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ニッタクの渡辺貴史さんようこそペルーへ

11月18日の日曜日、朝、ベッドに寝そべっていた旦那のレンソに頼まれました。

「イズミ……足首に塗り薬塗って……足首が超痛い……」

「えー、足臭いからヤダ

「お願い、本当に痛いの」

「えー。っていうか、自分で塗ってくれません? なんでいちいち私が塗らなきゃいけないの? 足首くらい、自分で塗れるでしょ?」

「……。」

「いいよ、分かったよ。塗ればいいんでしょ? 私が! あなたの足首に! 塗り薬を!」

 

もうね、うちの旦那、たまに赤ちゃんになるんですよね。

「わかるわかる」と頷いているそこの奥さん、貴女とはそういった類(たぐい)の話しで2、3時間は盛り上がれそうです。

お酒を飲んできた帰りとか、変に機嫌が良い時とかに、急に「靴下脱がせて」とか「ズボン履かせて」などと言い出すんですよね。

 

くさい足のニオイに十分に注意しつつ、日本で調達したバンテリンを塗ってあげました。しばらくすると

「ダメだ、どうしてもまだ足首が痛い。強めの痛み止めの飲み薬を飲む」と言うが早いか立ち上がり、ヨチヨチと歩きながら薬を飲みに行きました。

 

旦那がどうしてここまでして足首の痛みを消したかったか。

それは、本日、日本から御越しになりました卓球メーカー「ニッタク」のアドバイザリースタッフ、渡辺貴史さんと練習するからです!

 

渡辺貴史さん、ようこそペルーへ!

 

今回のブログはニッタクの渡辺貴史さんについて書こうと思っているのに、どうしてブログの出だしが旦那の臭い足から始まるの?

これだから読者の皆様にいつもご迷惑やご心配をおかけしているんでしょう?

渡辺貴史さんだって、このブログを読んで下さっているんです。

ブログの題名が「ニッタクの渡辺貴史さん」とあるから自分の事が書かれているんだと思って読み始めてみたら西田泉の旦那の足が臭いやら、自分で塗っとけ! とか、そんなの知ったこっちゃねーよ!

 

「そもそも旦那の足が臭いのは当たり前な事であって、いちいちブログで書かなくったってわかります、そんなの知ってます!」という全国の奥様方の声が聞こえてきましたよ。

 

渡辺さんはまだ独身ということですが、彼も結婚して旦那さんになったら、彼の足もどこかの旦那さんの様に臭くなるのでしょうか。

いやでも待って下さいよ。福山雅治だって旦那さんですよね。結婚しちゃったから。私じゃない人と! あれほど「もし出逢ったら、絶対に結婚しようね」って誓ったのに! 夢の中で! 誓い合ったのに!

で、福山雅治も旦那さんなんだから、世間の旦那さんのように彼の足も臭いの?

どれ、ものは試し、嗅いでみようではありませんか!

私が判断しますよ。臭いか、臭くないかを!

 

さぁ、こちらへ!

 

例のモノを!

 

あれ? ニッタクの渡辺貴史さんは何処へ行っちゃったの?

 

おーい、おーい! 渡辺さーん! こっちです、こっち~!

 

ペルーでは知らない人に付いて行っちゃダメですよ。ちゃんとここに居て下さいね。

 

まだペルー初日なんですからね。まだ迷子は早いですよ。まだ。

 

バンテリンと強めの痛み止めの飲み薬により、旦那の足首の痛みはなくなり、晴れて渡辺貴史さんと一緒に卓球が出来るようになりました。

 

~続く~

私と共感してくれる人この指止まれ。早くしないと逃げちゃうぞ。まだまだ逃げない、まだ逃げない。

前回のブログで「これに共感出来る方、是非コメント下さい」とコメントを促したんですけど、誰一人コメントをくれませんでしたね。

 

やっぱり、ブログの文章が長すぎたんでしょうね。最後まで読んでくれたの、一人も居なかったそうですよ。

 

そもそも「卓球ブログ」なのに全然卓球についてのネタを書かず、久しぶりに書いたと思ったらまさかの長文で、読者の方も途中で飽きちゃって、ネタも意味不明だし、

 

そもそもペルーなんかで暮らしているオバサンが「私なりの試合に対する心構え」を発表したところで誰も興味持ちませんから!

 

旦那のレンソですら私のアドバイスを「あ~、はいはい」と聞き流しているというのに!

