カテゴリー別アーカイブ: ペルー 卓球

一心チャレンジ ~俺はペルーで頑張るぜ!~

「アシスタントを辞退し、個人レッスンだけで生活してみたい」

 

きっかけは14歳の男の子との出会いまでさかのぼる。

 

サッカーボールを手に、泥だらけのユニフォーム姿。ガムを噛んでいた少年が初めて一心くんに会った時にこう言ったそうです。

 

「よう、中国人」

 

彼の名をマルティン。

オーナーの渡辺くんからマルティンの担当を頼まれた一心くん。

案の定、遅刻をしてくるは練習は真面目にやらないはでずっと手を焼いていた。

しかし、一心くんは彼と真摯に向き合いぶつかり合い、次第に心を通わせていった。

日本に帰る予定だった最後のオープン戦で、マルティンは予選リーグで敗退。そして、涙ながらにこう言ったそうだ。

 

 

「真面目に練習をしてこなかった今までの自分をぶっ殺したい」

 

 

一心くんは思った。「こう言ってくれたマルティンをこのまま残して俺は日本に帰っても良いのか? コーチとしても、選手としても、このままペルーを後にして、後悔はしないだろうか?

アシスタントを辞めて、個人でやっていくには渡辺さんに迷惑をかけてしまうかもしれないけど、僕は……」

一心くん(中央)とマルティン(右) ※写真掲載許可済み

 

マルティンだけではなく、他にも色々ときっかけはあったそうですが、最終的に個人でやっていくことに決めました。

 

「俺、一心、19歳。俺はペルーで頑張るぜ!」と張り切っていたらパンデミックがやってきました。

 

~続く~

「自分が差した手が最善手」

ペルーに残ると決め、お母さんは心配で心配で夜も寝られなかったというのに(その分、昼寝はしていたけど)、それでもその決断が最善手だったというお話をします。

 

「自分が差した手が最善手」

 

他人からしてみれば「え~、それは違うでしょう!」と思う事があっても、本人はその時に、その人なりに考えてベストの一手を打つ。もし、確かにそれが間違っていたとしても、もう打ってしまったのなら後には戻れない。そしたら後悔せずに、次の一手に集中する。

将棋を指している間はどんどん次のことを考えないと次に進みませんからね。くよくよしている時間はなく、次の一手を考えるべき。

これ、人生にも置き換えられますよね。

 

一心くんはアシスタントの報酬として月収850ドル(ペルーの最低賃金は月約$295なので、ペルー現地にしたらかなり高い方!)+日々のホテル+往復航空券+用具補助+語学サポートをオーナーの渡辺くんから受けていたそうです。

 

この報酬を見る限り、結構良い待遇だと私は思うのですが……

 

一心くんは日本に帰ろうとしていたのにペルーに残ると決めた上に、オーナーの渡辺くんにこんな提案をしたそうです。

 

アシスタントの辞退。

 

えっ? アシスタントを辞退?

 

一心くん、一体、どうして……。

 

それも、その決断が「最善手」なの?

 

~続く~

ペルーに残った理由

ペルーの空港に居て、後は飛行機に飛び乗るだけで日本に帰れたのに。

オーナーの渡辺くんが用意してくれていた航空チケットを無駄にしてまで一心くんがペルーに残りたかった理由は、「オープン戦で負けた試合が悔しくて、リベンジしたかったから」だそうです。

 

「ペルーで負けたんだから、ペルーでリベンジする!」 by 一心

 

これ、映画化とまでは言わないけど、小説、漫画くらいにはなるんじゃない?

 

でも、もし私が一心くんのお母さんだったらとしたらこう言っていたでしょう。

 

「何考えてるの? このバカ息子っっ! そんなこと言ってないで、早く日本に帰ってきなさい!」

 

だって、大事な大事な、お母さんのかわいいかわいい一人息子なんですよ?

お母さん、心配で心配で、夜も寝られないんだからっ! その分昼寝はするけどねっ! 

しかし、将棋の世界ではこんな言葉があるそうです。

 

「自分が差した手が最善手」

 

~続く~

「やっぱりペルーに残ることになりました」

一心くんがペルーに来て、卓球のアシスタントを始めたのは2019年の8月。

 

7か月の活動を終え、今年2020年2月に行われたオープン戦の翌日、一心くんは日本に帰る予定でした。

 

「明日一心くんが日本に帰るので、朝の7時に空港まで迎えに行ってくれますか?」とオーナーの渡辺くんからお願いされていました。

 

「朝の7時に空港か……。ちょっと早いな。朝ちゃんと起きて、空港に迎えに行かなくちゃ!」と、その日は早めに就寝しました。

 

すると当日の早朝「やっぱりペルーに残ることになりました」というメールで叩き起こされました。

 

え? ちょっと待って?

