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欧州リポート

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 ECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)06/07シーズンの王者、シャルロワ(ベルギー)が9月7日に初戦を迎えた。今季は、昨季優勝メンバーのサムソノフ(世界ランク5位/ベラルーシ)、J.セイブ(同28位/ベルギー)が残り、新たに呉尚垠(同7位/韓国)が加入。日本でも人気がある選手が揃ったスター軍団で、今年も優勝候補の筆頭だ。
 予選グループ初戦の相手はスペインのサン・セバスチャン。登録メンバーに目をやると、世界ランク最高位に位置するのが86位のセレダ(スロバキア)、続くのが97位のS.カマル(インド)という世界ランク的には格下の相手。そのサン・セバスチャンに対し、シャルロワはベストメンバーを配した。トップの呉尚垠、2番のサムソノフがともにストレートで快勝。3番のJ.セイブは第4ゲームを落とし、第5ゲームも粘られるものの16本で逃げ切り勝利。シャルロワは3-0と好スタートを切った。
 次戦は9月23日にヴュルツブルグ(ドイツ)と対戦予定。高礼澤(中国香港)を中心に、譚瑞午(クロアチア)、1984年に世界ランク8位まで登りつめた范長茂(ドイツ)らがいる、曲者ぞろいのチーム。予選リーグ初戦では、メイス(デンマーク)とエロワ(フランス)擁するルバロワ(フランス)を破っているだけに侮れない。

写真上:呉尚垠(世界選手権ザグレブ大会時)
写真中:サムソノフ(世界選手権ザグレブ大会時)
写真下:J.セイブ(世界選手権ザグレブ大会時)



ヨーロッパチャンピオンズリーグ グル-プA
9/7 シャルロワ(ベルギー) 3-0 サン・セバスチャン(スペイン)
○呉尚垠 10、7、5 セレダ
○サムソノフ 9、6、10 カルロス
○J.セイブ 9、6、-9、16 ウェイ・ドンシ


9/12 [ゲナン 5-5 ヴュルツブルグ]

 ブンデスリーガ男子1部第10戦のゲナン対ヴュルツブルグが9月12日に行われた。ゲナンは前回、岸川がいるブレーメンに敗れ、ヴュルツブルグは前回のオクセンハオゼン戦のラストでチチェチニン(ベラルーシ)がゲームオールで敗れており、ともにまだ勝ち星がない。
 序盤のダブルスはゲナンが2連勝し、続くシングルスではヴュルツブルグが2連勝し、五分の展開。さらにここから交互に勝利を重ねていきゲナンの5-4で迎えたラストはメンゲル対チチェチニン。チチェチニンは前回ラストで敗れていて引き分けに持ち込まれてしまっているので、今回は逆に勝って引き分けに持ち込みたいところ。05年世界ジュニアベスト16のメンゲル(ドイツ)に対し、チチェチニンは第1、2ゲームをデュースで奪う。第3ゲームは7本で奪われたが第4ゲームをきっちり締め、勝利。前回はラストで負け、この日の試合も馮哲と組んだダブルス、ガブラスと対戦したシングルスではともにストレートで敗れていたチチェチニン。なんとか引き分けに持ち込むことができ、少しは胸のつかえがとれたことだろう。

9/12 ゲナン 5-5 ヴュルツブルグ
○ガブラス/メンゲル -7、-9、-6 チチェチニン/馮哲
○王シ/フィルス -9、7、-1、8、7 譚瑞午/凌偉超
 王シ -7、4、-7、6、-8 凌偉超○
 ドリンコール -8、-7、-5 譚瑞午○
○ガブラス 8、9、8 チチェチニン
 メンゲル 5、-5、-6、-7 カイナット○
○王シ -8、10、2、10 譚瑞午
 ドリンコール -6、-6、6、6、-6 凌偉超○
○ガブラス -5、9、-2、9、6 カイナット
 メンゲル -10、-10、7、-4 チチェチニン○

写真:ラストでチチェチニンに敗れたゲナンのメンゲル(07ジャパンオープン時)。長身の選手だ。



☆日本人選手の成績☆

出場なし


9/9 [ヴュルツブルグ 5-5 オクセンハオゼン]
9/9 [フリッケンハオゼン 6-2 グレンツァオ]

