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 新型コロナウイルス感染症の影響で、4月17日に開催予定だったプレーオフ準決勝が延期されているドイツ・ブンデスリーガ。現状では5月31日以降、6月中の再開を目指して準備が進められている。そのような中でも、各チーム来シーズンに向け、移籍も活発化。着々と次のシーズンを戦う編成が進められている。現段階での、来シーズンの12チームの陣容は下記のようになっている。


※★=新加入
【ザールブリュッケン】
フランチスカ(ドイツ)、ヨルジッチ(スロベニア)、ポランスキー(チェコ)
移籍:プレテア(ルーマニア/→グレンツァオ)

【ボルシア・デュッセルドルフ】
ボル、ワルサー(ともにドイツ)、K.カールソン、シェルベリ(ともにスウェーデン)、アチャンタ(インド)
移籍:O.アサール(エジプト/→フランスリーグ:エンヌボン)

【オクセンハウゼン】
カルデラノ(ブラジル)、ゴーズィ(フランス)、★ジャー(アメリカ/←グレンツァオ)、★クビク(ポーランド/←2部:マインツ)、★クルジツキ(ポーランド/←2部:バート・ホンブルク)
移籍:ディヤス(ポーランド/→ポーランドリーグ:ジャルドヴォ)、フェガール(オーストリア/→ベルクノイシュタッド)、シドレンコ(ロシア/→ノイ・ウルム)

【ブレーメン】
ファルク(スウェーデン)、スッチ(ルーマニア)、ゲラシメンコ(カザフスタン)、アギーレ(パラグアイ)

【ミュールハウゼン】
イオネスク(ルーマニア)、メンゲル(ドイツ)、ヤンカリク(チェコ)、Da.ハベソーン(オーストリア)

【ベルクノイシュタッド】
ドゥダ(ドイツ)、ロブレス(スペイン)、ミノ(エクアドル)、★フェガール(オーストリア/←オクセンハウゼン)
移籍:ドリンコール(イングランド/→フランスリーグ:ジュラ・モレ)

【グリュンヴェッターズバッハ】
チウ・ダン、王熹(ともにドイツ)、ラスムッセン(デンマーク)、★コズル(スロベニア/←ユーリッヒ)
移籍:グナナセカラン(インド/→Tリーグ:岡山リベッツ)

【ノイ・ウルム】
アポロニア(ポルトガル)、シュトゥンパー(ドイツ)、★ルベッソン(フランス/←フランスリーグ:ポントワーズ)、★シドレンコ(ロシア/←オクセンハウゼン)
移籍:ツボイ(ブラジル/→バート・ホンブルク)、サリフ(フランス/→ケーニヒスホーフェン)、ブロッド(スウェーデン)、安宰賢(韓国)

【ケーニヒスホーフェン】
シュテガー、オルト(ともにドイツ)、ゼリコ(クロアチア)、★サリフ(フランス/←ノイ・ウルム)
移籍:及川瑞基(シェークハンズ)

【フルダ・マーバーツェル】
フィルス(ドイツ)、ムン・ファンボー(ドイツ)、★アルナ(ナイジェリア/←ポルトガルリーグ:スポルティング)、★林兆恒(香港/←ポーランドリーグ:ポロニアビトム)
移籍:プツァル(クロアチア/→ロシアリーグ:UMMC)、カイナート(スロバキア)

【グレンツァオ】
スゴウロポウロス(ギリシャ)、★プレテア(ルーマニア/←ザールブリュッケン)、★R.デヴォス(ベルギー/←ユーリッヒ)、★カラカセビッチ(セルビア/←3部:チャンピオン・デュッセルドルフ)
移籍:ボボチーカ(イタリア)、ジャー(アメリカ/→オクセンハウゼン)、リンド(デンマーク/→フランスリーグ:エンヌボン)

【バート・ホンブルク】 ◎2020/21シーズンより1部昇格
シポシュ(ルーマニア)、ホフマイヤー(ドイツ)、カツマン(ロシア)、★ツボイ(ブラジル/←ノイ・ウルム)、★グレブネフ(ロシア/←2部:パッサウ)


