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中国リポート

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 先月のことになるが、2008年のシーズンの大会予定が中国卓球協会から発表された。未定・暫定の部分も多いが、国内大会および関連する主な大会予定は以下のとおり。

※2月
24日~3月2日 第49回世界卓球選手権団体戦(広東省広州市)
※3月
6~11日 北京五輪卓球競技・アジア大陸予選(香港)
29~30日 アジアカップ(日本・札幌市)
●5月
8~11日 北京五輪卓球競技・世界最終予選(ハンガリー・ブダペスト)
13~18日 フォルクスワーゲンオープン中国大会(北京市)
●8月
★13~23日 北京五輪・卓球競技(北京市)
27~31日 太原国際青少年オープン(山西省太原市)
下旬 全国少年選手権(江蘇省鎮江市)
●9月
6~17日 北京パラリンピック(北京市)
11~14日 パナソニックオープン中国大会(開催地未定)
●10月
下旬 全中国卓球選手権(江蘇省張家港市)
★暫定 08中国超級リーグ(場所:未定)
●12月
未定 全国少年杯ファイナル(遼寧省撫順市)

 どのように開催されるか注目される08中国卓球超級リーグだが、8月に北京五輪が行われるため、6~9月の3カ月間に全18節を行う通常のスケジュールを組むことはできない。暫定ではあるが、現在のところ10月に短期開催される予定だ。もともと95~97年に開催されていた全国卓球クラブリーグ(超級リーグの前身)は、男女12チームが開催地に集合して行われる短期のリーグ戦だったが、今年は久々にその方式が復活することになる。

Photo:五輪会場となる北京大学体育館。北京五輪での勝利を至上命題とする中国にとって、今シーズンは超級リーグは二の次か…

  大家、新年好~(皆さん、明けましておめでとうございます)!

 今月は年明け早々、15日から全日本卓球選手権大会が東京体育館でスタート。優勝を狙う強豪選手たちは、正月返上で調整に入っているだろう。しかし、海の向こうでは、日本の、いや世界中のどの卓球選手よりもシビアな新年を迎えた選手たちがいる。一昨日の1月1日に6日間の軍事訓練を終了した中国国家卓球チームだ。

 12月28日には気温が下がり、2cmの積雪がある中、雪中の野外訓練も行われた今回の軍事訓練。86人の国家チームの選手たちは当然軍服を着用。毎朝6時半に起床し、8時から11時半までは行進などの訓練、14時から18時までは思想教育(!)、そして夜はさらに軍事教育や活動報告など、なんともハードなスケジュールをこなした。2人1部屋で携帯やパソコンなどはもってのほか、部屋の電話やテレビも撤去。2軍チームの若い選手たちにとって、何とも憂鬱な6日間になったであろうことは想像に難くない。

 なかでも極めつけは王皓とハオ帥。12月31日の23時半から1月1日の0時半まで、ふたりは歩哨(ほしょう/見張り)として「年越しパトロール」の任務に就いていた。本人は「とても興奮した」そうだが、軍服姿で見張りをしながら年を越す世界ランキング1位…、ちょっと想像を絶する光景だ。

 1月7日からは35日間の集合訓練が広東省でスタートする国家チーム。2月24日に開幕する世界選手権団体戦広州大会は、世界選手権とはいえ、位置付けとしては北京五輪団体戦の前哨戦となる大会。もちろん失敗は許されない。

Photo:王皓、軍人という本来の職業からすれば、パトロールで年を越してもおかしくないが…

 『ピンパン世界』編集部を紹介するなら、何を置いてもまずは編集長から。左Photo上が夏娃(シァ・ワァ)編集長。巨大な望遠レンズを装着したカメラを右肩に構え、ブランドに身を固めて、国際大会の会場を颯爽と歩く。銃を撃つ、写真を撮る、ともに英語で「shoot」と言うが、絶えずシャッターチャンスを狙っている夏編集長の後ろ姿は、まるで映画から飛び出してきた「女狙撃手(スナイパー)」。黒柳徹子ばりの髪型のセットには常に余念がない(失礼)。卓球王国の誌面にもたびたび登場しているので、ご記憶の方もいるかもしれない。写真は今年5月のザグレブ大会の時のもの。

 続いて左Photo中。腰に手を当てている男性が李克非(リ・クゥフェイ)さん(写真右端)。中国一の用具マニアの呼び声も高い。プレースタイルは右シェーク攻撃型で、張ユク(中国香港)のような豪快な卓球をする。なぜかチキータがやたらとうまい。「一番好きな選手は?」という質問には間髪入れず「ワルドナー!」。