でも良いんだ。こんな事で挫けないぞ。

イジケナイ、絶対に泣かないんだって決めたんだ! えーんえんえんえん(号泣)!

 

こうやってブログを書いているのにも、実は理由があります。

元卓球選手が、卓球のコーチも辞め、日本にも住んでいないとしたら、一体どうなると思います?

 

忘れ去られるんですよ。皆から。友人はおろか、親や親戚、姉妹にも。

 

だから、何かしらの手段(ブログを書くとか)で存在アピールしないと。

 

卓球王国さんから「そういうよこしまな理由でブログを書かれては困ります。辞退して下さい」と言われてしまう前に、よこしまな理由は上手く隠し通すことにして、何とか「卓球に関するネタ」でブログを書き、皆さまのご機嫌を伺っているしだいです。

 

そもそも、コメントの促し方も下手でしたね。

前回のブログでこのようにコメントを促しました。もう一度チェックをお願いします。

 

> あなたは何らかの決勝戦で「腹をくくらずに、負けたようなオーラを放ちながら、絶対的な自信が無い選手」が勝つシーンを、今までに見た事がありますか?

どのスポーツでも構いませんぞ。

……そうですか。そうですよね。無いですよね。しかし、私はあります。

1984年(私が生まれた年!)の映画「カラテ・キッド」もしくは「ベスト・キッド」のダニエルさんが空手の決勝戦でオドオドし、プルプルと震えながら戦って優勝したシーンはどうしても納得がいかないんです。

ねぇダニエルさん、あんた優勝するんだからさ、オドオドせずにもっと自信を持って戦ってくれません? ミスター・ミヤギも、ちゃんとそういうところまで指導をして欲しいんですけど。あなたの教え子、ずっとプルプル震えながら試合してるんですけど。良いの? 見ていて見苦しくありません?

これに共感出来る方、是非コメント下さい。

 

……そして、誰からもコメントが来ませんでした。

私の考えに、誰も共感出来なかったんですね。

つまり、皆さんはオドオド、プルプル震えながら戦った選手が優勝しても、納得がいくんですね。

 

昔から「いっちゃんって、ちょっと変わってるよね」とか「変だよね」とか、「あんた、バカじゃないの?」(←これは姉限定)と言われていましたが、やはりそうでしたか……。

いつもそうだ。誰も理解してくれないんだ。誰も共感してくれないんだ。

それでも別に良いんだ。こんな事で挫けないぞ。

イジケナイ、絶対に泣かないんだって決めたんだ! えーんえんえんえん(号泣)! (←本日2回目)

 

あれ? でもちょっと待てよ? (←両手でTの字を作りながら)

そもそも、1984年に出来た映画「ベスト・キッド」(英語表示では「The Karate Kid」)を皆さんは観た事がありますか? って話なんですよ。

 

皆さん、知らないでしょう? こんな映画。(←映画に失礼ですね)

 

ちなみに、私は2011年から日本を出てグアテマラへ行くまでは、「カラテ・キッド」なんていう映画は1ミリも知りませんでした。

グアテマラ人がしきりに「カラテ・キッド」などと口にしており、さすがに「はて?」とは思っていましたが、全然興味を持たず。

 

ペルーに住むことになり、ようやく「カラテ・キッド」の凄さが分かりました。

テレビに何回も「カラテ・キッド」が放送されるんです。「毎週」は言い過ぎにせよ、確実に毎月必ず、

「カラテ・キッド」

「カラテ・キッド2」

「カラテ・キッド3」

「カラテ・キッド4」

 

1から4までの「カラテ・キッド」シリーズがテレビで放送されています。

 

2010年にリメイクされたジャッキー・チェン主演の「ベスト・キッド」、英語表示では「The Karate Kid」も、たまに放送されます。

っていうか、ジャッキーさんの場合、空手じゃなくてカンフーなんですけど、どうして「The Karate Kid」って名乗っているのでしょう?
「The kung fu Kid」じゃないの?