 大きくメンバーが入れ替わったのは、2018/2019シーズンに15年シーズンぶりのブンデスリーガ優勝を果たしたオクセンハウゼン。有望株のシドレンコ、中堅のフェガールとディヤスがチームを離れる。シドレンコは参入2シーズン目のノイ・ウルム、フェガールはベルクノイシュタッド、ディヤスは母国・ポーランドリーグの強豪であるジャルドヴォに移籍。オクセンハウゼンでコーチを務めていたD.マズノフもシドレンコとともにノイ・ウルムへ。17歳でヨーロッパU21選手権を制した左腕にかける期待の大きさを感じさせる。2018/19シーズンにオクセンハウゼンに加わったフェガールは、加入1年目でいきなりチームにブンデスリーガ優勝をもたらす活躍を見せたが、今シーズンは5勝8敗と苦戦。ディヤスは今シーズン、チームトップの16勝(5敗)をあげており、ポーランドリーグへの復帰は驚きを持って報じられた。
 オクセンハウゼンに新たに加わるのは2018年ユース五輪銅メダルのジャー。今シーズンはグレンツァオで10勝14敗の成績だったがポテンシャルは高く、3番手として期待される。また、ポーランドの17歳コンビ、クビクとクルジツキとも契約を結んだが、ともに1部でのプレーは初。中堅どころのフェガール、ディヤスに変わる戦力としては少し厳しいだろう。

 来季ブンデスリーガ2シーズン目のノイ・ウルムは積極的な補強を見せており、さらなる躍進への熱意を感じさせる。2019/2020シーズンよりワイルドカードでブンデスリーガに参入し、初めてのシーズンは8位。先に紹介したシドレンコのほか、2016年ヨーロッパ選手権優勝のルベッソンというビッグネームを獲得。アポロニア、ルベッソンの両輪にシドレンコ、シュトゥンパーという若手2人で2年目を戦う。

 レギュラーシーズンを1位で終えたザールブリュッケンは19歳のプレテアは出場機会を求めてグレンツァオへ移籍。プレテアは2シーズンをザールブリュッケンで過ごしたが、2018/19シーズンはヨーロッパチャンピオンズリーグ(ECL)のみの出場、2019/20シーズンはブンデスリーガで6試合、ECLで2試合の出場と、なかなか出場機会を確保できなかった。ザールブリュッケンよりも層が薄いグレンツァオで試合経験を積む意向だ。

 ここ数年、日本人唯一のブンデスリーガーとして活躍を見せていたケーニヒスホーフェンの及川瑞基はドイツを離れることに。新型コロナウイルスの影響もあって、4月上旬にブンデスリーガ公式サイトで来シーズンの契約を結ばないとのニュースが流れた。及川は1シーズン目こそ9勝17敗と苦しむも、2シーズン目は17勝9敗、3シーズン目は11勝7敗と活躍を見せた。ケーニヒスホーフェンはその代役としてサリフを獲得している。

 また、ビッグネームではポルトガルリーグのスポルティングからリオ五輪シングルスベスト8のアルナがフルダ・マーバーツェルへ加入。アルナは初のブンデスリーガでのプレーとなる。フルダ・マーバーツェルは香港の林兆恒も獲得。出場試合は限られているということだが、期待の若手も加入し、10位に終わった今シーズンからの巻き返しを図る。

 ここ数シーズン苦戦が続くグレンツァオはスゴウロポウロス以外のメンバーが総入れ替え。ザールブリュッケンから移籍のプレテアのほか、2部降格となったユーリッヒからR.デヴォスが加入。さらに44歳のカラカセビッチが久々のブンデスリーガ1部に復帰。カラカセビッチはかつて10シーズン、1部のプリューダーハオゼンでプレーしていたが、今シーズンはブンデスリーガ3部(!)のチャンピオン・デュッセルドルフでプレー。ちなみにチャンピオン・デュッセルドルフにはベラルーシの2003年ヨーロッパ選手権団体優勝に貢献したシェチニン、元クロアチア代表のトシッチも所属していた。

 降格となったユーリッヒに代わり、2部から昇格したのがバート・ホンブルク。新型コロナウイルスの影響で残り数試合を残してシーズン打ち切りとなったが、2部では最後まで首位をキープ。その中心として活躍したシポシュ、カツマン、ホフマイヤーの若手3人に、こちらも若手有望株のグレブネフ、そしてブンデスリーガでのプレー経験も豊富なツボイも加入。1部では厳しい戦いが予想されるが、どこまで上位陣に食い下がれるか。
  • 3部から1部に帰ってきたカラカセビッチ

  • アフリカの星・アルナ、ブンデスリーガに上陸

  • オクセンハウゼンで3番手として期待されるジャー

 ヨーロッパ各国では、新型コロナウイルス感染症による活動自粛期間を経て、徐々に練習を再開する国が増えてきている。とはいえ、あくまで規則を遵守したうえでの活動。東京五輪予選に出場する選手のみがスポーツ省から練習を許可されているベルギーでは、練習場に到着したらすぐに検温、練習は1日1回、同時に練習できるのは2人のみ、というような措置がとられている。

 クロアチアでは昨日5月13日から屋内のジムやフィットネス施設、スポーツセンターの営業が許可されたが、その練習再開を前にクロアチア男子代表チームはあるトレーニングを実施。その内容は「銃撃戦」だった。