 李さんの隣でアドバイスをする、黒いウェアの男性は優しい笑顔がトレードマークの宋斐(ソン・フェイ)さん。10年以上ドイツに滞在していたということで、英語はパーフェクト。劉国正選手に似ているので「劉国正のお兄さんだね」と言ったら苦笑いしていた。体格は大会の会場にいた誰よりもパワフルなのに、卓球はシェークのバックツブ高攻守型、そして書く文章は実に繊細なのが面白い。

 そして左Photo下で熱いガッツポーズを決めているのが、ピンパン世界チームのスーパーエース・李晋(リ・ジン)さん(左写真下)。省代表チームにいたこともあるそうで、めったやたらと強い。左ペンドライブ型で、強烈な変化サービスからパワードライブとバックプッシュで相手を圧倒していた。クールな眼差しとほとばしるガッツ、ちょっと敵には回したくない男だ…。

  「草の根版日中交歓大会」で、どこまでも熱くプレーしている彼らの姿は、日本のどこの大会にもいる卓球ファンと少しも変わりはなかった。「本当に卓球が好きなんだなあ」と素直に思った。私が中国に行く時には、必ずラケットを持っていくようにしている。体育館や卓球場に行けば、彼らと同じような卓球好きが必ずいて、相手をしてくれるからだ。 どこの国の人間だろうと、卓球ができる人間を放っておくような人は中国にはいない(笑)。ラケットがあれば、中国では寂しい思いはしない。
 2007年の中国リポートはこれで終了します。来年度もどうぞご期待ください。

 中国国内で発行されている(紙媒体の)卓球雑誌は一誌しかない。国営のスポーツ雑誌社「中国体育報業総社」が発行する中国卓球協会の機関誌『ピンパン世界』だ。グラフィックには様々な工夫が凝らされており、中国のトップ選手たちが予想外のコスプレで登場することも少なくない。眺めるだけでも十分楽しめるし、他国のメディアにはなかなか素顔を見せないと言われる中国選手たちの、意外な一面を垣間見ることができる

 左Photo上が『ピンパン世界』の2007年12月号。 通巻182号だというから、最新号で通巻129号の『卓球王国』より少し先輩になる。特集は中国リポートでもお伝えした第6回城市運動会で、あっと驚くオールカラー。さらに試合結果や若手へのインタビューなどを掲載する副刊、ポスターまで付いてくる。
 来年からは副刊を組み込んで、一挙に16ページも増量するそうだ。価格も1冊8元から10元(日本円で約160 円)に値上がりする。北京五輪を控えて、スポーツ雑誌の業界も活気づいているのだ。

 そして今年9月、『ピンパン世界』編集部の精鋭たちが来日、9月30日に行われた「第2回草の根版日中交歓卓球大会」に参戦した。この試合の際に「編集部の皆さんを中国リポートで紹介してもOK?」と聞いたところ、心良くOKしてくれた。ずいぶん遅くなってしまったが、詳しいプロフィールが届いたらまた改めて掲載 することにして、年の終わりに「海の向こうの同胞たち」をご紹介しよう。

 『ピンパン世界』の編集主幹、つまり編集部のトップにいるのは、中国卓球協会の徐寅生会長。自ら編集部を訪れ、原稿のチェックをすることもあるそうだ。同じく名誉職の編集委員には蔡振華、劉風岩、姚振緒、張燮 林、陸元盛(敬称略)など、中国卓球協会の重鎮が顔を揃える。
 実際に編集に携わっているのは、約10名のスタッフと、契約している国内外の特約記者だ。その中で今年9月に来日したのは、編集部主任(編集長)の夏娃女史、用具ページや広告の折衝を担当する李克非さん、インタビューページなどを担当する宋斐さん、そして技術ページ担当の李晋(リ・ジン)さんの4名。編集部の精鋭たちの紹介は、、後編に譲ります。

Photo上:『ピンパン世界』2007年12月号の表紙。送料と消費税で高くなりますが、日本でも東方書店のネット版から定期購読の申し込み(年間のみ)が可能
Photo下:9月30日に多摩市総合体育館で行われた「草の根版日中交歓卓球大会」の様子。『ピンパン世界』の駐日特約記者である偉関絹子さんも運営スタッフとして活躍

 国境を越えた中韓の卓球カップルとして話題になった金承煥(28)と郭芳芳(27)が、ソウル地方裁判所に協議離婚を申し立て、約4年半の結婚生活にピリオドを打つことが明らかになった。