だって、絶対におかしいでしょう? カンフーしてるのに空手と名乗るなんて! これに共感できる方は是非コメンt……あ、いや、あの、別に、何でもないです……。

 

映画「ロッキー」シリーズも「カラテ・キッド」に負けず劣らず、もの凄い放送回数です。

「ロッキー」

「ロッキー2」

「ロッキー3」

「ロッキー4/炎の友情」

「ロッキー5/最後のドラマ」

「ロッキー・ザ・ファイナル」

 

ジャッキー・チェンがリメイクした「ロッキー」はまだ放送されていません。

もしリメイクされるのであれば「ロッキー」ではなく「ジャッキー」になりそうですね。

 

ちなみにアニメ映画「カンフー・パンダ」シリーズ1、2、3もしょっちゅう放送されています。その度に私は旦那レンソのポヨンポヨンのお腹を

「ハッ! ハッ! ハァァ~~~、ハッ!」

などと言いながらカンフーの真似をして叩いているのでレンソが可哀相です。

 

それにしても、ペルー人はどんだけ「カラテ・キッド」が好きなのでしょうか? (ロッキーやパンダもだけど)

ペルーにはオキナワから来た日系人が多いからでしょうか?

隣国のエクアドルやコロンビア、チリではどうなんでしょう? ペルーほど「カラテ・キッド」が放送されているのでしょうか?

 

そんなくだらない話はどうでも良くて、来月12月13日から韓国・仁川で行われるグランドファイナルが待ち遠しい!」という私の考えに共感出来る人この指止まれ。早くしないと逃げちゃうぞ。まだまだ逃げない、まだ逃げない。……たぶんずっと逃げない。

 

あっ! あなた、この指に止まってくれたんですね! あなたが一番乗りですぞ! ありがとうございますありがとうございます! えっ? あ、あなたも? わっ! あなたまで! ご近所のワンちゃん、ネコちゃんまでこの指に止まってくれた……。み、みんな……ありがとうありがとう……。

わーい! 初めてみんなが共感してくれたよ~!

私なりの試合に対する心構え

(今回は長文注意です)

 

ペルー人の旦那レンソがラテンアメリカ大会マスターズの部に出場してきました。

会場はチリの首都サンティアゴ。私はペルーでお留守番です。

各国から集まった218名の参加者の内、チリ人参加者は150名。他ラテンアメリカ国からの参加者は68名。実に、4分の3がチリ人(泣)!

チリは物価が高く、大会参加費もいつもの2倍を徴収。「こんなにお金がかかるなら出ない」と参加を断念する人も多かったそうです。

旦那のレンソは各国に友達が沢山おり、マスターズ大会には友達に会うためにほぼ毎年参加しています。

団体戦、ダブルス、ミックスダブルス、個人戦があります。

レンソはペルー人の友達と団体戦とダブルスに出場する予定でしたが、大会の一週間前に友達が仕事の都合でまさかのドタキャン。

しばらく途方に暮れていた旦那でしたが、それでも現地でダブルスパートナーとなってくれるチリ人の友達を見つけ男子ダブルスに出場。

0‐3で負けた相手が優勝し、ミックスダブルスでも2-3で敗れた相手が優勝したそうです。

2年前の同じ大会でレンソは見事優勝しており、「今回も頑張ってね!」と励ますと

「チリ人のレベルが高すぎる……もしかしたら予選リーグで負けて、決勝トーナメントまで進めないかもしれないし……足首も何だかすごく痛むし……あんまりやる気が起きない……イズミに会いたい……もう、ペルーに帰りたい……」と泣きごとを言うので電話越しに

「何だとコノヤロウ、テメー! 甘ったれた事言ってんじゃねぇーよ! せっかくチリにまで行って、高い交通費と高い参加費と高いホテル代まで払ってるんだから、ごちゃごちゃ言ってないで試合に向けてアップでもしてろってんだよえエェ~?」

と暴言を吐かずにグッと堪えました。

何故ならそんな事を言った瞬間に拗ねるか、もっと駄々をこねるか、怒るか、いかに私の聞き訳が悪いかを説くか、もしくは言い訳を並べていかに自分が不憫な状況かを説明するに決まっているんですもの。

「心配しないで。やるだけの事をやればいいんだからね。一生懸命試合して、100パーセントの力を出して、それで負けたらしょうがないじゃない。あんまり気負わずにさ、久しぶりに各国の友達に会えて嬉しいでしょ? もう、それだけで良いじゃん」と励ますと、

「うん、わかった。それじゃあ、今からユニフォームに着替えてくるね。バイバイ」と言われ、電話が切れました。

私はすぐにレンソにメールを送りました。

 

1、試合に集中する事

2、ミスをしない事

3、「自分は出来る」と思うこと

4、試合中に自分がどうやって点数を取っているのか、どうやって点数を失っているのかを理解する事

5、自信を持って!

