長崎美柚選手のお母さん

「よし、今日から私も人に親切にするぞ!」と意気込んでいたちょうどその時、長崎美柚選手のお母さんからメールが来ました。

 

「今ペルーの空港にいて、これからすぐに出発なんですけど、ホテルの金庫にお財布を忘れてしまったことに今気づいて……」

 

「それは大変ですね! 今すぐホテルに向かって空港に届けます!」

 

「すみません、ありがとうございます(泣)」

 

「すみません、やっぱりどうしても時間が間に合わないので、国際郵便でお送りします!」

 

「すみません、お手数おかけします(泣)」

 

美柚ちゃんの力になれるなんて、逆に光栄です!」

 

と、「美柚ちゃんのためーならエーンヤコーラ」と持ち前の渋い声を響かせて唄いながらハチマキを頭に縛り、腕まくりをしていたらおかしなことに気が付きました。

 

あれ? お財布を忘れたのは美柚ちゃんじゃなくて……お母さんのほう?

 

お母さん……美柚ちゃんのお母さん……大丈夫ですぞ! 全っ然大丈夫ですぞ!!! 

 

私は貴女のお父様に命を救われたのだから、今度はわたくしめが一肌脱ぐ

シチュエイション(テンション高めで活舌良く)!!!

 

 

お母さん本人いわく、よく忘れ物をしてしまうそうです。分かります。よ~く分かります。

 

忘れ物をする時って、忘れ物をする気配は全くないのに、忘れ物に気づいた瞬間、「ハッ!!!」っとなって「どうしてあの時に気付かなかったんだろう! 今になって気付くんだろう! バカバカバカ! 私のカバ!」って壁に頭を打ち付けたくなるんですよね。

 

時を戻してあの時の自分に「おいっ! 今お前、忘れ物してるぞっ!」ってゲンコツの一つでもかましてやりたいですよね。「これから大変なことが起きるのに、のんびりしてんじゃねーぞ!」ってね。

 

それにしても私の推測ですけど、子供がしっかりしていると、その親はちょっぴり朗らかというか……おっちょこちょい?

 

いや逆ですね。親がおっちょこちょいだから子供がしっかりするんですよきっと。

 

現に長崎美柚選手、20歳なのにあんなにしっかりされていて……オバサン年甲斐もなく感激しちゃった。確かに私にも二十歳の時代はあったはずなんですよ。でも、すでに記憶から消え去っているんですよね。もう、かれこれ18年も前の事ですからね……。

 

話しを戻しまして、私の母はというと、眼鏡をかけたまま眼鏡を探すレベル。

または、スーパーで買い物した後、「お財布が見当たらない」とずっと家の中を探し回り「ダメだ、どこにもない」と悲壮感で溢れかえっていたら、誰かが牛乳を飲もうとしたのか冷蔵庫を開けると大爆笑しながら「お母さ~ん! お財布あったよ~!」と叫んだ。

私も駆け寄って見ると、そこには肉のパックのようにお財布が置いてありました。緑色のお財布だったんですけどね、お財布もお財布で「バレたか!」みたいな表情をしていましたよ。スーパーから帰ってきて、すぐに冷蔵庫に入れたんでしょうね。キンキンに冷えていましたよ。私の母はそういうレベル。

 

見てくださいよその子供を! きっとしっかりしているに違いない。

 

さぁ、誰なの? その子供というのは一体誰? いでよ、私の母の、その子供~!!!

 

 

 

「はぁい、しゅみましぇ~ん」 (←恥ずかしそうに照れながら、右手を少し上げて首を前後にカクカクする)

 

 

 

すみません、私でした。まぁそうだよね、私の母の子供はやっぱり私の事だよね。姉と妹もいますけどね、二人は立派にしっかりしていますよ。

 

 

……まぁいいよ。「例外」という言葉がこの世に存在しているのは、こういう事なんだよ。

 

 

今のところおっちょこちょいが2代続いているけれど、それならば私の息子に期待しようではありませんか!

 

「はい、おじゃまします! お金ください!」が最近口癖の3歳になったばかりの息子ですが、ちょっと待って、そのセリフ、どこで覚えたの? 誰が言ってたの?

 

 

~続く~

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