 郭芳芳はもともと中国・江蘇省の出身。中国から98年に中国香港に移籍し、昨年1月には韓国国籍を取得。三つの卓球協会を渡り歩いてきた珍しい選手だ。右ペンホルダー表ソフト速攻型で、ハイトスサービスからキレのある前陣速攻を展開する。昨年11月のアジア競技大会では、韓国女子の団体メンバーとして銅メダル獲得に貢献した。
 旦那さんだった金承煥を知っている人は相当な選手マニアだろう。韓国伝統の右ペンホルダードライブ型で、94年に上越市で行われたアジアジュニア選手権で呉尚垠とともに韓国男子優勝の原動力となり、将来を嘱望された選手だ。しかし、その後は目立った成績を残すことはなく、現在では実業団チームのコーチを務めている。

 郭芳芳と金承煥は、郭芳芳が中国香港代表として出場した2000年7月のベトナムオープンで出会い、お互いにひと目惚れ。「国際電話の通話料が大変」なほど、言葉と国境の壁を越えて愛を育み、2003年4月に盛大な結婚式を挙げた。2004年には韓国総合選手権の混合ダブルスで優勝し、結婚生活は順調かと思われたが、「文化の相違」と「経済的問題」により、今年初めから別居状態だったという。

 郭芳芳は今後も韓国女子チームの一員として、来年1月の韓国総合選手権と、世界選手権広州大会の選抜リーグ戦に挑むことになる。また、[中国リポート2007/11/04 韓国女子チームにも中国選手の波か]でもお伝えしたが、先ごろ韓国国籍を取得した唐娜(05全中国運動会複2位)も韓国女子チームに招集されている。

Photo:06年アジア競技大会での郭芳芳。韓国と中国の卓球選手同士の結婚では、88年ソウル五輪男子複銅メダルの安宰亨(韓国)と、ソウル五輪女子単銅メダル・複銀メダルの焦志敏(中国)というビッグカップルがいる
 

 中国卓球界の2007年のシーズンを締めくくる最終戦、2007“柳鋼杯”国際女子卓球対抗マッチが広西壮(チワン)族自治区・柳州市で開催された。開会式では出場する選手たちが中国の少数民族の衣装を身にまとって登場し、特にヨーロッパから参戦したドデアンとポータは観客の声援を集めたとのこと。試合結果は以下のとおり。

[中国女子チーム 5-0 国際女子選抜チーム]
○李暁霞 7、4、5 ドデアン(ルーマニア)
○王楠 9、4、5 朴美英(韓国)
○陳虹羽 4、-7、9、-8、9 リュウ・ジャ(オーストリア)
○郭躍 -11、4、6、-4、4 帖雅娜(中国香港)
○郭炎 7、4、2 ポータ(ハンガリー)

 中国女子チームは世界ランキング1~5位の選手を揃えるベストメンバーを組んだが、張怡寧はITTFトーナメント・オブ・チャンピオンズに続き故障で欠場。代替選手として出場した陳虹羽は地元・柳州市の出身で、広西壮族自治区の選手としては十数年ぶりに国家2軍チームに選ばれている。この陳虹羽でさえ、元ヨーロッパチャンピオンのリュウ・ジャに競り勝ってしまうあたり、中国女子チームの選手層の分厚さを改めて感じさせる。
 ドデアン、朴美英、ポータは、いずれも卓球の伝統国であるルーマニア、韓国、ハンガリーの次代を担っていく選手。しかし、少なくとも現時点では中国のライバルには成り得ないようだ。

 ちなみに大会が開催された広西壮族自治区は中国の南端にあるが、自治区は省と同じく、日本で言えば県に相当する。梁戈亮、謝賽克、謝超杰など多くの名選手を輩出しており、偉関晴光(韋晴光)・絹子(石小娟)夫妻も同自治区の出身。現在は謝賽克が自治区チームの総監督となり、かつての栄光を取り戻すべく奮闘中だ。

 これで年内の大会がすべて終了した中国卓球界。選手たちには「お疲れサマ」と言いたいところだが、なんと国家チームの選手たちは今日27日から年明け1日まで6日間の軍事訓練(!)。それが終わって1週間もしないうちに7日から集合訓練がスタートする。
 中国では1月1日よりも旧暦の正月(春節)を盛大に祝うが、今年は2月7日の春節も世界選手権広州大会の直前で、ゆっくり休む暇はなさそう。北京五輪が終わるまで、中国チームには盆も正月もないということか…。