6、愛しているわ

 

以上が私なりの試合に対する心構えです。 ※6 を除く

ちまたでは水谷準選手や張本智和選手、平野早矢香選手、近藤欽司監督の本やDVDなどが発売されていますので、ちゃんとされた方はそちらをご参考になさって下さい。

今から紹介する「私なりの試合に対する心構え」を真似されたブログ読者の方から「オメーのやつ真似してから全然勝てなくなったんだけど、どうしてくれんの? 責任とってくれる? 損害賠償金請求するよ?」と言われるのが怖い(泣)。私、怖いの。

 

1、試合に集中する事

もうね、当たり前の事なんですけど、意外と出来ていない人が多い。試合を何だと思ってるんでしょうか? 集中力が切れた瞬間、「すでに負けた」ようなもんなんです。だって、試合は殺し合いみたいなもんですからね、大げさに言ったら。

生きるか、死ぬか。殺(や)るか殺(や)られるか。でしょ?

例えば武士ですよ。集中力のある武士と、集中力のない武士が戦ったら、どちらが勝つと思います?

「やっべー、今日、俺が大好きな加奈ちゃんが見に来てくれてるじゃん! 良い所見せてやっぞ~!」なんて言っている隙に刀でズバッですよ。

他に例えるとしたら氷河時代のヒトとサーベルタイガーの戦いでしょうか。

「なんか今日も寒いなぁ。手足も動かしづらいし、昨日あんまり眠れなくて寝不足だし。こういう日って何にもヤル気起きないんだよね~」とか言っていると、サーベルタイガーと出くわします。

「ヤッベッ! ちょっと待ってよ! サーベルさん……もう、分かったよ! 戦うよ! 戦いますよ! でもちょっと待って、ちゃんとウォーミングアップしてなかったから身体がまだ温まってないんだよね。っていうか、今日は何だかお腹(もしくは頭)が痛いから無理。今日は集中出来ない日っ!」

などと言い訳を言う前にバクッですよ。もしくはガッ!

または遠い未来、宇宙戦争で異星人との戦いのシーン。

「やっべー、今戦っているアウタカパイム星人に勝ったら、次の対戦相手はナゲマスオイオッツ星人とじゃん! あいつの連続チョップ、すげーんだよな~」とか言っている間にアウタカパイム星人にショッって一瞬で溶かされますよ。

いかに集中力が大事か、皆さんお分かりいただけましたでしょうか? 試合中に必要な集中力は、もやは「生きるか、死ぬか」のレベルなんです(泣)。

 

2、ミスをしない事

これも本当に当たり前なんですけど、ミスしたら点数が相手に入ります。ルール上。今のところ。だから、ミスはしたらダメなんです(泣)。それなのに、どうして無理に強く打ってミスして、そしてまた無理に強く打ってミスするの?

時に無理は必要だよ? 強く打つのも別に構わないよ?

でもね、ミスするのはダメだよ。

「じゃあ全てのボールを強打せずにフワフワと相手コートに返せば良いの?」と言い返してくるひねくれた選手や誰かの旦那(ペルー人)もいますが、相手コートにフワフワ返してたら強打されて失点するのは分ってるんでしょ? そんなのダメに決まってんじゃん。

いや別に、フワフワで相手がミスしてくれれば良いんですけどね。

自分が打つボールのスピードの強弱やコート配分、回転の変化の駆け引きが必要。そして、ここで言う「駆け引き」と言うのは「自分がミスしないで打てて、さらに相手はそれに対してミスしてくれるかどうか?」という、さじ加減です。

 

3、「自分は出来る」と思うこと

「作戦を立てる事が出来て、それを実行できる技術があり、自分はそれが出来ると信じる」こと。

コートに立ったらねぇ、「出来るか、出来ないか」じゃないんですよ。「やるか、やらないか」なんですよ。いや、「やるしかない」んですよ。

「でも、私はこの技術は練習した事無いし、出来ません。やれません」と試合中に言ったらコーチもしばらく黙ってしまって「……うむ……出来ないのであればしょうがないな。だがな、だったら出来る範囲で勝つために何かやれ!」とゲンコツの一つでも喰らうに違いない。

