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2017世界ジュニア選手権大会

日本女子、決勝進出! 韓国を3−0で完封!!

●女子団体準決勝
〈日本 3−0 韓国〉
○加藤 5、4、4 金裕珍
○木原 7、−8、7、−6、5 金智淏
○長﨑 4、−9、3、10 シン・ユビン

〈中国 3−0 ルーマニア〉
○孫穎莎 3、6、6 ディアコヌ
○王曼昱 4、18、3 ドラゴマン
○石洵瑶 2、5、10 プライアン

日本女子、韓国にストレート勝ちで決勝進出!!

トップ加藤が金裕珍のミドルを鮮やかに攻略し、完勝した一戦で試合の流れは決まった。2番木原は競り合いながらも、サービスのうまさとバック表ソフトの変化で粘り強く金智淏に勝利。3番長﨑は、新鋭シン・ユビンの思い切りの良いフォアフリックにたびたび抜かれる場面もあったが、ミドルへのバックドライブがよく効いた。各選手が役割を果たした、会心の勝利だ!

準決勝のもうひと試合は、中国がルーマニアを相手に1ゲームも落とさず、決勝進出。水平に振り抜く強打が持ち味のディアコヌも、孫穎莎のサービス・レシーブと両ハンドのループドライブに翻弄された。2番のドラゴマンが、2ゲーム目に王曼昱から何度もゲームポイントを奪ったが、あと1点が遠く、3ゲーム目は0−8まで離された。勝って当たり前という雰囲気が漂う、中国はやはり強い。
  • 完ぺきなカット打ちを披露した加藤

  • 金裕珍、出足からうまくミドルを攻められ、完敗

  • 木原、ゲームオールでの勝利に満点の笑顔

  • 3番できっちり役割を果たした長﨑

  • ルーマニア戦トップでディアコヌに完勝した孫穎莎

男子団体準々決勝、残りの3試合の結果は下記のとおり。

韓国はここまで精細を欠いていたエース安宰賢が2勝を挙げ、タイペイに勝利。やり慣れている対アジアのほうが、力を発揮できるのだろう。タイペイはエース林昀儒に2点取りの期待がかかったが、球威は以前より増しているものの、勝負に淡泊なプレーは相変わらず。

中国は第2ステージの2試合に続き、薛飛と王楚欽の2点起用、3番徐海東というオーダー。王楚欽が1ゲームを落としただけで、あっさり準決勝へ駒を進めた。

そして準々決勝で随一の好ゲームが、ルーマニア対アメリカ。ルーマニアはトップでゲームオール12−10で勝利したプレテアが、歓喜のあまりフェンスを跳び越えて謎の「退場」。それくらい各選手ともヒートアップしていた。アメリカはエースのカナク・ジャーが2勝を挙げたが、ルーマニアは第2ステージの韓国戦に続き、長身のシポシュがラストに立ちはだかった。シポシュも試合中に相当熱くなるタイプなのだが、ラストなどの緊迫した場面になると集中力が高まり、冷静なプレーに徹することができる。用意したボールが3個とも割れる大熱戦の末、最終ゲームは大きくリードしたシポシュに軍配。

試合後、勝利を決めたシポシュに各選手が飛びつき、「ルーマニア!ルーマニア!」の大合唱。周りの応援団も、審判長から注意を受けるほど熱くなった。ルーマニア、男女揃ってのベスト4進出は見事だ。


●男子団体準々決勝
〈韓国 3−1 チャイニーズタイペイ〉
○安宰賢 4、8、7 黎昕陽
 ペク・ホギュン 7、−5、−6、3、−6 林昀儒○
○クァク・ユビン 6、−9、−5、8、18 馮翊新
○安宰賢 3、−5、6、6 林昀儒

〈ルーマニア 3−2 アメリカ〉
○プレテア 10、−11、7、−8、10 S.アリゲッティ
 シポシュ −9、11、−8、−6 ジャー○
○オプレア −6、7、8、8 A.アリゲッティ
 プレテア 8、−7、9、−5、−12 ジャー○
○シポシュ 3、−10、−8 10、6 S.アリゲッティ

〈中国 3−0 ドイツ〉
○薛飛 2、6、7 ヒップラー
○王楚欽 2、8、−6、3 エンゲマン
○徐海東 3、5、8 マイスナー
  • 「見たかい!」とルーマニアのプレテア

  • 強烈な両ハンドドライブを放つシポシュ

  • ルーマニアチーム、歓喜が大爆発!