 ブンデスリーガの今季第8・9試合が9月9日に行われた。前回、プリューダーハオゼンと引き分けたヴュルツブルグはホームでオクセンハオゼンと対戦。5-4で迎えたラストでチチェチニン(ベラルーシ)がボボチーカ(ルーマニア)にゲームオールで敗れ、今回も引き分けとなった。
 こちらも前回引き分けだった大矢所属のフリッケンハオゼン。今回も大矢の出場はなかったが、ベテラン馬文革が世界ランク34位の張ユク(中国香港)、同36位のブラシュチック(ポーランド)を撃破、バウムと組んだダブルスでも勝利し、一人で3点を叩き出す大活躍。馬文革は6-2でグレンツァオを下す原動力となった。



なお、9/9の試合では日本人選手の出場はなかった。



 ECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)は、女子も9月7日に開幕。日本選手からは、今年からイタリアのサンドナテーゼでプレーをしている梅村礼が出場した。

 グループAのサンドナテーゼのクロッパッハ(ドイツ)との対戦。クロッパッハは世界ランク18位の呉佳多(ドイツ)、同48位のシュトルーゼ(ドイツ)に中国系選手のジュ・ホンを揃えたチームだ。対するサンドナテッセは梅村を軸に、世界選手権ザグレブ大会で福岡・福原を連破した若手のドデアン(ルーマニア)、1993年世界選手権イエテボリ大会3位のベテランのバデスク(ルーマニア)で挑んだが、梅村の1点だけにとどまり敗戦。力の差は隠しきれなかった。梅村は中国系のジュ・ホンとの対戦でいずれのゲームも競る好ゲーム。あとがない第4ゲームをデュースで奪い、第5ゲームを8本でしのぎきった。
 次戦は9月21日にオランダのヘーレンと対戦予定。倪夏蓮(ルクセンブルク)、王晨(アメリカ)、リー・ジャオ(オランダ)らがいるベテラン強豪チームだ。



9/7 サンドナテーゼ 1-3 クロッパッハ
 ドデアン -7、9、-10、-8 呉佳多○
○梅村 -11、9、-10、10、8 ジュ・ホン
 バデスク -7、13、-9、-7 シュトルーゼ○
 ドデアン -4、-10、-2 ジュ・ホン○
    
 ヨーロッパNO.1のクラブチームを決める、2007/2008ヨーロッパチャンピオンズリーグ(ECL)が開幕した。男子は16チーム、女子は8チームが参加し、4チームのグループに分けリーグ戦を行い、各リーグの上位2チームが決勝トーナメントに進出できる。
 9月7日の男子開幕戦には日本選手から水谷隼(デュッセルドルフ/ドイツ)が出場した。

 男子グループBのデュッセルドルフはハンガリーのブダペストと対戦。ブタペストはヤカブ・ズウィックル・パジーと若手主体のチーム。これに対してデュッセルドルフはコルベルを3番手に下げる余裕とも取れるオーダー。1番で水谷がヤカブに快勝、2番オフチャロフも3-1で勝利し、早々と王手をかけたデュッセルドルフ。3番で出場するのはコルベルで、デュッセルドルフの勝利は確実かと思われた。しかし、勝ったのはブダペストのパジー。チームとして後がない絶体絶命の状況で格上のコルベルに競り勝った。この敗戦はデュッセルドルフにとっては大きな誤算であったことは間違いないが、2-1とリードしていて、オフチャロフと水谷が控えている状況からチームの勝利は間違いないものと思われた。だが、波乱はこれだけではなかった。世界ランク110位のヤカブ対世界ランク22位のオフチャロフの対戦は4-1ヤカブの勝利に終わる。
 ラストは水谷対ズウィックル。ズウィックルは1999年ヨーロッパユース選手権で単・複・混合複・団体と全ての種目で優勝という実績はあるが、シニアでは目立った結果を残せておらず、現在の世界ランクは146位の選手だ。第1ゲームはこのズウィックルが先取する。続く第2・3ゲームは水谷が奪って王手。しかし、パジー・ヤカブの金星を無駄には出来ないズウィックルが踏ん張り、第4ゲームを8点で奪う。2-2で迎えた5番の試合はゲームオールという白熱した試合となる。優勝を狙うデュッセルドルフは大事な初戦で足元をすくわれるわけにはいかない。ブダペストは大金星を挙げる千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかない。最終ゲームのスコアは11-7。勝ったのは勢いに勝るズウィックルであった。
 大事な初戦を落としてしまった水谷のデュッセルドルフ。この敗戦を問題にせず決勝トーナメントへ進めるのか、それとも…。

9/7 ブダペスト 3-2 デュッセルドルフ
 ヤカブ -5、-12、-3 水谷○
 ズウィックル -12、6、-9、-7 オフチャロフ○
○パジー -11、10、9、8 コルベル
○ヤカブ 8、9、-8、5 オフチャロフ
○ズウィックル 8、-10、-8、8、7 水谷