 

「やっぱりペルーに残ることになりました」っていうメールは……幻覚?

夢か……まぼろし? 私はきっと寝ぼけているんだよね? どう考えても、夢だよね?

 

 

え? 日本に帰る直前に「やっぱりペルーに残ります」って何それ!

 

彼は空港に居たんですよね? 後は飛行機に乗るだけだったのに!

 

なんてドラマチックなの?

 

映画化して欲しいの?

 

っていうか、渡辺くんが買ってくれていた航空チケット、無駄にしちゃったね。

 

皆さん、一心くんがペルーに残る決め手、一体なんだと思います?

 

~続く~

コロナウィルスで卓球の話題から遠ざかっていましたが

皆様、大変お久しぶりでございます。

西田泉、ペルーで生きております。

 

前回のブログで、『ペルーはコロナウィルスの為、28日間、外出禁止~!』等と書いていましたが、外出禁止解除日が伸びに伸びて、

 

結局107日間も外出禁止でした。

 

3月16日から7月30日まで。

 

こんなにも外に出られないと、いざ外に出る時に右足から踏み出すのか、それとも左足から踏み出すのか忘れてしまいますよね。

 

外出禁止になっても1歳3か月になる息子のお世話は無限ループで続き、オムツ替えではお尻丸出しの息子の後を追いかけまわしている毎日。

 

さて、コロナウィルスで卓球の話題から益々遠ざかっていたわたくしですが、最近ビックニュースがありました。

 

ペルーの卓球クラブでアシスタントとして働いていた鷲尾一心くんが、日本に帰国されたのです。

 

JICAボランティアで活動していた深田貴広さんもコロナウィルスの影響で帰国され、遂には鷲尾一心くんまで……。

 

今回は鷲尾一心くんに関するネタで、皆様のご機嫌をお伺い致します。

 

どうぞお付き合いください。それでは、はりきってどうぞ!

東京オリンピック VS コロナウィルス

東京オリンピックボランティアの件ですが、見事に合格してたんですけど、コロナウィルスのせいでオリンピックが一年延長になりましたね。

 

日本はまだ外出できると思いますが、ペルーでは食料品や薬の購入、その他の必要なこと以外の外出は禁止されています。

 

しかも、夜の8時から朝の5時までの夜間外出が絶対禁止になり、いつもは騒がしいリマの夜も、この時ばかりはとても静かです。

 

しかし、どこの国でも天邪鬼な人がおりまして、外出禁止なのに外出し、警察のお世話になる人が多発しているとのことです。

 

 

このように、一部の国では外出禁止令が出ているのでたとえオリンピック出場決定選手だとしても練習をすることが出来ません。

 

練習どころか、ウィルスにかかっている選手もいるかもしれません。

 

そんな中で通常期間中にオリンピックを開催するなんて不公平にもほどがありますよね。

 

私は来年の期間変更に全面的に賛成します!

 

早くウィルスが無くなりますように!

「あなたは選手ですか?」という問いに、「イエス アイアム」と答えていたら、一体どうなっていたんだろう?

3月4日~8日まで、南米大会ジュニア・カデットの部がペルーの首都リマで行われました。

昔ナショナルチームで教えていたカットマンの男の子がカデットの部のダブルスで優勝しました。

 

続く10日~14日にジュニア・カデットワールドサーキットが同会場で行われました。

 

そして本日14日の最終日、今日も子供たちの試合を見に行こうと会場の入り口でタクシーを降り、折りたたんであったベビーカーをセットし、そこに10ヶ月になる息子を乗せ、「卓球の試合を見に来ました」と入場の許可を得ようと足踏みしていたところで2人の警備員さんが困惑した顔でこんな事を言ってきました。

 

「……あなたは選手ですか?」

 

パードゥン?

 

あの~、どこをどう見たら私が選手に見えるんですか?

 

え? 髪型? 短いから?

 

え? 爪?

 

毛穴?

 

鼻の穴の形?

 

ジュニアとカデットの大会なので、一番年取ってる選手でも18歳なんですけど!!!

 

あれ? でも私は永遠の17歳だからぎりぎりオッケーなのかな?

 

まぁ、偽りの(本当の)年齢が17歳だとしても、私が選手な訳がないでしょうがっっっ!!!