Photo:1・2番でストレート負けを喫したドデアン(上)と朴美英(下)

 女子世界ランキング1位の張怡寧がITTFトーナメント・オブ・チャンピオンズを欠場した。先週行われたプロツアー・グランドファイナルで太ももの肉離れを起こしたためだ。張怡寧は11月のプロツアー欧州遠征でも首と腰を傷め、全中国選手権を棄権している。
 近年、中国選手の選手寿命はかなり長くなってきているが、張怡寧も今年10月で25歳。そろそろ引退してもおかしくない年齢だ。

 まだメンバーは確定とは言い切れないが、来年8月、北京五輪・卓球競技への出場が予想される中国代表の年齢は、例年に比べてもかなり高い。男子の王励勤(大会時30歳)は30歳代で五輪(卓球競技)に出場する初めての中国選手になるし、王楠も出場すれば29歳で、女子選手としては過去最高齢。男子の代表メンバー3人(王皓・馬琳・王励勤)は4年前のアテネ五輪と同じで、平均年齢は27.33歳とこちらも過去5大会に比べてもっとも高い数字だ。

 それだけに各選手とも抱える古傷は多い。「中国チームで最も体のケアに気を使う選手」と言われる王励勤も、昨年10月の全中国選手権・個人戦を右肩痛で棄権。馬琳は右肩と腰をよく故障しており、昨年1月には右肩を傷めてエキシビションマッチを途中棄権。郭躍も腰の持病で、昨シーズンの超級リーグでは長期欠場している。王楠に至ってはまさに満身創痍。特にリストを活用するスイングのため、左手首の故障は慢性化している。

 男女とも断トツの優勝候補と言われる中国チーム。しかし、王励勤、馬琳、王楠、張怡寧といった主力選手たちは、すでに身体能力の面では下り坂。北京五輪が現役選手として迎える最後の五輪になるだろう。彼らにとって最大の敵は実は「故障」なのかもしれない。来年1月7日から広州でスタートする集合訓練では、チームの首脳陣も選手の体のケアに気を使うことになりそうだ。

Photo:今年5月のザグレブ大会で優勝を決めた張怡寧/王楠。足元に目をやると、王楠の右足首と膝、張怡寧の左足首など、激戦の代償が見てとれる(クリックで拡大)

 昨夜、ITTFトーナメント・オブ・チャンピオンズに先立って行われた「Pingpang嘉年華(卓球カーニバル)」。各地の予選を勝ち上がった選手たちや、合同合宿を行っていたヨーロッパと中国の少年選手が王励勤らトップ選手に挑戦。王励勤がハンデ戦で、女子学生に四苦八苦する一幕も。

 そして永遠のライバル、中国vs.スウェーデンが再び相まみえたエキシビション・マッチ。
 第1試合は王涛vs.ワルドナー。「王涛的肚子変小了、老瓦的肚子変大了!(王涛のお腹はヘコみ、ワルドナーのお腹は大きくなりました!)」とユーモアを交えて実況を行ったのは黄健翔。サッカー解説のカリスマと言われながら、ワールドカップで偏った解説をして視聴者に謝罪するなど、何かとお騒がせのスポーツアナウンサーだ。
 第1ゲームは11-6でワルドナーの勝利。ここで王涛が、いっそのこと21点制でやろうとワルドナーに提案。急きょ21点制で行われた第2ゲームは、ワルドナーがお得意のロビングで会場を盛り上げた。第2ゲームは21-11で王涛。「彼はウソをついてるんじゃないか? コーチをやってて、まだあれだけのプレーができるなんて(ワルドナー)」。

 第2試合は丁松vs.カールソン。この試合も同じく21点制で行われた。「12年前、彼と対戦した時には、最後までノーチャンスだったよ(カールソン)」。このエキシビションマッチは21-19でカールソンが競り勝った。「12年前は僕が勝った、今日は彼が勝った。これで僕らの通算成績はタイだ(丁松)」。

 現在も卓球王国でありつづける中国に対して、ワルドナー、パーソン、カールソンに続く選手が現れないスウェーデン。後継者として期待されたホーカンソン、ルンクイストも中国のライバルには成り得なかった。この両雄が再び世界選手権の決勝で相まみえる日は来るのだろうか?