 銃撃戦と言っても、行われたのは「ペイントボール」と呼ばれる、野菜の色素を原料とした無毒性塗料の入った弾丸(マーカー)を使用するアメリカ発祥のスポーツ。チームに分かれて相手チーム全員をマーカーで撃って倒すことを目的としている。
 このトレーニングを提案したのは23歳のゼリコ。その理由は新型コロナウイルスの影響で代表チームが集まれる機会が少なく、コミュニケーションを取るため。ザグレブ郊外にある専用施設を舞台に選手のほか、コーチやトレーナーも参加して熱戦が展開された。
 世界ランキング47位のガチーナは「転んだり、しゃがんだり、横になったり、這いつくばったり、走ったり、アドレナリンが溢れていた。“戦争”による傷は少しあるけど、とても楽しかった」とコメント。同僚のコジッチの背後から銃を突きつける場面もあったという。

 今年1月に開催された東京五輪団体戦世界予選ではピッチフォード擁するイギリスを下して出場権を獲得したクロアチア。練習の再開を前に、チーム一丸で銃撃戦をエンジョイしていた。


※写真提供:ITTF
  • ペイントボールの提案者・ゼリコ

 ヨーロッパ卓球連合は、新型コロナウイルス感染症の影響で開催が中断されていた2019/2020ヨーロッパチャンピオンズリーグの中止を決定。男女ともに準々決勝が終了し、これから準決勝というタイミングで開催がストップしていたが、無念の中止となった。これにより賞金は準決勝に進出した4チームに均等に分配されるという。

 先日、コロナウイルスによる規制が緩和されたドイツで、ブンデスリーガのグリュンヴェッターズバッハがライブ配信で試合を行い、「仮想チケット」で募金を募る試みを行ったが、オーストリアでも4月中旬から一部の体育館などでトレーニング、練習が可能に。さらに厳正な条件下であれば、小規模なイベントも開催できるという。
 そこでオーストリアの全国放送局「ORF」は、5月2日にテレビ局内で男女混成トーナメント「トップ・オブ・オーストリアチャレンジ」を開催、試合の模様はゴールデンタイムにオーストリア全土に生中継された。

 試合に出場したのは男子がDa.ハベソーンとフェガール、女子はリュウ・ジャとミシェク。女子のエース、ポルカノバが出場する予定だったが、腰の手術を受けることが決まり、代役として若手のミシェクが出場することとなった。

 試合はまずは男子選手同士、女子選手同士で2ゲーム先取の準決勝を行い、勝者は決勝、敗者は3位決定戦へ。男子選手と女子選手の対戦となる優勝決定戦、3位決定戦は女子選手に各ゲーム6点のアドバンテージが与えられ、3ゲーム先取5ゲームズマッチ。最終ゲームは先に6点を取った方が勝利(5-5となった場合はジュース)となる。

 まず準決勝ではフェガールが2-0、リュウ・ジャが2-1で勝利し、決勝へ進出。3位決定戦はミシェクがフルゲームジュースまで迫ったが、Da.ハベソーンが勝利。「やはり男子選手有利か」と思われたが、元ヨーロッパ女王、38歳のリュウ・ジャが奮闘。フェガールとの決勝では7点、3点でいきなり2ゲームを先取。第3、4ゲームはフェガールが奪ったが、5ゲーム目を6-3で奪ったリュウ・ジャが優勝を決めた。

 リュウ・ジャは試合後「本当に楽しかった!」とコメント。「なかなか男子選手と試合をすることはありませんが、私たちが良い試合をすることで、卓球を広くアピールすることができたと思います。自粛期間の後なので、みんなベストコンディションとはいきませんが、今日は良いトーナメントだったと思います」(リュウ・ジャ)

※写真はすべて2019年チームワールドカップ
  • フェガールを下して優勝のリュウ・ジャ

  • 急遽出場のミシェクも健闘

  • 男子のDa.ハベソーン(左)とフェガール

 新型コロナウイルス感染症の影響により、プレーオフの開催が延期されているドイツ・ブンデスリーガ。そんな中、ドイツカップを制したグリュンヴェッターズバッハが4月26日に無観客でのチャリティーマッチ「3 for the ASV」を開催した。

 チャリティーマッチに出場したのは、グリュンヴェッターズバッハのチウ・ダンと王熹(ともにドイツ)、来シーズンより加入するコズル(スロベニア)の3選手に加え、チウ・ダンの兄、チウ・リャン(ドイツ)がゲストとして参加。ライブ配信での無観客開催だが、この試合の「仮想チケット」を販売。チケットの収益は新型コロナの影響で収入、スポンサー収益の減っているグリュンヴェッターズバッハに寄付される。また、この試合に出場した4選手のサインが入った、ブンデスリーガのホームゲームで使用された卓球台もオークションにかけられている。

