大変ご無沙汰を致しました…。全日本選手権が終わり、ようやく編集部も本格的な年明けを迎えております。中国リポートも本格始動いたします!
1月14日、シンガポール卓球協会は退任した劉国棟女子チーム監督の後任人事として、現北京市女子チーム監督の周樹森氏の就任を正式に発表した。
新井周(グランプリ大阪)の実父として知られる周樹森は現在67歳、浙江省杭州市の出身。中国卓球界では知らぬ者のない名指導者だが、自身も1964年に国家チームに選ばれ、選手として活躍。しかし、妻の劉雅琴(元全中国チャンピオン)とともに、文化大革命によって世界大会への道を閉ざされた。74年から国家チームコーチ、そして81年から北京女子チームのコーチを務め、張怡寧、郭炎、そしてリ・ジャウェイら多くの名選手を育てている。兄の周蘭遜(故人)は65年世界団体優勝メンバー、姪のシーリー・チョウ(オーストラリア)は00年シドニー五輪複ベスト8、名だたる卓球一家なのだ。
周樹森とシンガポール卓球協会の契約は、今年1月1日から2012年12月31日までの4年間。しかし、2009年10月に山東省で第11回全中国運動会が開催され、周樹森は北京市女子チームの監督として重責を担うため、それまでは暫定的にシンガポール女子チームの顧問に就任。全中国運動会の終了を待って本格始動となる予定だ。
劉国棟監督がチームを離れ、大きな打撃を受けたかに見えたシンガポール女子チームだが、さすがに五輪銀メダルチームだけあって大物を担ぎ出してきた。1月13日に初めてシンガポール女子チームの指導を行い、「2012年ロンドン五輪では2枚のメダルが目標」と語った周監督。団体で1枚、シングルスで1枚ということだろうが、個性が強いメンバーをまとめる上では、周監督の経験がものを言いそうだ。日本の卓球ファンとしては「シンガポールにはこのままおとなしくしていてほしい…」というのが心情だが、今後も日本の強力なライバルには変わりないだろう。
下写真上:全中国運動会で、張怡寧のベンチに入った周樹森
下写真下:北京五輪団体表彰でのシンガポール女子チーム。王越古は、年齢的にロンドン五輪は微妙なところだ