくらってしまったのだが、それでも勝つことができるのはダブルスで得点できる余裕も大きな要因だろう。

 翌13日にはブレーメン・岸川聖也がオクセンハオゼン戦に出場した。まずは2番でケーンとのダブルスで登場した岸川。梁柱恩/モンテイロ組に苦しんだが、1-2で迎えた第4ゲームを10本で奪うと、最終ゲームは9本でしのぎきり辛くも勝利。この勝利で勢いに乗った岸川は、先のワールドチームカップで王励勤に勝った梁柱恩(中国香港)にゲームオール11本で勝利。さらにこれにケーンが続き、クリサン(ルーマニア)を下した。3-1とリードしたブレーメンだが、ここからまさかの5連敗。岸川もクリサンに敗れている。これで1勝4敗と負けが先行しているブレーメン。絶対的なエースがいないだけに苦しい戦いはまだ続きそうだ。

 フルダ・マーバーツェル対フリッケンハオゼンの試合は6-2でフリッケンハオゼンの勝利。ECLでグループリーグ首位争いをしている勢いそのままにフルダ・マーバーツェルを圧倒した。フルダ・マーバーツェルはワルドナー(スウェーデン)が絶不調。今季はシングルスで5戦して1勝4敗、パーソンと組んでいるダブルスでも1勝3敗だ。40歳を超えている選手に輝きを求めるのは無茶かもしれないが、どうしても期待してしまう。彼はまたやってくれるのではないかと。

写真:グレンツァオを支える張ユク(06世界選手権ブレーメン大会時)。この日は3点奪った
写真:ヨーロッパを牽引してきた“キング”の偉大な背中(04アテネ五輪4位時)。最近は腹も大きくなってしまっているが…



☆日本人選手の成績☆

●岸川聖也(ブレーメン/9位)
10/13 対オクセンハオゼン
○岸川/ケーン 5、-10、-9、10、9 梁柱恩/モンテイロ
○岸川 9、-4、-14、7、11 梁柱恩
 岸川 -7、-9、7、-3 クリサン○

通算成績
シングルス:6勝4敗
ダブルス:3勝2敗

ヨーロッパチャンピオンズリーグ 男子グループA
10/9 [シャルロワ 3-0 ヴュルツブルグ]
※左側のチームがホーム


 昨季王者・シャルロワ(ベルギー)の第4戦目は10月9日、ホームでヴュルツブルグ(ドイツ)との対戦だった。やはり強い王者・シャルロワ。サムソノフ(ベラルーシ)、J.セイブ(ベルギー)、スミルノフ(ロシア)のメンバーでヴュルツブルグをストレートで下した。これでシャルロワは4戦連続となるストレートでの勝利になった。
 ところで、この試合の3番でJ.セイブと対戦したのは聞き慣れない“ミューラー”という選手。調べてみると、この“ミューラー”という選手はナント、ヴュルツブルグの監督兼選手。ヴュルツブルグはブンデスリーガにも参戦しているために選手が消耗していたのだろうか、プロ野球・ヤクルトスワローズ古田監督兼選手の「代打、オレ」のように、ベルギーの虎・J.セイブが待つコートへと向かっていった…。
 ミューラーは1964年1月15日生まれの43歳。「178cm、85kg(公式発表)」という体躯はややメタボか。それでもあのJ.セイブから1ゲームを奪う健闘(?)を見せた。彼のフルネームは「フランク・ミューラー」という。そう、あの有名な時計技師である「フランク・ミューラー」と同姓同名なのである。だからどうなんだと言われれば、返す言葉は見当たらない。卓球トリビアとしてご査収いただければ幸いだ。そして、“戦う監督”の今後に注目していただきたい。

写真:3番で思わぬ苦戦(?)をしたJ.セイブ(07世界選手権ザグレブ大会時)



10/9 シャルロワ 3-0 ヴュルツブルグ
○スミルノフ -9、9、7、9、5 カイナット
○サムソノフ 12、8、9 凌偉超
○J.セイブ 5、4、-7、6 ミューラー



グループA 順位(10月9日終了時点)
1位:シャルロワ(4勝0敗/ベルギー)
2位:ヴュルツブルグ(1勝3敗/ドイツ)
3位:ルバロワ(1勝2敗/フランス)
4位:サン・セバスチャン(1勝2敗/スペイン)