 グリュンヴェッターズバッハの本拠地・カールスルーエでは4月12日以降、少人数での練習が可能に。これを受けて、ブンデスリーガと映像配信などのテクニカルスタッフの協力のもと、衛生規則に準拠したプレー環境での無観客試合の配信を決定。フロアには出場する選手と審判のみ、試合後の握手はせず、その代わりに台上をアルコールで消毒するなど、様々な対策を講じて試合が行われた。無観客とはいえ、選手入場、さらにはMCもあり、会場内を暗転してミラーボールで演出、さらにはトロフィーも用意されるなど、本番さながらの力の入れようだった。
 試合は王熹とコズル、リャン&ダン兄弟チームに分かれての団体戦。王熹が2得点の活躍を見せて王熹&コズルのチームが勝利を収めた。

 また、グリュンヴェッターズバッハの他にも、ブンデスリーガの映像配信を行っているSportdeutschland.TVとの協力でボルシア・デュッセルドルフ、グレンツァオ、フルダ・マーバーツェル、ザールブリュッケン、ミュールハウゼンもチームのための寄付を呼びかけている。今後もこのような形での試合配信が行われるかもしれない。

★3 for the ASVの映像はこちら
http://ttbl.de/ttbl-tv
  • チャリティーマッチで2得点の王熹(写真は2016年ジャパンオープン)

 現在世界ランキング37位、2015年世界選手権女子シングルスでベスト16に入るなど、スウェーデン女子のエースとして活躍してきたマティルダ・エクホルムが引退を発表。ITTF(国際卓球連盟)のホームページでコメントを発表した。

 引退に関しては、明確な理由はなく様々な要素があった上で「徐々にそうした気持ちが出てきた」とのこと。そのひとつにプラスチックボールへの移行をあげ「回転を重視した私のスタイルでは、プラボールでは不利になる。それを補うためには、さらにトレーニングを積む必要があり、それは私の年齢(38歳)では難しいと感じた」とコメント。また「選手としてでなくても、スポーツに貢献することはできる」と感じ始めたことも引退を決断した理由のひとつだという。

 スウェーデン・リンショーピングで生まれたエクホルムは兄の影響で卓球を始めた。13歳までは卓球のほかにサッカーもしており、卓球の練習は「週2、3回で1回1時間ほどだった」と以前、弊誌のインタビューで語っている。ナショナルチームに入ったのは18歳の頃で、相当に遅いケース。しかしそこから頭角を表し、スウェーデン女子のエースに登り詰め、2017年4月には20位まで世界ランキングをあげた。
 長身を活かし、女子選手にしては珍しくロビングも交えた中陣・後陣からの両ハンドドライブを武器にした男性的なスタイルのエクホルム。これは誰かに指示されたわけなくプレーする中でナチュラルにたどり着いたスタイルだったという。また、10代から20代前半まで男子選手と練習することが多かったことも、ひとつの要因だったと分析した。

 そしてエクホルムと言えば、出場資格を獲得しながらも2度オリンピック出場を逃した「悲劇のヒロイン」。2008年北京、2012年ロンドンと2大会続けて予選を通過しながらも、スウェーデン五輪委員会から「世界でベスト8に相当する実力」という派遣基準を満たしていない、「年齢的に将来性を見込めない」などの理由で出場を承認されず。ロンドン五輪の際は、世界最終予選で優勝しながらも涙を飲んだ。
 落胆するエクホルムを支えたのは、スウェーデン卓球協会や周囲の人々だった。ロンドン五輪の際には、ITTFがエクホルムを会場に招待。こうしたサポートに対し「私が前を向いてプレーするために重要なサポートだった」とエクホルムは感謝を述べた。そして2016年リオ五輪でエクホルムはついに五輪の舞台に立つ。3回戦で田志希(韓国)に敗れたが、「リオでのプレーは素晴らしかった」と北京五輪から8年、34歳でつかんだ初の五輪を振り返った。
 「印象に残るゲームは?」というITTFからの質問に対しては自己最高のベスト16まで勝ち上がった2015年の世界選手権個人戦、地元・スウェーデンで開催された2018年の世界選手権団体戦をあげた。特に2018年大会ではグループリーグで全勝、シンガポール戦では相手エースの馮天薇を下すなど「ハルムスタッドでのパフォーマンスは一番印象深い」と述べている。

 また、「これまで対戦した中で強いと感じた選手は?」という質問にも答えており、「1ゲームで6点以上取ったことがない」と陳夢(中国)をピックアップ。また、当時12歳の伊藤美誠(スターツ)に敗れたことを、「今では納得できるし、笑えるけど、当時はそうではなかった」と印象に残る選手のひとりにあげた。

 引退後は新型コロナウイルス感染症が収まれば、夏の終わりにパートナーの暮らすニューヨークへ移住し、今後どのように卓球に関わっていくかゆっくり考えたいとコメント。また、ハルムスタッド大学でスポーツ科学について学び、学位を取得することも楽しみだと言う。