9/8 [ブレーメン 6-4 ゲナン]
9/8 [フルダ・マーバーツェル 6-0 ユーリッヒ]

 ドイツ・ブンデスリーガ男子1部の2試合が9月8日に行われた。今季の第6試合となるのは、ブレーメン対ゲナンの一戦。ブレーメンは早くもこれが2試合目。前回は岸川が単複で1勝ずつ挙げたもののグレンツァオに負けたブレーメンだったが、今回はヒールシャーが単複で3勝を挙げる活躍などで、ゲナンに6-4で勝利した。
 第7試合はフルダ・マーバーツェルのホームゲームで、相手は高木和卓が在籍しているユーリッヒ。ユーリッヒは若手・フレイタス/アポローニャ組がワルドナー/パーソン組をゲームオールにまで追いつめるなどしたが、ストレートでフルダ・マーバーツェルに敗戦。フルダ・マーバーツェルはこれで今季1勝1敗。ユーリッヒは1敗1分と、今季はまだ勝ち星がない。



☆日本人選手の成績☆

●岸川聖也(ブレーメン) 9/8 対ゲナン
 ケーン/岸川 -9、11、-6、9、-8 王シ/フィルス○
 岸川 -8、-10、10、3、-5 王シ○
○岸川 -2、10、2、10 ドリンコール

通算成績
シングルス:2勝2敗
ダブルス:1勝1敗

●高木和卓(ユーリッヒ) 9/8 対フルダ・マーバーツェル
 ロスコフ/高木和 5、-7、-7、-14 馮哲/モン・チンユ○
 高木和 -5、6、8、-4、-4 馮哲○

通算成績
シングルス:1勝2敗
ダブルス:1勝1敗
 9月5日に行われたブンデスリーガ1部男子の1戦、プリューダーハオゼンvs.デュッセルドルフで水谷隼(青森山田高)が今シーズン初参戦!

9/5 [プリューダーハオゼン 3-6 デュッセルドルフ]

 デュッセルドルフのエース、ボル(ドイツ)が不在のこの試合は、プリューダーハオゼンのカラカセビッチ/モリーン組がデュッセルドルフのズース/オフチャロフ組をゲームオールで下す立ち上がり。
 続く2番ダブルスで水谷が登場した。ペアを組むのはチェコのコルベル。今シーズン最初の試合となったが、さすがはダブルス巧者の水谷。相手が格下ということもあったがストレートでスヴェンソン/ニルソン組を圧倒した。
 序盤のダブルスは1勝1敗と両チーム譲らずの展開。大事なシングルスの1番はオフチャロフがカラカセビッチをゲームオールで下して、流れはデュッセルドルフか…と思われたが、ズース、水谷が続けてストレート負けを喫してしまう。これで2-3となり、一転してデュッセルドルフにとっては嫌な流れに。
 なんとかしたいところで、スタンバイしていたのは頼れるベテラン・コルベル。ニルソンを問題にせず、ストレート勝ちという最高の形で次につなげた。バトンを受けたズースは先ほどの汚名を返上するかのように、カラカセビッチとのシーソーゲームを制した。勢いを取り戻したデュッセルドルフはさらにオフチャロフが勝利して5-3と王手をかけると、ラストはコルベル。スヴェンソン相手に苦しんだが、ゲームオール11本で下し、デュッセルドルフの勝利を決めた。開幕2連勝を飾った。



☆日本人選手の成績☆

●水谷隼(デュッセルドルフ) 9/05 対プリューダーハオゼン
○コルベル/水谷 9、5、6 スヴェンソン/ニルソン
 水谷 -13、-10、-5 スヴェンソン○

通算成績
シングルス:1敗
ダブルス:1勝

 9月2日に終了したパナソニック中国オープン。この中国オープンで、ドイツ男子チームのリチャード・プラウゼ監督の審判員に対する暴言が物議を醸している。

 これは8月31日、パナソニック中国オープン男子シングルス2回戦の陳杞(中国)vs.ズース(ドイツ)戦でのこと。ズースのベンチに入っていたプラウゼ監督に対し、中国の王欣審判員(女性)が「ベンチからアドバイスを送っている」としてイエローカードを提示。のちにプラウゼ監督は「激励の言葉だけでアドバイスではない」と釈明したが、その後も改善する様子がないため、レッドカードを提示してベンチからの退場を命じた。
 試合はズースが第6ゲームを逆転で落とし、2-4で敗退。この試合後、プラウゼ監督は王欣審判員に詰め寄り、中国語で暴言を吐いた。このことが大きな問題となり、中国記者団は連名で、ITTF(国際卓球連盟)にプラウゼ監督の処罰を要求する抗議文を送付。中国卓球協会もITTFに報告書を送った。

