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欧州リポート

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 1993年世界選手権準優勝で、6度のオリンピック出場を誇るJ.セイブ(ベルギー)が、ベルギーのオリンピック委員に任命された。6月6日に行われた総会にて選出されたもの。任期は2009~12年の4年間で、年に約8つの会議に出席する。 なお、現役生活は変わらず続け、ITTFプロツアーにも参戦していく予定だ。
 5月31日・6月1日、ブンデスリーガ男子1部プレーオフ決勝戦が行われた。

 5月31日の第1戦では、アウェイのデュッセルドルフがオクセンハオゼンを圧倒。わずか2ゲームしか落とさずストレート勝ち。第2戦でストレート負けを喫しても、リーグ戦1位のデュッセルドルフはアドバンテージが与えられるため、これで優勝が決まった。

 第2戦は6月7日に行われた。すでに優勝が確定していたが、その瞬間を目に焼き付けようと、2400人もの観客が集まった。試合は、トップでボルがアポローニャをストレートで下し、幸先の良いスタートを切るも、続くオフチャロフとフレイタスが敗れ、1-2とリードを許す。4番でボルがイェレルを再びストレートで下して流れを引き戻すと、ラストはオフチャロフ/フレイタスがアポローニャ/クリサンをゲームオールで下して、3-2で勝利。決勝で2戦とも勝利を収めたデュッセルドルフが文句なしの2連覇を飾り、ブンデスリーガ08-09シーズンが幕をおろした。

●ブンデスリーガ男子決勝第1戦(5月31日) ※左側のチームがホーム
オクセンハオゼン 0-3 デュッセルドルフ
 アポローニャ -9、13、-8、-11 オフチャロフ○
 荘智淵 -7、-8、-9 ボル○
 イェレル 14、-9、-12、-5 ズース○

●ブンデスリーガ男子決勝第2戦(6月7日)
デュッセルドルフ 3-2 オクセンハオゼン
○ボル 6、6、8 アポローニャ
 オフチャロフ -9、7、-7、-5 イェレル○
 フレイタス -9、9、-6、-8 クリサン○
○ボル 9、6、5 イェレル
○オフチャロフ/フレイタス -8、7、-11、8、4 アポローニャ/クリサン
 05年世界選手権上海大会3位の呉尚垠(韓国)が、デンマークのロスキレに移籍することがわかった。

 ロスキレは08-09シーズンのECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)にデンマークチームとして初めて参戦。メンバーもメイス、ツグウェル、ベンツェンとデンマーク代表選手で固めて臨んだが、エースのメイス以外は勝ち星を挙げることが難しく、予選リーグ突破はならなかった。

 呉尚垠の獲得により、戦力が大幅にアップしたロスキレ。メイスと呉尚垠のツインエース体制で、来季は決勝トーナメント進出を狙う。
 5月22・24日、ブンデスリーガ男子1部プレーオフ準決勝第2戦が行われた。

 第1戦で敗れており、あとがなくなった松平健太所属のフリッケンハオゼン・ヴュルツブルグは前回に続いて松平を2点起用するオーダーを組んだ。 松平は、トップで荘智淵(チャイニーズタイペイ)を3-2で、4番でアポローニャ(ポルトガル)を3-1で下し、第1戦のリベンジを見事に果たした。チームも3-1でオクセンハオゼンに勝利したのだが、ゲーム率でわずか1ゲーム及ばず、決勝進出はならなかった。しかし、今季初参戦のブンデスリーガでシングルス通算13勝6敗(うち、プレーオフ2勝2敗)と大きく勝ち越した松平健太。来季もエースでの活躍が期待される。

 第1戦で3-0で勝利しているデュッセルドルフは故障を抱えているボル(ドイツ)を温存するオーダー。代わりに出場したフレイタス(ポルトガル)が2失点を喫するも、ズースとオフチャロフ(ともにドイツ)がきっちりと3点を取り、3-2で勝利。決勝進出を決めた。

 この結果、08-09シーズンブンデスリーガ男子1部決勝はデュッセルドルフvsオクセンハオゼンに決まった。奇しくも、今季のECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)決勝と同じカードに。ECLではデュッセルドルフに軍配が上がったが、今回ははたして。決勝戦は5月31日および6月7日に行われる予定だ。

●ブンデスリーガ男子準決勝第2戦 ※左側のチームがホーム
5月22日
フリッケンハオゼン・ヴュルツブルグ 3-1 オクセンハオゼン
○松平 7、7、-7、-5、4 荘智淵
 シュテガー -8、-9、10、-5 アポローニャ○
○譚瑞午 -9、8、9、8 イェレル
○松平 8、-9、11、7 アポローニャ