10/7 [ブレーメン 4-6 ヴュルツブルグ]
※左側のチームがホーム


 10月7日、ドイツ・ブンデスリーガのブレーメン対ヴュルツブルグの試合が行われた。ブレーメンは前回のフリッケンハオゼン戦同様に、岸川聖也(スヴェンソン)を2番手で起用するオーダー。その岸川は、1番ダブルスではケーンとダブルスを組み、カイナット/凌偉超組を下した。第1~3ゲームでゲームオールとなる消耗戦だったが、第2・3ゲームを奪ったケーン/岸川が第4ゲームでは突き放して勝ち星を挙げた。
 シングルスでは譚瑞午、凌偉超という中国系2選手と対戦した岸川。06世界選手権ブレーメン大会では勝利している譚瑞午には惜敗したが、凌偉超には勝利。単1勝1敗、複1勝と2番手として最低限の仕事はこなした岸川だったが、チームは4-6で敗戦。3-3で迎えた7番ケーン対譚瑞午のエース対決で、ケーンがゲームオール10点で敗れたことが悔やまれる。
 ここまでで、ブレーメンは1勝3敗で暫定8位。エースのケーン(オランダ)が単3勝5敗、複2勝2敗(岸川とのペア)とやや苦しい戦いぶり。ダブルス巧者の岸川がうまく引っ張って、まずはダブルスで得点を取りたい。

写真:出場した単複で3戦全勝のヴュルツブルグ・譚瑞午。(06年世界選手権ブレーメン大会時)



10/7 ブレーメン 4-6 ヴュルツブルグ
○ケーン/岸川 -11、11、10、5 カイナット/凌偉超
 ヒールシャー/チオティ -11、-9、8、-12 譚瑞午/范長茂○
○ケーン 6、3、9 凌偉超
 岸川 -7、-10、-9 譚瑞午○
○ヒールシャー 7、7、3 チチェチニン
 チオティ -5、-4、-6 カイナット○
 ケーン 11、10、-4、-9、-10 譚瑞午○
○岸川 -8、10、8、7 凌偉超
 ヒールシャー -9、10、-9、-7 カイナット○
 チオティ -6、-8、9、-13 チチェチニン○



☆日本人選手の成績☆

●岸川聖也(ブレーメン/現在8位)
10/7 対ヴュルツブルグ
 岸川/チオティ -3、-7、-4 シュテガー/トキッチ○
○岸川 8、-2、2、9 馬文革
○岸川 10、10、-9、5 シュテガー

通算成績
シングルス:5勝3敗
ダブルス:2勝2敗

9/30 [オクセンハオゼン 6-3 ゲナン]
9/30 [ヴュルツブルグ 0-6 デュッセルドルフ]
9/30 [ブレーメン 3-6 フリッケンハオゼン]
※左側のチームがホーム


 9月30日、ドイツ・ブンデスリーガでは3試合が行われた。まずは、オクセンハオゼン対ゲナンの一戦。世界ランク30位のクリサン(ルーマニア)と同54位の梁柱恩(中国香港)がいるオクセンハオゼンがゲナンを下した。ボル(ドイツ)がいなくなってから苦しい戦いが続いているゲナン。だが、そんな中でも2番手で起用された世界ランク236位のドリンコール(05年ヨーロッパユース選手権カデットの部優勝/イングランド)が奮闘。クリサンと梁柱恩をともにゲームオールで破る金星を挙げたのだ。ブンデスリーガに参戦して力をつけていったボルのようになれるだろうか。数少ない欧州期待の若手である。

 同日、ボルがいるデュッセルドルフはアウェイでヴュルツブルグと対戦。1番ダブルスはボル/ズースがチチェチニン/范長茂(ベラルーシ/中国)を寄せ付けずにストレート勝ち。続く2番オフチャロフ/水谷と、3番ズース(ドイツ)、5番水谷(青森山田高)がそれぞれゲームオールでヒヤリとする場面もあったが、デュッセルドルフは6-0でヴュルツブルグを下した。

 9月30日に行われた最後の試合はブレーメン対フリッケンハオゼン。ホームのブレーメンは2番手で岸川聖也を起用。チオティ(ルーマニア)と組んだダブルスでは、シュテガー/トキッチ(ドイツ/セルビア)に完敗だったが、シングルスでは馬文革(中国)とシュテガーを下した。しかし、ブレーメンは岸川の2得点の他にはヒールシャー(ドイツ)がバウム(ドイツ)を倒した1点のみで、3-6でフリッケンハオゼンに敗れた。

写真上:シングルスで2勝を挙げた岸川(07ジャパンオープン時)。順調に力をつけてきている
写真下:実力だけではなくルックスも◎!?のドリンコール(06ジャパンオープン時)



