私「卓球競技の入場チケットが完売だなんて、誰がそんな噂を立てたんだろうね(半笑い)。今日はチケット売り場で直接買おうっと!」
旦那「でも……卓球競技のチケットは完売だって言ってるよ!」
「何言ってるの? 昨日は普通に買えたじゃん! そもそもみんな大げさなんだよ。ペルーで卓球競技のチケットが完売になるわけないじゃん(笑)」
旦那はお仕事だったため、私は一人で息子を連れてタクシーに乗り、会場へ。
会場のチケット売り場にて。
「卓球競技のチケット大人一人、子供一人分ください」
「売り切れましたよ」
「いやいや、売り切れましたよとかじゃなくてですね。卓球競技のチケット大人一人、子供一人分くださいって言ってr」「売り切れです。完売です。売れませんよ無いんだもんチケット。水泳だったらまだ有りますよ!」
嗚呼、途方に暮れるとは、こういうことなんだなぁ……
あれ? 息子、こんなに重かったっけ?
タクシー降りてからずっと抱っこしてるんですけど、とにかく息子が重いの。ああ分かった。オムツとか着替えとかが入ったマザーズバックを片肩に掛け、今日も寒いからと厚着したコートがここぞとばかりにかさばり、機嫌が悪くなった息子がぐずぐずと泣き始め、抱っこする体勢もどんどん悪くなり、帰りのタクシーを呼ぶために携帯電話をポケットから出して……
泣きたい。お母さんも泣きたいよ……。
すると、天使という名の警備員のお兄さんが私に声をかけてきました。
「卓球競技? チケット一枚持ってるから売ってあげるよ!」
「えっ? マジっすか? ヤッター!!! 人生、捨てたもんじゃないよね! ……で、息子の分は?」
「チケット一枚しかないんだよね……」
「意味ねー! 天国かと思ったら地獄に突き落とされたわー!!! お前は天使と見せかけた悪魔じゃー!!!」(←絶叫)
でも、もしかしたら、もしかするかも……と、もう一度チケット売り場まで行き、「卓球競技のチケットは本当に売り切れたのですk」「ないです」
「全くもう! さっきも言ったでしょ?」というような目つきで見られたので、その場を逃げるように立ち去りました。
そして私は息子と一緒にワンワンと泣きながらタクシーに乗って家に帰ったのでした。
旦那「卓球競技のチケット、完売って言ったよね?」