  • 韓国を準決勝へと導いた安宰賢

●男子団体準々決勝
〈日本 3−2 フランス〉
○木造 −11、9、8、9 ロラン
○田中 −5、8、5、5 ベルトラン
 髙見 −10、2、−11、8、−9 ランベール○
 木造 6、−8、6、−3、−7 ベルトラン○
○田中 6、10、7 ロラン

なんと3時間2分に及ぶ大熱戦。日本男子、フランスに5番ラストまで粘られながらも勝利!

フランスは昨年までのエースであるカサンが上の年代に上がり、右シェークドライブ型のロランに、左シェークドライブ型のベルトランとランベールという顔ぶれ。ロランとランベールはチキータが得意で、3番髙見は最後までランベールのチキータに苦しんだ。最終ゲーム7−3とリードし、勝利は目前だったのだが……。

そして4番で木造を破ったメガネのベルトランは、長身で懐が深く、粘り強いブロックで木造を振り回した。対チキータのラリーには強くなっている日本だが、深く切ったツッツキを打たされ、ループドライブからの展開になるとミスが増える。今大会で使用されている『STAG』の卓球台はボールがすべりやすく、ループドライブに対する回転の残ったブロックは沈んだり、飛んでこなかったりすることも影響しているのだろう。

ここでチームのピンチを救ったのは田中。チキータ封じの強い下回転のサービスをうまく使い、3球目バックドライブは一発で決まる威力があった。第2ゲーム8−10のビハインドから4点を連取して逆転し、そのまま押し切った。

試合後、田中にインタビューしたITTFのイアン・マーシャルさんから、しばらくして「あのタナカは、1950年代に活躍したトシアキ・タナカと関係あるの?」との質問。「関係ないですよ」と答えたら、「良い名前だね!」とのこと。タナカさん、海外の人には珍しく感じられるんですね…。

★殊勲の星、田中の試合後のコメント
「世界ジュニアは初めての出場で緊張することが多いですが、落ち着いてプレーすることを常に意識していて、それを試合でも発揮できたと思います。
5番の2ゲーム目に8−10になった場面では、自分が開き直らなきゃいけないと思って、それまで順回転(右横回転)のサービスを出していたのが、下回転を切ってサービスエースを狙って、返ってきても対応できるように準備していました。今は緊張から解放されて、ホッとしています」
  • ラスト田中、殊勲の勝利!

  • 3番髙見、決してプレー内容は悪くなかった。次戦に期待

  • 4番で木造を破ったクセ者・ベルトラン

  • フランスのもうひとりの左腕、ランベールは髙見を破る

  • ITTFのイアン・マーシャルさんからインタビューを受ける田中

日本女子、チャイニーズタイペイにストレート勝ちでメダルを決めた!

昨日の香港戦での敗戦で「目が覚めた」エース加藤が、トップで圧勝。幸先の良いスタートを切ったが、2番長﨑があれよあれよという間に2ゲームを落とす。「相手の嫌なところは特になかったですけど、台がすごくすべるし、ボールが飛んでこなくて、それが自分の中で引っかかってしまった」と試合後の長﨑。しかし、3ゲーム目から徐々にリズムを取り戻し、レシーブにも迷いがなくなった。「これで勢いに乗っていけると思います。メダルが決まったという実感はないですけど、これで満足せずに、金メダルが獲れるよう頑張ります」(長﨑)。

3番木原はフォアストレートに放つ合わせ打ちのカウンター、強烈なフォアドライブで快勝。少しずつプレーの歯車がかみ合ってきている日本女子。「気持ちの面で良い戦い方ができたと思います。昨日負けたのが良い刺激になった。油断していたつもりはなかったし、経験から厳しい戦いになるということはわかっていても、実際に体験してみないとわからない部分がある。エースの加藤が敗れて、それを実感して、みんな目が覚めた」。試合後の渡邊隆司監督はそう語った。チームのキーワードは「勇気を持って戦う」。準決勝の韓国戦でもその気持ちを忘れず、悔いのない戦いを見せてほしい。

日本以外の3試合は韓国、ルーマニア、中国という強豪が勝ち上がり、準決勝は日本対韓国、中国対ルーマニアという組み合わせになった。

●女子団体準々決勝
〈日本 3−0 チャイニーズタイペイ〉
○加藤 6、4、4 李幼芃
○長﨑 −9、−1、7、5、8 蘇珮綾
○木原 8、7、4 陳亭婷

〈韓国 3−0 アメリカ〉
○金智淏 −10、7、8、4 クリスタル・ワン
○金裕珍 2、6、8 エミー・ワン
○シン・ユビン −7、−6、6、9、5 レイチェル・スン