 2度の悲劇を味わいながら、決して折れない不屈の魂で五輪の舞台に立ったエクホルム。偉大なオリンピアンのこれからに、幸多きことを。
  • リオ五輪でプレーするエクホルム

 数日前、ヨーロッパ卓球連合がホームページとフェイスブックで新型コロナウイルス影響下での選手の過ごし方を紹介している記事をお伝えしたが、その後も続々と選手の近況がアップされている。

 今シーズンはTリーグでプレーしたピッチフォード(イングランド)は自宅のあるノッティンガムに滞在中。「賢く時間を費やして、心身の健康を可能な限り保つ」ように過ごしている。現在は1日1回、屋外での運動が許可されているとのことで、森の中を走ったり、自宅にあるトレーニング器材で運動を行っているという。また、ETTUからの「新しい趣味は見つけましたか?」という質問には、ヨガを始めたとコメントしている。ピッチフォードのイングランド代表の同僚、ウォーカーは父親が地元クラブの体育館を管理しているそうで、タイミングが良ければ、コーチと特別に練習をすることが可能だという。ただ、フルタイムでの練習はできず、ウォーキングや自宅でのエクササイズで体調維持を行っているとのこと。
 ポルトガルのエース、フレイタスは3月11~15日に行われたITTFチャレンジプラス・オマーンオープンに出場するなど、各国の空港を経由し帰国したため、ポルトガルに到着後、検疫を受け、2週間の隔離生活を余儀なくされた。マデイラの自宅で暮らしているものの、感染の危険性を考慮して両親とは対面していないという。家から出られない状況でも、早寝早起き、よく食べて、室内でできる運動を行うなどして過ごしている。
 欧州女子世界ランキング最上位のポルカノバ(オーストリア)は散歩や買い物のために外出することもあるが、人と一定の距離を保つこと、混雑する場所は避けるように生活している。もちろん、フィットネスコーチから与えられたプログラムに沿ってのトレーニングにも励む。また、ピッチフォードと同様に、ヨガにも毎日取り組んでいるそうだ。また、ハンガリーのマダラシュは毎日のエクササイズのほか、ボードゲームとカードゲームを購入し、毎日のプログラムに取り入れている。これも試合での戦術を磨くひとつのトレーニング?

 そして今回も各選手のオススメ映画&ドラマ、書籍をピックアップ。ピッチフォードは前回紹介したシドレンコ(ロシア)と同じくファンタジー小説をドラマ化した「ゲーム・オブ・スローンズ」がお気に入り。ウォーカーはギャンググループを題材にしたドラマ「ピーキー・ブラインダーズ」のほか、クエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」、希望の美しさを描いた「ショーシャンクの空に」、マーティン・スコセッシ監督の「カジノ」と90年代の名作映画もピックアップ。フレイタスは感染症の恐怖とパニックを描いた映画「コンテイジョン」を「今の状況化で見るべき」とレコメンドにあげた。
 ポルカノバのオススメはアメリカのコメディドラマ「フレンズ」。書籍ではアメリカの人気作家兼ブロガーのマーク・マンソンの作品が好み。デヌッテ(ルクセンブルク)は理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士と元妻を描いた映画「博士と彼女のセオリー」を推薦。

 先の見えない状況が続くが、こんな時だからこそ垣間見える、選手の意外な一面を楽しんでみるのも悪くない。
  • 帰国後、検疫&隔離を余儀なくされたフレイタス

 イタリアでは新型コロナウイルスによる死亡者が5000名を越えるなど、深刻さを増すヨーロッパ。佳境を迎えつつあったヨーロッパの各国内リーグも中断となり、自国を離れてプレーする選手もほとんどが故郷に帰国。外出を控えるように通達されている国家もあり、各選手とも自宅で長い時間を過ごす日々が続いている。

 卓球王国でも卓球元気ネットワーク(https://world-tt.com/blog/)にて日本トップ選手からのコメントなどを掲載中だが、ヨーロッパ卓球連合(ETTU)は各選手がどのように新型コロナウイルスの影響下で生活を送っているのか、練習できない時間をどのように過ごしているのかなどをホームページおよびフェイスブックで伝えている。