5月24日
デュッセルドルフ 3-2 フルダ-マーバーツェル
 フレイタス 12、-9、-6、-8 メン・チンユ○
○オフチャロフ 14、6、-8、-11、7 王熹
○ズース 7、-9、7、-12、10 スベンソン
 フレイタス -9、9、-8、-6 王熹○
○オフチャロフ/ズース 10、-6、7、8 メン・チンユ/スベンソン
 5月15日、ブンデスリーガ男子1部プレーオフ準決勝第1戦が行われた。プレーオフに進出したチームはデュッセルドルフ(リーグ1位)、オクセンハオゼン(同2位)、フリッケンハオゼン(同3位)、フルダ-マーバーツェル(同4位)の4チーム。昨年と同じ顔ぶれとなった。

 デュッセルドルフはアウェイでフルダ-マーバーツェルと対戦。2000人の観客を集めたこの一戦はオフチャロフ、ズース、ボルがすべて3-1で勝利し、ストレート勝ち。連覇へ向けて死角なしだ。
 オクセンハオゼンvs.フリッケンハオゼン・ヴュルツブルグは3-1でオクセンハオゼンの勝利。フリッケンハオゼン・ヴュルツブルグの松平健太は2点起用されたものの、アポローニャ(ポルトガル)と荘智淵(タイペイ)にともに2-3で敗れて、期待に応えることが出来なかった。

●ブンデスリーガ男子準決勝第1戦 ※左側のチームがホーム
5月15日
フルダ-マーバーツェル 0-3 デュッセルドルフ
 スベンソン -9、8、-5、-8 オフチャロフ○
 ワルドナー -6、2、-9、-9 ズース○
 王熹 8、-10、-8、-8 ボル○

5月15日
オクセンハオゼン 3-1 フリッケンハオゼン・ヴュルツブルグ
○荘智淵 8、7、6 譚瑞午
○アポローニャ 4、-12、8、7、7 松平
 イェレル 11、-8、-8、5、9 シュテガー○
○荘智淵 5、-8、-4、6、7 松平
 08/09シーズンのECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)は、5月17日の男子決勝をもって全日程が終了。男子はデュッセルドルフ(ドイツ)、女子はフロシュベルグ(オーストリア)が優勝した。

 さて、このECLであるが、予選・決勝トーナメントともにホーム&アウェイ方式で試合が行われている。サッカーではホームチームの方が有利と言われており、それはサポーターの声援が選手を後押しするため…だという見方があるが、果たして卓球ではどうなのか。調べてみた。サンプルは今季ECLの男女予選・決勝トーナメントの全92試合(男子62試合、女子30試合)。

 結果はホームチームが勝った試合が48試合、アウェイチームが勝った試合が44試合だった。ホームチームの勝利数の方が4試合多かったが、ホームの方が確実に有利だと言えるまでではない。男女別に見ると、男子はホームチーム勝利数が33、アウェイチーム勝利数が29。女子はホームチーム勝利数とアウェイチーム勝利数が同数だった。女子は、予選と決勝トーナメント別で見てみても同数であり、ホームによる有利さは見られない。

ホームチーム勝利数アウェイチーム勝利数
4844

ホームチーム勝利数アウェイチーム勝利数
男子3329
女子1515

 さて、男子であるが、予選だけを見るとホームチーム勝利数が28、アウェイチーム勝利数が20。決勝トーナメントだけを見るとホームチーム勝利数が5で、アウェイチーム勝利数は9。予選ではホームが優勢だが、決勝トーナメントではアウェイが優勢という数字が出た。決勝トーナメントのサンプル数は少ないのだが、予選と決勝トーナメントでは異なる結果が出ているのは興味深い。また、男子決勝に進出したデュッセルドルフとオクセンハオゼンが、ともに決勝トーナメントではホームの1勝に対してアウェイでは3勝しており、今季では敵地で勝利することが上位進出のカギを握っていたことがわかる。

ホームチーム勝利数アウェイチーム勝利数
男子予選2820
男子トーナメント59

 男子の予選・決勝別に見てみると差は出たが、総じて見ると卓球においては、サッカーのようなホームゲームでの有利さはほとんどないと言っていいだろう。サッカーはプレー中にも声援が送られるが、卓球ではプレー中に声援を送ることがNGであり、サッカーほどの影響はないのだろう。また、地元ファンの声援は時として重圧にもなり得る。メンタルが非常に重要な卓球では、声援=プレッシャーと感じてしまうと、思わぬ波乱が起こるのである。

写真:世界選手権横浜大会で快進撃を見せた丹羽。はじめは観客の声援に戸惑いを見せていたが、徐々に力に変えていった。
 5月17日にECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)男子決勝第2戦が行われ、第1戦で敗れていたデュッセルドルフ(ドイツ)が3-0でオクセンハオゼンを下し、逆転で優勝を決めた。

 第1戦ではボル、オフチャロフ(ともにドイツ)が荘智淵(チャイニーズタイペイ)に敗れ、思わぬ敗戦を喫してしまったデュッセルドルフ。優勝がかかった第2戦では、「荘智淵をいかに封じるか」ということがポイントだったが、1番でオフチャロフが荘智淵を3-1で見事に下し、2番ではボルがクリサンを3-1で撃破。王手をかけた3番ではズースがアポローニャ(ポルトガル)を3-1で下し、あざやかなストレート勝ち。ドイツ代表ドリームチームであるデュッセルドルフが念願のECL制覇を成し遂げた。