緊張のあまり、大事なところで精神的に逃げてしまうタイプの方にも「自分は出来る」と思って頂きたい。

例えば、「この場面ではストレートに速いサービスを出して相手の意表をつくことが出来るけれどもサーブミスしても怖いし、ここは慎重に短い下回転サービスでも出しておこう」と精神的に逃げたとしても、そういう時はサービスも甘くなり、相手からレシーブスマッシュを喰らうんです。大体そうなんです(泣)。

「今はこの作戦と技術が必要だ」と判断したら自分は出来ると信じて実行してほしい。もしそこで一点を失ったとしても「逃げたくなる場面でも、私、出来たよ!」という自信にもつながり、その一点で負けたとしても「やる事はやって負けたからしょうがない」とすっきりした顔で相手と握手が出来るに違いない。

 

4、試合中に自分がどうやって点数を取っているのか、どうやって点数を失っているのかを理解する事

例えば「この人に勝つためにはフォア側を狙おう。たまにミスもするし、バックの技術は上手いからなぁ。

相手のサービスはなるべくツッツキで返さないようにしなきゃ。もしミスせずにツッツキでレシーブ出来たとしても、確実に3球目攻撃されて、それに対して私はミスばかりしているからね。

自分のサービスの時は短い下回転と長い下回転を織り交ぜ、たまにアップ系の横回転サービスを出し、3球目はストレートに回転をかけるかクロスにスピードスマッシュを打ってから5球目はフォア側に集める作戦にしよう」

私がこのような作戦を持っていても、相手も黙ってはいません。

相手の考えはこうです。「やつのバック側にネチネチと回転の多いドライブを粘って打ってやろう。フォアに打つとたまにカウンターされてこちらがミスするからね。もしチャンスがあればスピードドライブで両サイドに鋭く打つ。バック側へ粘り過ぎたら相手が回り込んできてフォアのカウンターを喰らうからね。

レシーブをツッツキで返さないようにしているのはお見通しなんだよ。ハーフロングギリギリの低いブチ切れの下回転サービスと、たまにナックル系のサービスを出してやる」と言ったように、台を挟んでこのような「作戦」が繰り広げられます。

「心理戦」もしかりです。高いレベルになるとこの「心理戦」が面白いんですよね。だから卓球っていうスポーツは面白いんですよ。 (←知ったような風)

「ここでは相手は思いきり打っては来るまい」と思っていたら、思いっきりガンガン打って来られた時の衝撃とか、相手は派手に攻撃してこないけれど、一点一点確実に点数を取られてしまう「こちらの焦り」と、あちらの「信念」が見受けられた時の恐怖

「この場面では絶対に安定したプレーをしなければならないから変化を付けたブロックで粘り、絶対にミスをしないようにしよう。浮いてきたボールはこちらがチャンスだと思って打ってミスしたのが2回もあったから、次にチャンスボールが来ても強めに打たずに逆コースを突いてやる。絶っ対に落ち着け」とか。

「相手はそろそろ長いアップ系のサービスをバック側に出してくる頃だな。よし、準備しておこう」と準備しているのになかなか出してこないので油断したらまさにその時に出されて「チクショー!」と自分に腹を立てそうになるのを冷静な自分がなだめ

「カッカしたら余計にダメでしょ? ここは落ち着いて。相手には『このサービスは実は待っていたんだよ』とちゃんとアピールして、相手に『おっ、さすがに奴はそろそろこのサービスを警戒している様子なので出すのを控えよう』と誘導しよう。これも心理作戦だ!」とか。

……書いていて何だか良く分からなくなってしまいましたが、つまり、そういう事です(泣)。

 

5、自信を持って!

つまり、腹をくくれということですよ。言い訳を探さない。

もう、コートに立ってるんだからさ、戦うしかないじゃん?

試合で負けたって、死にはしないんだし。あれだけ一生懸命に練習してきたんでしょ?

え? ちゃんと練習してこなかったですって? そりゃ自信無いに決まってるわ! そんなんで自信持たれても困りますわ(←急に関西弁)! 今すぐこの神聖なコートから出て行け!

この「腹をくくる」感じが「勝つ人のオーラ」なんだと思います。そしてそれが「絶対的な自信」に見えるんです。

 

あなたは何らかの決勝戦で「腹をくくらずに、負けたようなオーラを放ちながら、絶対的な自信が無い選手」が勝つシーンを、今までに見た事がありますか?