 まず、体が資本のアスリートだけあって各選手とも外出は極力控え、その中でも軽いランニングや室内、自宅でできるトレーニングに励んでいる。自宅に卓球台がある場合はそこで練習もできるが、大きく動き回れるスペースがある選手は少ないようで、多球練習やマシンを使った練習が多いようだ。オフチャロフ(ドイツ)は現在、妻と子どもとともに両親の家で生活しており、ガレージにある卓球台で元プロ選手の父・ミカエルさんに球出しをしてもらい、1日2度の練習を実施。
 スペインで暮らすガルドス(オーストリア)も自宅に卓球台があり、子どもたちの宿題のサポートや面倒を見る合間にサービス練習やマシンを使って1時間半ほどの練習を行っている。9歳、4歳、2カ月と3人の子どものパパであるガルドス。色々と不自由の多い生活だが、普段はワールドツアーにフランスリーグなど各地を飛び回って多忙な日々を送っているだけに、家族と過ごす時間をエンジョイしているとETTUのインタビューに対して語っている。
 卓球台がなくとも、ラリーを楽しんでいるのがルーマニアのスッチ兄妹。自宅のテーブルを卓球台に見立て、兄妹でラリーを楽しむ様子がフェイスブックにアップされている。

 とはいえ、限られた環境でのトレーニングだけでは1日は長過ぎるということで、趣味や勉強に時間を費やす選手も多い。Da.ハベソーン(オーストリア)は「この機会に」と新たな趣味として株式投資に挑戦しているそうだ。3月に開催されたヨーロッパU21選手権優勝のシドレンコ(ロシア)も修行中のドイツから家族の暮らすロシア・サンクトペテルブルクに帰省中。サンクトペテルブルクでは新型コロナ対策が強化されているということで、家からは極力出ないように生活しているとのこと。体調管理に注意しつつ、17歳ということもあってスカイプでの勉強に励んでいる。
 ヨーロッパトップ12で準優勝に輝いた21歳のヨルジッチ(スロベニア)はいくつかのエクササイズと外でのランニングでコンディション管理を行っているが、それ以外の時間はテレビゲームに熱中。ドイツのハン・インも旦那様と合間の時間に任天堂のゲームを楽しみ、ノスコワ(ロシア)はこの機会に新しいプレイステーションを購入。ギリシャ・アテネに住むギオニス(ギリシャ)はオンラインゲームだけでなく、実際に友人と会ってバックギャモン(ボードゲームの一種)も嗜む。
 
 選手たちの余暇の過ごし方でゲーム以上に多かったのがネットでの動画ストリーミングサービス「Netflix」での映画&ドラマ鑑賞。何人かの選手のオススメ作品を見ていこう。
 オフチャロフのオススメはアメリカのサスペンスドラマ「Messiah(メシア)」。奥様とは映画やドラマの好みがなかなか合わないそうだが、この作品はともに気に入ったそうだ。サマラ(ルーマニア)も家で過ごす時間の多くをNetflixで楽しんでおり、スペインの学園ドラマ「エリート」を見終え、アメリカの警察コメディドラマ「LUCIFER(ルシファー)」を視聴中とのこと。ヨルジッチは高校教師が家族のため、危険な副業に挑む「ブレイキング・バッド」がイチオシ。「ブレイキング・バッド」はDa.ハベソーンも推薦の作品に挙げた。ギオニスはアメリカの麻薬捜査官を描いた犯罪ドラマ「ナルコス」が再生リストのトップに。
 17歳のシドレンコは読書も好きとのことで「ゲーム・オブ・スローンズ」に「ハリーポッター」、「シャーロック」や「13の理由」などを小説で読んだ後に、Netflixでドラマ、映画化された作品を見るという。読書に関してはDa.ハベソーンもコメントしており、イギリスの理論物理学者、スティーヴン・ホーキング博士の著書「 Brief answers to the big questions(大きな質問に対する簡単な答え)」をオススメの1冊にピックアップ。人類や宇宙、神など壮大かつ難解な疑問にホーキング博士がわかりやすく答えるこの本は「ビッグ・クエスチョン〈人類の難問〉に答えよう」という書籍名で日本語版も発売されている。

 欧州のトッププレーヤーも日本と同様に満足な練習ができない状況が続くが、こんな時だからこその時間の使い方で再び始まる戦いに備えている。読者の皆様も彼ら彼女らの過ごし方を参考にしたり、オススメ作品を楽しんでみてはいかがだろうか?


●ヨーロッパ卓球連合HP
https://www.ettu.org/en/news/

●ヨーロッパ卓球連合facebook
https://www.facebook.com/ETTUofficial/
  • Da.ハベソーンは株式投資にトライ。読書のチョイスも素敵です