〈ルーマニア 3−1 ドイツ〉
○ドラゴマン 10、4、6 ヴォルフ
○ディアコヌ 10、4、11 シュライナー
 プライアン −5、−10、−8 クレー○
○ディアコヌ 10、9、8 ヴォルフ

〈中国 3−0 セルビア〉
○王曼昱 2、2、1 ヨキッチ
○孫穎莎 3、6、6 ビグニェビッチ
○石洵瑶 9、6、9 ルプレスク
  • フォアハンドの手数が増え、攻撃的なプレーを見せる加藤

  • 長﨑、価値ある逆転勝利

  • 木原は緊張を感じさせないプレーで、大物ぶりを発揮

  • 長﨑から2ゲームを先取した蘇珮綾

  • 右からみゆサン、みゆうサン、みゆうサンです

●男子団体準々決勝のドロー
日本 vs. フランス
韓国 vs. チャイニーズタイペイ
ルーマニア vs. アメリカ
ドイツ vs. 中国

●女子団体準々決勝のドロー
日本 vs. チャイニーズタイペイ
アメリカ vs. 韓国
ルーマニア vs. ドイツ
セルビア vs. 中国

男女準々決勝のドローは上記のとおり。男女とも準決勝で韓国と当たる可能性がある組み合わせだが、男子の韓国対チャイニーズタイペイは互角の戦いだ。女子は確実に韓国が勝ち上がってくるだろう。厄介なのはエースのカットマン金裕珍(下写真)。前回大会のシングルスで伊藤美誠を破った選手で、カットの安定性にさらに磨きがかかっている。
  • 非常に粘り強い金裕珍。日本と対戦すれば2点起用は確実か

男女団体第2ステージ、日本に次いで第2シードの中国は、ともに1点も落とさずに準々決勝へ勝ち上がった。
しかし、気になるのはそのオーダー。女子は初戦で、明らかに格下のブラジルに対し、王曼昱と孫穎莎というツートップを2点起用。続くアメリカ戦も3番を銭天一から石洵瑶にスイッチしただけで、王曼昱と孫穎莎を使い続けた。男子も同様で、2試合とも世界ジュニアでの経験豊富な王楚欽と薛飛を2点起用、3番に徐海東というオーダー。圧倒的な強さと裏腹に、ローリスクな戦いに徹している。

今回、日本男子チームにスタッフとして帯同している董崎岷コーチ(美崎クラブ)に、中国の戦いぶりについて少し聞いてみた。「今回、中国は男女とも本当のベストメンバーですね。去年、男女両方とも団体で負けたことも関係しているでしょう。それに今年、中国の卓球界はいろいろあって、プレッシャーが大きい。この大会はジュニアの大会ですけど、負けるわけにはいかない大会です。だからベストメンバーなんです」。国からのプレッシャーが、経験や育成を重視したオーダーを組むことを許さないのだ。

一方、男子の有望株である牛冠凱は、チームで唯一コートに立っていない。第2試合を前にした練習会場では、コーチに厳しく叱責され、直立不動で話を聞く牛冠凱の姿があった。その後の練習でも、他のメンバーは軽い調整だったが、牛冠凱だけ全面をフォアで動いてカウンターするハードな多球練習をこなしていた。2カ月前の男子国家1・2軍チームの入れ替え戦で1軍に上がり、2軍をわずか2カ月で「クリア」。張継科や馬龍以上の逸材とも言われる牛だが、団体戦でのデビューはあるのか。

男女団体第2ステージの結果は下記のとおり。

★男子団体第2ステージの結果
E 1位:日本(2勝0敗)/2位:ドイツ(1勝1敗)/3位:イタリア(0勝2敗)
F 1位:中国(2勝0敗)/2位:フランス(1勝1敗)/3位:インド(0勝2敗)
G 1位:ルーマニア(2勝0敗)/2位:韓国(1勝1敗)/3位:スウェーデン(0勝2敗)
H 1位:チャイニーズタイペイ(2勝0敗)/2位:アメリカ(1勝1敗)/3位:ロシア(0勝2敗)