どのスポーツでも構いませんぞ。

……そうですか。そうですよね。無いですよね。しかし、私はあります。

1984年(私が生まれた年!)の映画「カラテ・キッド」もしくは「ベスト・キッド」のダニエルさんが空手の決勝戦でオドオドし、プルプルと震えながら戦って優勝したシーンはどうしても納得がいかないんです。

ねぇダニエルさん、あんた優勝するんだからさ、オドオドせずにもっと自信を持って戦ってくれません? ミスター・ミヤギも、ちゃんとそういうところまで指導をして欲しいんですけど。あなたの教え子、ずっとプルプル震えながら試合してるんですけど。良いの? 見ていて見苦しくありません?

これに共感出来る方、是非コメント下さい。

 

夜、レンソから電話がかかってきました。

「予選リーグ、二位で通過したよ! ただ、負けた相手に、本当は負けないはずだったんだよね……。本当は勝てたんだけどさ、昨夜チリ人の友達たちと2時位までビール飲んじゃったから、絶対にそれで負けちゃったんだよ……

なんでビール飲んじゃったんだろう?

……ところで明日は夕方の5時から試合だから時間もかなりあるし、今から(夜の10時)また友達とビール飲みに行っても良い?」

「は? ダメに決まってんじゃん」

 

決勝トーナメント当日、レンソから電話がかかってきました。

しばらく話していましたが、なんだかハキハキした感じだったので「もしかして……、トーナメント一回戦、勝ったの?」と聞いたら「いや、負けたよ。負けたけど、良い試合だった。もっと簡単に負けるかと思ったけど、1-3で負けたよ。9-11とかだった。相手も少しビビってたみたいだし。今年はこれで終わりっ!」

嗚呼、良かった。旦那レンソは一生懸命に闘ったんだ。前日にビールも飲まなかったし、「やる事をやって負けたんだからしょうがない」とすっきりした顔で相手と握手したに違いない。

海外での防犯方法

日本のニュース(NHK)で「中米で二人の女性が襲われ、一人が死亡、もう一人も重傷を負った」と知りました。「中米の何処の国だろう?」

まさかのグアテマラでした。私が4年間住んでいた国。今でもJICAボランティアの方が活動されています。

被害に遭われた「エホバの証人」の普及活動をされていた二人の女性は本当にお気の毒で、心からお悔やみ申し上げます。

 

私がグアテマラで活動していた当時、「エホバの証人」に出会ったことがありました。二人組の女性でした。

「この国には貧しい家庭が沢山ある。藁で作ったような家に住み、今日食べる物も無い。兄弟も多く、生まれてきた赤ちゃんが亡くなってしまうのも私たちは目にしてきた。

この地域の貧しい人たちのお手伝いをしているんです。神様の教えを伝えながら。あなたもこの聖書、読んでみてください。スペイン語版しかないけど……」 (←地味に勧誘してくる)

旅費や生活費はどうしているのか聞くと「日本でアルバイトをしてお金を溜めて、旅費とこっちでの生活費に充てています。それを繰り返しています」と教えてくれました。

「それを繰り返しています」って。……なんか、もう、凄いですよね。自分で稼いだお金を、全て人の為に使っているんですよ。 そして、信じる宗教の普及の為に。あれ? あなたはもしや、マザー・テレサですか?

彼女らはとてもパワフルで明るく「なんか、すげぇなこの人達……」と圧巻されたのを覚えています。

そんな彼女らのシスターがグアテマラで殺害、襲われたと知って本当にショックを受け、悲しくなりました。っていうか、何でそんな人たちが襲われなきゃいけないの? 犯人、地獄行き決定。

 

ペルーのニュースで二人組の男が強盗をする瞬間の防犯カメラの映像が放送されました。

防犯カメラって、「犯罪」を「防ぐ」と書いて「防犯」なんですよね?

なのにどうして「まさに今犯罪中」の出来事をボケーっと映しているの? 防いでみなさいよ、あなた「防犯カメラ」なんでしょ?

防犯カメラに映っていたのは、黒い服を着た二人組の男。

一人が胸に十字架を書いて神様に祈る仕草をした後、そこに通りかかった一般人に襲い掛かりました。あれ? ちょっと待って?