 ドイツ・ブンデスリーガは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月22日に行われる予定だったレギュラーシーズン最終戦となる第22節を開催しないことを発表。上位4チームによるプレーオフは行われる予定で、準決勝は4月17日以降で調整中、決勝は当初の予定どおり6月6日に開催される予定となっている。
 プレーオフを戦う4チームは第21節で決定済み。本来であれば最終戦で順位が決定し、準決勝の対戦カードが決まる予定だったが、第21節終了時点の順位が最終順位となり、1位のザールブリュッケンと4位のブレーメン、2位のボルシア・デュッセルドルフと3位のオクセンハウゼンの対戦に決まった。レギュラーシーズン1位のザールブリュッケンだが、ブレーメンには今シーズン0勝2敗とわずか4敗でシーズンを戦い抜いたザールブリュッケンにとっては天敵とも言える相手だ。ボルシア・デュッセルドルフとオクセンハウゼンは1勝1敗の五分となっている。
 レギュラーシーズンの打ち切りにともない、個人成績も確定。トップ10は下記のとおりだが、今シーズンからブンデスリーガに参戦した尚坤(中国)が1位。レギュラーシーズン1位のザールブリュッケンを牽引した。及川瑞基(専修大)は11勝7敗でワルサー(ドイツ)、イオネスク(ルーマニア)と並び15位だった。

【ドイツ・ブンデスリーガ個人成績】
1位:尚坤(ザールブリュッケン/中国):20勝4敗
2位:ボル(ボルシア・デュッセルドルフ/ドイツ):16勝0敗
3位:アポロニア(ノイ・ウルム/ポルトガル):21勝6敗
4位:ファルク(ブレーメン/スウェーデン):23勝10敗
5位:ディヤス(オクセンハウゼン/ポーランド):16勝5敗
6位:ドゥダ(ベルクノイシュタッド/ドイツ):20勝11敗
7位:ヨルジッチ(ザールブリュッケン/スロベニア):14勝5敗
7位:シェルベリ(ボルシア・デュッセルドルフ/スウェーデン):14勝5敗
9位:カルデラノ(オクセンハウゼン/ブラジル):11勝3敗
10位:ゴーズィ(オクセンハウゼン/フランス):15勝7敗


 また、最下位に終わったユーリッヒは金銭的な事情により、来シーズン1部でプレーするライセンス申請の撤回を発表。2020/2021シーズンは2部で戦うこととなる。2018/2019シーズンに1部に帰ってきたユーリッヒだったが、1年目は0勝20敗と勝ち星なしで最下位。2年目の今シーズンは第9節で初勝利をあげて、シーズン跨ぎの28連敗から脱出したが、この勝利を最後に勝ち星はなく1勝20敗でシーズン終了。2シーズンで1勝40敗と散々な成績で1部を去った。

 そのユーリッヒに変わり、来シーズン1部昇格が濃厚なのが2部のバート・ホンブルク。すでに1部で戦うためのライセンスを取得しており、2部でも10勝2敗2分けで首位と来シーズンの1部昇格は確実な状況だ。デサイ(インド)、シポシュ(ルーマニア)、カツマン(ロシア)、クルジツキ(ポーランド)、ホフマイヤー(ドイツ)と若手ばかりのラインナップで勝利を重ねているが、来シーズン1部で戦うには補強も必要となるだろう。
 新型コロナウイルス感染症の影響で各種大会の延期や中止の発表が相次ぐが、欧州各国の国内リーグは予定どおり開催中。とはいえ、決して平常運転というワケではなく、消毒や握手の自粛など、様々な対策を講じて佳境を迎えた2019/2020シーズンを戦っている。そんな欧州各国リーグの現状を数回に分けて紹介していく。

 今回紹介するのはフランスリーグ。1部は「プロA」と呼ばれ、10チームでタイトルを争う。かつて松下浩二や吉田海偉(東京アート)がプレーし、ここ数年でも丹羽孝希(スヴェンソン)や松平賢二(協和キリン)、田添健汰(木下グループ)もこのリーグに参戦。リーグ全体のレベルで言えばドイツ・ブンデスリーガには及ばないが、参戦選手の名前を見ても、地元フランス勢にヨーロッパの中堅どころ、中国系の選手も多く、ポーランド・スーパーリーグと並んで欧州ナンバー2と言えるレベルだろう。
 2013/2014、2015/2016シーズンにはフレイタス(フランス)、K.カールソン(スウェーデン)らを擁してポントワーズがヨーロッパチャンピオンズリーグを制覇。昨シーズンもアンジェがベスト4まで勝ち上がっている。

 そんなフランス・プロA、今シーズンは「伏兵」クラブの躍進が目立っている。現在、勝ち点32で首位に立っているのがルーアン。2016/2017シーズンに2部にあたる「プロB」を制してプロAに昇格。プロA1年目の2017/2018シーズンは5位、2018/2019シーズンは6位に終わっていたが、今季は第11節で敗れるまで開幕から10連勝。ベテランのガルドス(オーストリア)がエースとしてどっしり構え、A.ロビノ、アックズとフランスの若手2人が活躍。ペン表のカンテロ(スペイン)も6勝1敗と渋い輝きを放っている。
 2位はプロAに昇格して今季が6シーズン目のジュラ・モレ。2017/2018シーズンには3位になったが、プロAでの優勝はない。過去に中国代表でワールドツアーに出場した経験を持つ翟超を柱に、オラー(フィンランド)、スカチコフ(ロシア)が揃う。現在ルーアンとは勝ち点2の僅差で逆転優勝を狙う。3位のセント・デニスも勝ち点28でルーアンとは勝ち点4差で優勝のチャンスあり。セント・デニスは長くフランスリーグでプレーするイェレル(スウェーデン)が今シーズンから加入し、地元フランスのカシンとボウロッサも奮闘を見せている。