 

「違います。私は選手ではありません」と言ったら「今日は観客なしの試合なんだよ。中に入れるのは選手とコーチだけ。家族も中に入れません」

 

「ガーン(白目)! なるほど、コロナウィルスの影響ですね。日本大使館から届いたメールによると、ペルー保健省の発表によるとペルーにも感染した人が3月13日㈮8時30分の時点で28人居るそうですね。ペルーでも学校・大学は3月31日まで休校ですし、無観客というのもしょうがないですよね」

 

サンサンと太陽が降り注ぐ中、40分かけてタクシーに乗ってきたのにまたすぐに帰るタクシーを待ちながら私はこう思った。

 

「あなたは選手ですか?」という問いに、「イエス アイアム」と答えていたら、一体どうなっていたんだろう? と。

息子のラケット

会場をうろついていると、「息子はもう卓球を始めたのか? ラケットは持っているのか?」と会う人会う人全員に聞かれましたが、

 

卓球始められるわけがないでしょう、まだ9ヶ月なんですから!

ラケット持たせたらペロペロしてチュパチュパしてガジガジしてポイッですよ!

 

大会期間中、私が息子を抱っこしていると、息子が「それを俺に触らせろ」と旦那のラケットをおねだりしてきたので与えると、すかさず2回も落としました。

 

そしたら私がレンソに怒られました。

 

私が落としたわけじゃないのに!

 

なんで?!

 

結構本気で怒られてちょっとビックリしましたが、もし旦那が息子を抱っこしている時に息子が私のラケットを落としたらあれかな、離婚を考えるかな。

 

 

息子用のラケットとして、とりあえずこれを持たせています。

そう、皆さんお馴染みのしゃもじです。

青森山田高校時代、試合で旅館に泊まった時、夕飯の時にしゃもじでご飯をよそっていたらしゃもじが折れたことがあります。

 

左手で持ってますね。レシーブの構えでしょうか。両腕をハの字にしている辺りが、森園政崇選手みたいで強そうですね。教えなくても出来るなんて、天才ですね。

 

おまけ。

「パンくれ~」

おしっこをぶちまけたところで昼寝

オープン戦は8日間続きました。

主催したフアン23中学校は、ペルーにある「中華系キリスト教の中学校」。

中華系というだけあり、中国人が多く通っている中学校です。レンソは何故かそこの中学校出身でした。中国人でもないのに。

 

参加国はペルー、エクアドル、チリ、アルゼンチン、ブラジル、キューバ、ベネズエラ、中国そして日本。

 

レンソは40代のダブルスで優勝、団体戦では2位でしたが、個人戦は30代の部と40代の部ともに決勝トーナメントで敗れました。

 

今回、一番大変だったのは息子のお守りでした。

 

どうしてベビーカーなど持ってきてしまったのでしょう。ベビーカーに乗せようとしただけで嫌がって泣くのに。

 

ずーっと抱っこしていたら、卓球であんなに鍛えたはずの左腕が悲鳴をあげました。

旦那のベンチコーチをしつつ、その試合をビデオで録画し、途中でおっぱいをあげ、泣いたらあやし、おむつを替え、眠たくなったら寝かしつけました。

 

「母は強し」っていう言葉あるじゃないですか、その言葉、今使っても良いですよ。

 

体育館に面したところに保健室があったのが幸いでした。

保健室に何故か赤ちゃん用のおむつ替えベッドがあり、「これ幸い」とおむつを替えていたら、私の赤ちゃんはそこにおしっこをぶちまけました。

翌日はそこで気持ちよさそうにお昼寝。

リマのオープン戦にいた日本人たち

ペルーはリマのオープン戦にいた日本人たち、集~合~!

「キャー! 一人だけめっちゃ可愛い子がいるんですけど~!」

 

って?

 

「か~わ~い~い~!」

 

って?

 

ちょ、やめてくださいよ。照れるじゃないですか。

 

そうやって言われるの、意外と慣れてないんですから。

 

え? かわいいっていうの、私のことでしょ?

 

赤ちゃんを抱っこしている人のことでしょ?

 

え? 違うの?

 

じゃあ誰?

 

誰がかわいいっていうの?

 

右に写っている人? ペルーのモケグア市で卓球のコーチをしている渡辺拓也くん? そりゃかわいいですけど。(真面目に)

 

左に写っている人? ペルーのイカ市でJICAボランティアとして卓球のコーチをしている深田貴広くん? もちろんかわいいですよ。(真剣に)

 

両手でピースしちゃっている人? 渡辺くんのアシスタントとして選手兼コーチをしている鷲尾一心くん? この人がかわいくないはずがないじゃないですか! (キレ気味に)

 

でも何ですか? その人たちを差し置いて、更にかわいい子が一人いるって? それは……

 

「なんだよ、つまんねーな。周りは男ばっかりかよ! ふぁ~あ」とか言いながら大あくびをしている人……

 

を、抱っこしている人?

 

おまけ

息子 「女の子のみんな、今年のバレンタインはどうでしたか? まだまだチョコレートは受け付けてるよ! 本命義理チョコなんでもござれ!

いただいたチョコレートはママがありがとうありがとうと言いながら僕の代わりに食べてくれるってさ!」

手づかみ食べの様子。パン(くず)が大好き。

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