今、胸に十字架を書きましたよね? 教会で信者がよくやる「アーメン」っていう仕草。

あなた、強盗でしょ? 人から物を盗む前に、「おお神よ、無事に強盗が成功いたしますように……アーメン」って祈ったの? で、神様は何て言った?

「迷える子羊よ、お主の願いを叶えてやろう」とでも言いました? 絶対に言いませんよね?

それとも「おお神よ。今から私は強盗を図りますが、わたしたちに負債のある者をゆるしましたように、わたしたちの負債をもおゆるしください」とでも祈ったのでしょうか? それって、神様許してくれるの?

 

JICAボランティアの2ヶ月間の研修中、「安全対策」という授業がありました。「発展途上国は犯罪、交通事故や自然災害等も多いです。被害を受けないよう、しっかりと学んでください」

授業が終わると講師の先生から「パプアニューギニアとグアテマラへ行かれる隊員の皆さんはこちらに来て下さい」とマイクで呼ばれました。

「この二国は年間殺人人口が世界で1位と2位なんです(当時)。あなた達には特別に個別アドバイスしますね」と直々ご指導受けました。

 

「良い服装を身に付けないこと。わざとみすぼらしい格好をする。靴もサンダルとかがベスト。カバンもスーパーで貰えるビニール袋を使うこと。変な人がいたら逃げる。もし強盗に遭ったら絶対に抵抗しない事。殺されるからね

 

チビリ上がった私は先生の教えを「家訓」のように徹底しました。グアテマラでの生活は常にサンダル、ビニール袋をぶら下げて、時にはノースリーブで町を闊歩し、金目の物は持ち歩かない。

この国では絶対に目立ってはいけないんです。「こいつを襲ってもメリットなんて一つもねーよ」と思わせる事が肝心。

「こいつ……、空手出来そうだな」と思わせてもイケない。なぜなら相手を身構えさせてしまうから。ていうか、空手なんて出来ませんし。組手を組まれたら一瞬で気絶する自信がありますよ。

一番良いのは人畜無害。他に何の影響も及ぼさないような、平凡で取り柄のない人になること。

そうは言ってもここは中米グアテマラの小さな町。アジア人女性がノースリーブで町をウロウロするだけで目立ってしまいます。

「ニーハオ!」「アニョハセヨ!」「カラテ!」という言葉を投げかけられ、いつも「カラテ!」だけにニコリと笑って反応するので「コイツは空手家かな? 空手家の子かな?」と思わせてしまったかもしれません。そしてこのムキムキな二の腕。

町の人はこのアジア人をまさか卓球のコーチだとは夢にも思わなかったはず。

当時のJICA調整員のお兄さんにも言われました。「西田さんすごく太った時期があったやんか? その時に西田さんノースリーブ着とったから目の行き場所に困ったわ(笑)」

 

どうして目立っちゃうかな。目立っちゃダメなのにな……(泣)

 

 

しかし生物学上、そして戸籍上は一応「女」です。男性が変な気を起こさないように日々厳重に注意をしなくても全然大丈夫な顔立ちと身体つきですが、世の中には「変なのが好き」という変わり者が存在するらしく、グアテマラ在住中何度かそんな事も起きかけました。

しかし、ここは二の腕の西田泉。もし突然男性に押し倒されても「この二の腕が黙っちゃいないゼ!」と言うかと思いきやこの二の腕、全て見せかけですから(泣)。全然役に立ちませんから(泣)。

幸い、何事もなく今もこの通り無事に生きています。良かった。本当に良かった。男性の皆さんが変な気を起こさない顔立ちで。身体つきもグラマーでなくて。

お父さん、お母さん、お陰で私は無事です。

もちろんサンダル、ビニール袋、ノースリーブ姿も一役買っていたと確信しています。

 

皆さま、外国は本当に危険なところです。悪い人も沢山います。もし海外旅行などへ出掛ける際にはサンダル、ビニール袋、ノースリーブは必需品となりますので、くれぐれもお忘れのないよう。

教え子のカップケーキ

コーチを辞めてしばらくしたある日曜日。教え子だったお母さんから突然電話がかかって来ました。

「ゴホッ……もじもじ、イズミコーチでずが? ゴホッ。〇〇の母でず。突然でずが、ゴホッ、今がらお宅に伺ってもよろじいでずが? ゴホンッ!」

お母さん、風邪でしょう? 大丈夫ですか? すっごい鼻声ですけど。

家に来ても良いですけど、その風邪、うつさないで下さいね?