9/29 ユーリッヒ 5-5 プリューダーハオゼン
○フレイタス/コソウスキー -5、8、5、11 モリーン/スヴェンソン
 ロスコフ/高木和 -9、-12、8、-6 カラカセビッチ/スン○
○ロスコフ -10、7、5、-9、11 スン
○高木和 8、8、-5、9 カラカセビッチ
 フレイタス 12、-7、-9、13、-7 スヴェンソン○
○コソウスキー 4、6、9 モリーン
 ロスコフ 9、8、-10、-7、-12 カラカセビッチ○
○高木和 10、5、7 スン
 フレイタス 5、-8、10、-7、-10 モリーン○
 コソウスキー -5、-4、-9 スヴェンソン○



☆日本人選手の成績☆

●高木和卓(ユーリッヒ/現在6位)
9/29 対リューダーハオゼン
 ロスコフ/高木和 -9、-12、8、-6 カラカセビッチ/スン○
○高木和 8、8、-5、9 カラカセビッチ
○高木和 10、5、7 スン

通算成績
シングルス:3勝2敗
ダブルス:1勝2敗

●水谷隼(デュッセルドルフ/現在1位)
9/30 対ヴュルツブルグ
○オフチャロフ/水谷 6、11、-10、-3、10 譚瑞午/凌偉超
○水谷 8、-2、10、-5、11 チチェチニン

通算成績
シングルス:1勝1敗
ダブルス:2勝

●岸川聖也(ブレーメン/現在8位)
9/30 対フリッケンハオゼン
 岸川/チオティ -3、-7、-4 シュテガー/トキッチ○
○岸川 8、-2、2、9 馬文革
○岸川 10、10、-9、5 シュテガー

通算成績
シングルス:4勝2敗
ダブルス:1勝2敗

9/28 [グレンツァオ 6-1 フルダ・マーバーツェル]
9/29 [ユーリッヒ 5-5 プリューダーハオゼン]
※左側のチームがホーム


 ECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)では現在3連敗中と苦しいグレンツァオ。その3敗目を喫することになる2日前、9月28日にはドイツ・ブンデスリーガでフルダ・マーバーツェルと対戦していた。
 トップのダブルスでブラシュチック/張ユク組がゲームオールで勝利を挙げると、続く2番ダブルスでもフェイヤー-コナート/パベルカ組がワルドナー/パーソン組を下し、2-0といきなりのリード。さらにグレンツァオの勢いは止まらず、ブラシュチック、張ユク、フェイヤー-コナートがシングルス3連勝。5-0となったところで、6番パベルカがパーソンの意地の逆襲に遭い、5-1とされるが、7番ではブラシュチックが馮哲をゲームオールで下してグレンツァオの勝利を決めた。これでグレンツァオは今季2勝1敗とした。この日は調子が良かったグレンツァオ。まさか2日後に悪夢が待っていようとは…。

 翌29日、高木和卓が所属するユーリッヒがホームでプリューダーハオゼンを迎え撃った。この日、高木和はロスコフに次ぐ2番手として起用され、ロスコフと組んだダブルスではカラカセビッチ/スン組に敗れたものの、シングルスではカラカセビッチと中国籍選手スンにリベンジ。チームに貢献したが、チームはあと一歩勝利に届かず、5-5と引き分けに終わった。これでユーリッヒは1敗2分と、まだ勝ち星がない。

写真:シングルスで2勝を挙げた高木和卓。ロスコフとのダブルスはまだ呼吸が合っていない様子…(07年ジャパンオープン時)



9/29 ユーリッヒ 5-5 プリューダーハオゼン
○フレイタス/コソウスキー -5、8、5、11 モリーン/スヴェンソン
 ロスコフ/高木和 -9、-12、8、-6 カラカセビッチ/スン○
○ロスコフ -10、7、5、-9、11 スン
○高木和 8、8、-5、9 カラカセビッチ
 フレイタス 12、-7、-9、13、-7 スヴェンソン○
○コソウスキー 4、6、9 モリーン
 ロスコフ 9、8、-10、-7、-12 カラカセビッチ○
○高木和 10、5、7 スン
 フレイタス 5、-8、10、-7、-10 モリーン○
 コソウスキー -5、-4、-9 スヴェンソン○



☆日本人選手の成績☆

●高木和卓(ユーリッヒ)
通算成績
シングルス:3勝2敗
ダブルス:1勝2敗