 デュッセルドルフはご存じドイツの名門チーム。国内リーグのブンデスリーガでは毎年優勝争いを演じているが、ヨーロッパの強豪クラブが集うECLではなかなか結果が出せずにいた。今回は1999/2000シーズン以来、9シーズンぶり2度目の優勝となった。来季は岸川聖也がブレーメンから移籍してくることが決定。2連覇に期待がかかる。

●ECL男子決勝第2戦 ※左側のチームがホーム
5月17日
オクセンハオゼン 0-3 デュッセルドルフ
 荘智淵 -13、-7、9、-5 オフチャロフ○
 クリサン 8、-7、-3、-8 ボル○
 アポローニャ 9、-5、-9、-7 ズース○

 シンガポール女子代表で世界ランキング11位の王越古が、今季ECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)優勝チームのフロシュベルグ(オーストリア)に移籍することになった。

 王越古は今季、クロッパッハ(ドイツ)の一員としてECLに参戦。12勝6敗とまずまずの成績を残し、チームの決勝進出にも貢献。決勝のフロシュベルグ戦ではリュウ・ジャ(オーストリア)に2度敗れるなど、惜しくも優勝を逃したが、来季はそのライバルチームでプレーすることとなった。

 フロシュベルグの来季のメンバーは、王越古、リュウ・ジャ、バチェノフスカ(チェコ)の3人が決定。リ・チャンビン(オーストリア)、朱虹(中国)の2人もチームに残ることが予想され、超強力布陣で2連覇に挑戦する。
 今季、スペインのカジャグラナダでプレーしていたサムソノフ(ベラルーシ)が、今季限りでチームを離れ、来季はロシアのオレンブルグ・ガスプロムでプレーすることがわかった。

 サムソノフは過去10度のECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)決勝進出を経験しており、“Mr.ECL”とも呼ばれている。しかし、カジャグラナダに移籍した今季は7勝2敗と活躍しながらも、チームは準々決勝でデュッセルドルフに敗れて、11度目の決勝進出を逃していた。そしてわずか1年でカジャグラナダを退団することとなった。

 移籍の理由として、経済的な理由を挙げているが、「ロシアでプレーすることは、新しいモチベーションになるだろう」と、早くも新天地でのプレーに思いをはせている。
 5月10日にECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)男子決勝第1戦が行われた。…と、その前に準決勝第2戦の結果をお伝えしなければならない。準決勝第2戦は4月17日に行われた。第1戦で荘智淵(チャイニーズタイペイ)の活躍でエヌボン(フランス)を破ったオクセンハオゼン(ドイツ)。第2戦では3-1で勝利し、決勝進出を決めた。エヌボンは2番で柳承敏(韓国)がクリサン(ルーマニア)を破ったものの、4番では棄権。また、3番で登場したクレアンガ(ギリシャ)がイェレル(スウェーデン)にゲームオール13本で敗れた。クレアンガはその直前に行われたフランスリーグで負ったケガをおしての出場だったが、結局さらに悪化してしまったようで、世界選手権を欠場することになってしまった。
 デュッセルドルフ(ドイツ)vs.シャルロワ(ベルギー)は3-1でデュッセルドルフが勝利。あとがない名門シャルロワの猛攻にあい、どの試合も競ったが、ドイツ代表を揃ったデュッセルドルフが貫禄を見せた。

 そして、ドイツ勢対決となった08-09シーズンのECL男子決勝。第1戦はデュッセルドルフのホームで行われた。1番はボルがクリサンを下し、2番は荘智淵がオフチャロフに勝利。互いのエースが1点ずつ取り、大事な3番ではズースがアポローニャをゲームオールで下し、デュッセルドルフが2-1とリード。続く4番は絶対的エース・ボルが登場するとあって、誰もがデュッセルドルフの勝利を確信したが、荘智淵相手に第1ゲームを17-19で落とすと、第2ゲームも9-11で競り負け、1-3で敗戦。世界戦を欠場したボルはケガをおしての強行出場となったが、やはり厳しかったようだ。2-2とタイに持ち込まれたデュッセルドルフは5番でオフチャロフがクリサンに敗れ、まさかの逆転負け。ドイツ・ブンデスリーガでは今季2戦2勝だが、この大舞台で思わぬ敗戦を喫した。

 決勝第2戦は5月17日に行われる予定。オクセンハオゼンがこのまま優勝へと突き進むのか、デュッセルドルフの逆転はあるのか。ヨーロッパNO.1のクラブチームが決まる。

●ECL男子決勝第1戦 ※左側のチームがホーム
5月10日
デュッセルドルフ 2-3 オクセンハオゼン
○ボル 4、-8、4、8 クリサン
 オフチャロフ -5、8、-16、9、-4 荘智淵○
○ズース -6、-10、9、8、5 アポローニャ
 ボル -17、-9、7、-7 荘智淵○
 オフチャロフ 3、-8、-12、-2 クリサン○