☆コメント部分出典:楚天都市報

Photo上:昨年度は解説を務めた王涛、この時はまだ丸かった。なんとも妙な写真です…
Photo下:05年世界選手権ではベスト8に入ったカールソン

 明日、湖南省長沙市で開幕するITTFトーナメント・オブ・チャンピオンズ。今夜、その前夜祭である「Pingpang嘉年華(卓球カーニバル)」で、「中国の尊敬すべき10人のライバル」が発表される。
 これは大会をプロモートする湖南テレビが、全国のマスコミと、中国が輩出した100人の世界チャンピオンたちの投票によって決定するもの。世界選手権やオリンピックで中国選手と名勝負を繰り広げた選手たち30人のなかから、10人が選ばれる。その30人の内訳は…

★男子             ☆女子
シド(ハンガリー)       関正子(日本)
荻村伊智朗(日本)       森沢幸子(日本)
星野展弥(日本)        アレキサンドル(ルーマニア)
長谷川信彦(日本)       パク・ヨンスン(北朝鮮)
ベンクソン(スウェーデン)   鄭賢淑(韓国)
ゲルゲリー(ハンガリー)    梁英子(韓国)
シュルベク(ユーゴスラビア)  リ・ブンヒ(北朝鮮)
ワルドナー(スウェーデン)   玄静和(韓国)
パーソン(スウェーデン)    ボロス(クロアチア)
プリモラッツ(クロアチア)   金キュン娥(韓国)
ガシアン(フランス)      キム・ヒャンミ(北朝鮮)
セイブ(ベルギー)
劉南奎(韓国)
金擇洙(韓国)
サムソノフ(ベラルーシ)
シュラガー(オーストリア)
柳承敏(韓国)
ボル(ドイツ)

 あなたの投票の結果はどうですか?
 ちなみに筆者の選出する10人はワルドナー、パーソン、劉南奎、シュラガー、柳承敏、ボル、松崎キミ代、梁英子、リ・ブンヒ、玄静和。
 日本選手では、「Mr.卓球」荻村伊智朗は、全盛期が中国が台頭した1960年代ではなく、50年代であることから外させて頂いた。また、星野展弥は61年北京大会の男子ダブルスで優勝、団体では敗れたものの徐寅生と伝説の名勝負を繰り広げ、松崎キミ代と関正子は61・63年世界選手権で女子団体のタイトルを中国から死守している。
 いずれ劣らぬ名選手揃いだが、やはりワルドナーの存在感は光る…。(文中敬称略)

Photo上:見よ、このパワードライブ! ハンガリー三銃士のひとり、ゲルゲリー(79年世界団体優勝)
Photo下:中国と互角に渡り合った韓国の梁英子(左)・玄静和。88年ソウル五輪ダブルスで金メダルを獲得

 80年代の卓球界のスーパースター、右ペン表ソフトの華麗な速攻プレーで一世を風靡した江加良(ジァン・ジァリアン)。指導者の道には進まず、実業家からテレビの解説者まで、マルチな活躍を見せている。自宅が空き巣の被害にあい、損害賠償を求めてマンションの管理会社と裁判で争うなど[中国リポート07/10/20 江加良夫妻、裁判で徹底抗戦!]、マスコミにも何かと登場する機会が多い。

 その江加良が福建省・厦門(アモイ)の凱歌ゴルフ場で開催された「民生銀行杯」の有名人ゴルフ慈善大会に出場。体育明星隊(スポーツスター・チーム)の一員として見事なプレーを披露し、観客の歓声を浴びた。
 平均して週に2回はラウンドを回るという江加良。同時期に世界で活躍し、現在は巨大スポーツブランドの社長である李寧もゴルフ仲間なのだとか。
「今はラケットを握ることはほとんどないよ。メインはゴルフになってしまったね。ゴルフを通じてたくさんの人と知り合えるし、緑にあふれたコース、太陽の光ときれいな空気、とても良い気分になれるね(江加良/コメント出典:厦門網)」。
 ラケットをドライバー、そしてパターに握り変えた元チャンピオン。慈善大会でのスコアは「85」。シングルまであと一歩、なかなかの腕前だが、彼の速攻プレーにあこがれたファンは複雑な心境かもしれない。

 ちなみにゴルフ(中国語では高尓夫球)は中国では「ブルジョワジー(資産階級)」のスポーツとして長く禁止されていた。合法化(!)され、中国ゴルフ協会が設立されたのは1985年のこと。なぜかこの時、同時にボーリング(中国語では保齢球)も合法化されている。

Photo上:中国リポートではおなじみの江加良
Photo下:卓球界のゴルフ好きと言えばこの人、ワルドナー。江加良に敗れた87年世界選手権決勝をゴルフ対決で再現すれば、かなりのギャラリーを集めそうだ