 9月2日午前に行われた記者会見で、プラウゼ監督は1日夜、王欣審判員に対して正式に謝罪したことを発表。「感情的になり、自分をコントロールできなかった。自分の行為は許されないものだと思っている。今回のことを教訓として、態度を改めていきたい」と語った。プラウゼ監督自身、自らの発した暴言の意味がよく分っていなかったようだ。
 王欣審判員は謝罪を受け入れたとしながらも、ITTFに対して、今回の事件に対する声明を求める文書を送付したとのこと。ITTFの裁定によっては、プラウゼ監督に対して何らかの処罰が下される可能性もある。

Photo:07年世界ザグレブ大会でのプラウゼ監督。長くブンデスリーガで活躍し、世界代表にもなったかつての名選手だが、今回は感情的になりすぎたか
ドイツ・ブンデスリーガ1部 第1節

8/16 [グレンツァオ 6-4 ブレーメン]
8/17 [ユーリッヒ 5-5 フリッケンハオゼン]
8/18 [デュッセルドルフ 6-2 フルダ・マーバーツェル]
8/19 [オクセンハオゼン 5-5 プリューダーハオゼン]

★注目の1戦★(デュッセルドルフvsフルダ・マーバーツェルから)

○ボル -10、7、-10、1、9 ワルドナー
 デュッセルドルフ1番手はドイツの英雄ボル。対するフルダ・マーバーツェル2番手は生ける伝説ワルドナー。今ではさすがにボルに分があると思われたが、なんとワルドナーが1ゲームを先取。2ゲーム目はボルに返されたものの、第3ゲームをデュースで奪い王手をかける。しかし、続く第4ゲームをあっさり奪われたワルドナーは最終ゲームも必死に抵抗するも敗戦。敗れはしたが、世界のトップ相手にゲームオールの熱戦を演じた"キング"はまだまだ健在のようだ。
 さらに、ダブルスでのワルドナーの相方はご存じパーソン。ボル/ズース組に1-3で負けてしまったが、ワルドナー/パーソン組は出場するだけで観るものの心を惹きつける。



☆日本人選手の成績☆

●岸川聖也(ブレーメン) 8/16 対グレンツァオ
○岸川/ケーン 8、7、3 ブラシュチック/張ユク
 岸川 -10、-6、4、-6 ブラシュチック○
○岸川 -8、-10、5、6、4 張ユク

通算成績
シングルス:1勝1敗
ダブルス:1勝

●高木和卓(ユーリッヒ) 8/17 対フリッケンハオゼン
○ロスコフ/高木和 6、8、6 シュテガー/トキッチ
 高木和 -7、7、8、-3、-10 馬文革○
○高木和 -4、12、10、2 シュテガー

通算成績
シングルス:1勝1敗
ダブルス:1勝

●水谷隼(デュッセルドルフ) 出場なし

●大矢(フリッケンハオゼン) 出場なし

 今節には岸川と大矢が参戦。ともに単1勝1敗、複1勝という成績だった。岸川は、世界ランク39位で格上の張ユク(中国香港)に2ゲームを先取されながらの見事な逆転勝ち。高木和は、中国超級リーグで王皓を破る大金星を挙げた馬文革をギリギリまで追いつめるも敗戦。しかし、格上のシュテガーに勝利を収めている。
 ヨーロッパの中でも最大規模を誇るのがヨーロッパベテラン選手権だ。2091名を集め、100台の卓球台を用意した。オランダで行われたこの大会の優勝者にはなつかしい名前が並んだ。
 男子の50代優勝者はハンガリーのタカチ、60代はドイツのリークなど。また50代の準決勝で敗れたのは、かつて中国代表としてプレーし、その後ドイツに移住した梁戈亮。
 女子ではかつてのヨーロッパチャンピオンで、地元オランダのフリセコープが単複で決勝で進んだものの、ダブルス決勝でコートに入るのが遅すぎたために大会運営側から失格を宣告され、かつ、そのあとのシングルスを自ら棄権するという「事件」もあった。ベテラン大会とはいえ、最終的には選手は優勝したいことに変わりはなく、何とも後味の悪い結果となった。

写真は今も現役としてブンデスリーガでプレーしているリーク