 

ザ・風邪引きのお母さんと教え子の女の子14歳、そのお父さんまでが家に来ました。

あのー、お母さん。家で寝ていた方が良いと思うんですけど。目とか鼻とか真っ赤ですよ?

「ゴホッ、イズミコーチ、元気でしたか? コーチを辞めたと伺いましたので……ゴホゴホ」

「えぇ、まぁ、この通り生きてますよ。わざわざ様子を見に来て下さりありがとうございます」

「いえいえ、こちらこそ、ゴホ、うちの娘がコーチには大変お世話になりまして、今日はそのお礼に参りました。ゴホ、ほらっ、むすめっ」

「あっ……イズミコーチ……今まで色々教えて下さりありがとうございました」

教え子が私のために焼いたというカップケーキを渡してきました。

私がコーチを辞めてからの練習状況や、心配事、これからの事など色々と1時間ほど話しをしていると、こんな話になりました。

「彼女の頭がとても良い」ということ。噂では聞いていました。

去年の成績は学級1番。今年はパンアメリカ大会18歳の部や南米大会15歳の部で学校を何週間も休んだのに、2番か3番をキープしているという。

お父さんもお母さんも「私たちは普通なのに、この子は一体、誰に似たんでしょう? こんなに頭が良くて……」と、何故か心配気味でした。

あのー、自慢じゃないですけどね、私が14歳の頃なんて「どうしてアンタは……アンタって子は……。一体誰に似たんでしょう? それとも、私たちの育て方が悪かったのかしら?」と心配された事なんて数えきれないほどありましたよ。っていうかですよ? 娘3人もいりゃあ、一人くらい欠陥があってもおかしくないでしょう? 長女は何事も初めてだから両親も慎重になりますわな。私が一番かわいかったであろう3歳の時に生まれた末っ子。親は年を取るとなんでもかわいく見えるのでしょうか? 小さいくせに要領も良いので、なんでも「かわいい、かわいい」と育てられ、「お姉ちゃんたちのお下がりなんか古臭くて着たくない! なんか汚いし、破れてるし。だから、新しいの買って!」というわがままでさえかわいいと思わせる小悪魔ぶり。服を汚したり破いたのはおそらく次女である私の仕業なのでしょうが、子供の服っていうのは汚したり、破けたりするもんじゃないの?

それにしても、教え子の頭の良さ……本当かなぁ? (←教え子を疑ってみる)

っていうか、そんな事って、許されるの?

成績優秀。卓球も弱くない。顔もなかなか可愛い。弟想いで優しいお姉ちゃん。控えめな性格でおしとやか。礼儀正しい。時間がある時は英語の小説を読んでいます。

欠点なんて無いんじゃないのかしら? 探してみましたら、「ラケットのグリップが異様に臭い」くらいしか見つかりませんでした。

この子、14歳のくせにもう大学の事を考えていて、ペルーの国立大学(日本でいう東京大学)に入学したいのだという。もしくはアメリカのハーバード大学。

夢は「宇宙飛行士もしくはその関係性のある仕事」だそうです。スケールが……デカすぎる(泣)。

そんな女の子に私は今まで何だか偉そうに卓球の指導をしていたけれど、……罰は当たらないよね?

「それでは、イズミコーチ、御身体に気を付けて」

「○○ちゃん、これからも卓球頑張ってね! あと、勉強の方も」

「さようなら、さようなら~」

 

バタン (←ドアが閉まる音)

 

「レンソ~、レンソ~、お菓子貰ったよ~」

「わーい」

寝室でテレビを観ていたレンソが飛んで出てきました。

「美味しそうだねぇ~」

早速カップケーキを一人2個づつたいらげました。

ほんのりとトウモロコシの甘い味がする。とっても美味しいな。嬉しいな。優しい味がするよ。これを食べた事で、あの子の頭の良さ、少しはあやかれるかな?

翌日、レンソが起きる前に、残りのカップケーキを一人で全てたいらげました。

無心になってモシャモシャ、モシャモシャ……

 

ハッと我に返った瞬間、びっくり仰天!

 

あれっ? ここにあったカップケーキが無い!

 

一体、誰が食べたんだろう? ヒドイ! 私が味わって食べようと楽しみにしていたのにー!

……あれっ? このカップケーキを食べたのは私かな? 口の周りにケーキのくずが付いているよ?

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