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インターハイ2026

インターハイ男子シングルスは、イップスを克服した中野琥珀が制覇。ダブルスに次いで2冠達成

インターハイの最終日は男女シングルスの準々決勝から決勝までが行われ、中野琥珀(野田学園)が初優勝で大会を締めくくった。

 

【男子シングルス】

●準々決勝

伊藤佑太(星槎国際横浜・神奈川) 0、4、9 髙橋久遠(専大北上・岩手)

岩井田駿斗(野田学園・山口) 13、12、8 馬渕煌世(遊学館・石川)

中野琥珀(野田学園・山口) 5、−8、4、3 月原弘暉(愛工大名電・愛知)

中城瑛貴(野田学園・山口) 8、9、−6、−10、7 西面睦輝(育英・兵庫)

 

●準決勝

伊藤佑太 11、5、−3、−7、8 岩井田駿斗

中野琥珀 7、9、10 中城瑛貴

 

●決勝

中野琥珀 −10、5、−7、8、10 伊藤佑太

ベスト4に野田学園の選手が3人入る中、中野は準決勝で先輩の中城を破って決勝に進出。「中城さんとはともに生活をしている仲なので、正直ここで当たりたくなかった」と心境を語った中野だが、試合では「サービスが効いたので先手を取れた」と各ゲームとも競り合ったがストレートで勝利。

決勝は、準決勝でダブルスのパートナーでもある岩井田を下した第1シードの伊藤と対戦。「これまで4度対戦し、全てゲームオールになるのでこの決勝もそうなると思っていた」と中野が言うように、伊藤にゲームを先行されながらも「最終ゲームになったら気持ちの勝負だと準備していた」(中野)と、リードされても攻撃の手を緩めなかった。

ショートスイングながら強烈なバックドライブを放つ中野

9−10とマッチポイントを握られてもドライブのラリー戦でジュースに追いつくと、逆転勝ちでインターハイチャンピオンの称号を手にした。

筋肉質の体から強烈な両ハンドドライブが持ち味の中野だが、サービスの配球やレシーブでは無理にチキータを打たずにストップやミドルへの速いナックルで押し込んで相手をつまらせるなど、繊細なプレーも見せた。

劇的な逆転で優勝を決めた中野。感情が爆発した

中野は小学2年の全日本バンビで2位になっているが、それからここまでシングルスの全国タイトルは取れなかった。小学3年でイップスが発症し、その後に治るも小学5年で再び発症。6年になっても治らずに「もう卓球をやめようと考えたことが何度かあった」(中野)という。

野田学園の橋津文彦監督は、イップスを抱えている中野を野田学園中で受け入れた。当時、橋津監督から「今度入ってくる選手でイップスの子がいるんです。フォア打ちをするとボールがラケットの角に当たって天井に直行してしまう。治るかどうかわからないけれど、潜在能力がとても高い子なので頑張ってみます」と話されたことを思い出す。

橋津監督によれば、入学してきた中野は他の選手とは別メニューの練習を続けたという。「当時はぼくもイップスの治し方がわからなかったのでいろいろやってみました。1年くらいすると症状が出なくなって、試合でも結果が出るようになった。彼(中野)の努力の賜物です」と教え子のインターハイ優勝後に話してくれた。

野田学園に来て5年、卓球をやめようとまで悩んでいた少年は、高校生の夢の舞台であるインターハイで日本一に輝いた。

余談になるが橋津監督は「実は今はイップスの治し方がわかるので、少し前から他校の選手でイップスを抱えている子に野田学園に来てもらって、うちで練習しながら治しているんです」とも話してくれた。

 

中野琥珀の優勝インタビュー

「大会前から優勝を目指してきたので、素直にうれしいです。前日に団体戦でぼくが負けて2位に終わってしまいましたが、シングルスが残っていたので、気持ちを切り替えて臨めたのが良かったと思います。

決勝の伊藤とはこれまで4回対戦して、4回ともフルゲームまでもつれていたので、今回も苦しい試合になると思っていました。実際にリードされましたが、最後まで心を折らさず、自分の攻撃的なプレーを続けられたことが勝因だったと思います。

最終ゲームは気持ちの勝負だと思っていましたし、マッチポイントを取られたときは正直「終わった」と思いました。でも、もうやるしかない。普段から橋津先生に「攻撃をやめるな」と言われていたので、最後まで攻め続けました。

小学生の頃にイップスに2度なって、卓球をやめそうになった時期もありました。何度も症状が出て、そのたびに練習を一からやり直すような苦しい時期でした。それでも、野田学園中に入ってから、橋津先生が付きっきりで見てくれて、とにかく練習を続けました。

周りの方々に支えてもらい、野田学園で強い仲間と練習できたことで、ここまで来ることができました。昨年のベスト8から今年は優勝。海外の大会などで経験を積んだことも成長につながったと思います。小学生の頃には想像できなかった日本一なので、支えてくれた人たちに感謝したいです。来年は団体戦で2勝して、チームに優勝を届けられる選手になりたいです」

 

決勝では惜しくも敗れたが、伊藤の洗礼されたプレーは光っていた。柔らかいボールタッチとバックドライブをクロスとストレートに打ち分け、体がひと回り大きくなったことでフォアドライブの威力も増している。

他の上位進出選手がみな学校対抗とダブルスで試合を重ねていた中で、伊藤はシングルスのみの出場。体力的には優位だっただろうが、試合勘や勢いといった面では他の選手たちが持っていた。

それでも2大会続けて決勝まで勝ち上がり、決勝でもマッチポイントを握るなど、その力が高校卓球界の頂点に限りなく近いことを自らのプレーで証明した。

伊藤はバックドライブでコースの打ち分け、打球点の変化、緩急など質の高さを見せた

準決勝で岩井田を破った瞬間、伊藤は床に転げ落ちた

 

学校対抗でも活躍した中城。高校最後の夏でシングルスで初のベスト4入り

優勝を狙っていた岩井田は、伊藤とデッドヒートを繰り広げたが、勝利にはわずかに届かなかった

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