私が駅の中の乗り換えの時にもたついたり、道を歩くときに少しでもまごつくと、
「また迷ったのかな?」
というペルー人の男の子の声が聞こえるんですけど。
なんかさー。
少しでもモタモタすると、すぐこう言われちゃうから困っちゃいますよね。
いやいや、迷ってないし。
ただちょっと、ここは良く見ておかないと、後先困るかな~? と思って、今慎重に乗り換えのお知らせとか「吟味」してるんですけど。
それでも間違えますけど。
まぁ、「吟味」したところで、何にも味わえてないっつー。
生まれつきだと思うんですけど、地図とか道とかの吟味の仕方がイマイチわからないというか。あれってどうやって味わうものなのでしょう?
この前、秋葉原駅に行こうとして、乗り換えの場所2回くらい間違えましたけど。
でもさ、すぐに「また迷ったの?」ってすぐに言うの、辞めてくれませんか?
一応言っておきますけど、私スペイン語わかりますから。
で、結構傷付きますから。これでも人間の子なんでね。
それにしてもペルーの子達から来るプレシャーがね、すごいんですよ。
「イズミ先生……これ以上、道に迷わないで……。道に迷うたびに僕たち沢山歩かなきゃならないので……」
わかっとる! そんなの、わかっとるわい!
「小僧どもは、黙ってワシに付いて来い!」
道案内はスマートに。カッコよく。お手本を子供たちに見せてあげたい。
でもね、「わしは迷子になっとらん!」って言い返してやりたいけど、迷子になりつつあるというか。
実際、迷子というか。
こうしよう。眉間にしわ寄せて、目を閉じて、唇を噛み締めながらウンウン頷くんです。
腕なんか組みながら、
「そうだよ、迷子だよ」。