 一方、上位常連の強豪は今シーズン苦戦が続く。昨シーズンECLベスト4のアンジェもルンクイスト(スウェーデン)、ジェラルド(ポルトガル)の勝利数が思いのほか伸びず、Jon.パーソン(スウェーデン)が孤軍奮闘中で、セント・デニスと同率の3位。かつてのECL王者・ポントワーズは勝ち点25の5位。ルベッソン、フロールのフランス代表2人に、2013年世界選手権シングルスベスト16のマテネ(フランス)、元ヨーロッパ選手権2位のバウム(フランス)が揃うが、なかなか波に乗れない。
 4度のプロA優勝経験のあるエンヌボンも6位と低迷。ニュイティンク(ベルギー)、ウォーカー(イングランド)、Q.ロビノ(フランス)という代表クラスが並ぶも、5勝7敗と苦しんでいる。

 3月10日現在、全18節のうち各チーム13〜11節までを消化したプロA。シーズンは6月まで続くが、お隣イタリアでも新型コロナウイルスが猛威をふるっており、無事にシーズンを完走できるかは不透明。快進撃を見せる伏兵チームにとっては気が気でない状況だろう。
  • まだまだ強い41歳のガルドスがルーアンを引っ張る(写真は2019年チームワールドカップ)

 スウェーデン・エリートリーグは昨日の試合でレギュラーシーズン全日程を消化。英田理志(愛媛県競技力向上対策本部)の所属するエースレーブが1位でプレーオフに進出。神巧也(T.T彩たま)所属のソーダハムも3位に食い込み、プレーオフ進出を決めている。
 エースレーブはレギュラーシーズン14試合を戦って負け無しの14勝。今シーズンから加入した英田が個人成績で最多勝となる17勝2敗、T.T彩たまでもプレーしたモーレゴード(スウェーデン)が12勝0敗、他にもエチェキ(ハンガリー)が13勝3敗、コシバ(ハンガリー)が9勝と穴のない布陣で勝ち点41を積み重ねた。
 2位は勝ち点34のハルムスタッド。地元スウェーデンのラーネフール(15勝4敗)、オーケストロム(13勝4敗)、アルビドソン(11勝5敗)が活躍。イングランドの若手有望株、ジャーヴィスも10勝をあげた。
 神のほか、坪井勇磨(東京アート)もプレーしたソーダハムは勝ち点23で3位。神が11勝1敗と大車輪の活躍。しかし、ヨート(スウェーデン)が11勝8敗の成績を残したほかはなかなか勝ち星があげられず、2位のハルムスタッドとは勝ち点で差をつけられた。
 4位は勝ち点17のファルケンベリはタンビリヤベチャクル(タイ)、フランゼン(スウェーデン)、アン・シュー(中国)の3人がコンスタントに勝ち星を重ねてチームを引っ張った。
 
 個人成績トップ10は下記のとおり。他、オベシュロ(チェコ)が13勝10敗、タンビリヤベチャクルが12勝8敗の成績。2001年世界選手権団体戦の銅メダルメンバーである40歳・モリーン(スウェーデン)が12勝10敗の成績を上げている。

【2019/2020 スウェーデン・エリートリーグ個人成績】
1位:英田理志(エースレーブ):17勝2敗
2位:彭王維(ムンケダル/チャイニーズタイペイ):13勝0敗
3位:モーレゴード(エースレーブ/スウェーデン):12勝0敗
4位:ラーネフール(ハルムスタッド/スウェーデン):15勝4敗
5位:エチェキ(エースレーブ/ハンガリー):13勝3敗
6位:神巧也(ソーダハム):11勝1敗
7位:オーケストロム(ハルムスタッド/スウェーデン):13勝4敗
8位:コシバ(エースレーブ/ハンガリー):9勝1敗
9位:セダルンド(ムンケダル/スウェーデン):17勝10敗
10位:ヴォステス(シェーブリンゲ/ベルギー):12勝6敗

 プレーオフは準決勝が3月31日から、決勝が4月14日から開催される予定だ。
  • スウェーデンで3シーズン目、看板選手となった英田(写真は2020年全日本選手権)

  • 神はTリーグ、国際大会と掛け持ちのタフな環境で11勝(写真は2019年ジャパントップ12)

  • モーレゴードはレギュラーシーズン負け無し(写真はTリーグでのプレー時)