☆女子団体第2ステージの結果
E 1位:日本(2勝0敗)/2位:セルビア(1勝1敗)/3位:香港(0勝2敗)
F 1位:中国(2勝0敗)/2位:アメリカ(1勝1敗)/3位:ブラジル(0勝2敗)
G 1位:韓国(2勝0敗)/2位:ドイツ(1勝1敗)/3位:ロシア(0勝2敗)
H 1位:ルーマニア(2勝0敗)/2位:チャイニーズタイペイ(1勝1敗)/3位:チェコ(0勝2敗)
  • サービスから両ハンドドライブをビシビシ決めている王楚欽

  • 孫穎莎、ボールに回転をかけるセンスは抜群

  • 劉志強監督から、強い口調で指導を受けていた牛冠凱

●男子団体第2ステージ
〈ルーマニア 3−2 韓国〉
○プレテア 5、6、9 ペク・ホギュン
○シポシュ −9、−11、12、4、8 アン・ジェヒュン
 オプレア −6、−10、−10 クァク・ユビン○
 プレテア −9、8、5、−5、−3 アン・ジェヒュン○
○シポシュ −7、4、−5、16、6 ペク・ホギュン

男子団体第2ステージ、ルーマニアが韓国を破り、グループG1位通過を決めた。その立役者となったのはシポシュ。前回大会のシングルスで木造を破った選手だ。相手コートにのしかかっていくような長身で、バックサービスから強力な3球目攻撃で攻め、レシーブでは強引にチキータで仕掛ける。2番で韓国のエース、アン・ジェヒュンを破ってとてつもない雄叫びを上げたが、ラストのペク・ホギュン戦では逆に最後まで静かにプレー。勝利への執念を感じさせた。

ペクは第4ゲームに何度もマッチポイントを奪い、チームの勝利まであと1点だったのだが、サービスからの1本を決めきれず。最終ゲームは3−1のリードから連続得点を許し、4−10まで一気に離されて万事休す。会場の雰囲気を一変させる大熱戦だった。
  • トップで勝利したプレテア

  • 2番シポシュ、勝利に感情を爆発させた

  • ラストで劇的勝利を収めたシポシュを、チームメイトが祝福

  • ペク・ホギュン、茫然自失…

  • テクニックは抜群のアン・ジェヒュンだが、フォアハンドがパワー不足か

●女子団体第2ステージ
〈日本 3−1 香港〉
 加藤 −11、9、−11、−8 李嘉宜○
○木原 10、6、−9、8 黃芊柔
○木村 4、8、7 周穎詩
○加藤 5、4、2 黃芊柔

日本女子、男子とほぼ時を同じくして香港戦の勝利を決め、準々決勝進出!

トップ加藤が敗れるという、予想外の展開になった香港戦。香港の李嘉宜は、加藤のミスのない連続バックハンドを上回るほど正確なバックハンドを披露。フォアに回したボールも弧線をコントロールしながら、いやらしくつないできた。加藤もフォア強打での打ちミスが増えたのは、初戦のプレッシャーか、勝利の重圧か。

しかし日本はここから2点を連取して、再び4番加藤につなぐ。2番木原は思い切りの良い巻き込みのロングサービスを多用し、あまいレシーブは回り込んで一発ドライブ。3ゲーム目、勝利目前の9−6からやや勝利を焦って落としたが、4ゲーム目はしっかり締めた。3番木村も巻き込みサービスが非常によく効き、そこからキレのあるフォアドライブを打ち込んで周穎詩に完勝。

これで燃えたのが加藤。4番でのプレーはトップとは見違えるほど攻撃的で、相手のフォアサイドを切るフォアドライブで次々に得点を重ねた。あまりに一方的な試合展開に、対戦相手の黃芊柔もあきらめ顔。エースが復調の1勝を挙げ、日本にとっては収穫の大きな一戦となった。

女子も決勝トーナメントでは第1シードで、中国とは決勝まで当たらない。中国女子は今日の2試合、格下相手にも王曼昱と孫穎莎を2点起用するベストオーダーで臨み、他のどの試合よりも早く試合を終わらせた。油断なき最強軍団は、日本からの王座奪回に向けて突き進んでいる。
  • サービスが非常によく効いている木原。3球目のパワーもすごい

  • 決して相手のペースに乗らず、しつこい両ハンドを見せた李嘉宜

  • 4番加藤、快勝に笑顔が戻った

イタリア戦に続き、3−1というスコア以上に苦しい試合だったドイツ戦。試合後、日本男子チームの選手たちはすぐに練習会場で調整練習。ドイツ戦トップで敗れた宇田は多球練習でストップの感覚を確かめ、ストップからの展開も入念にチェックしていた。以下は田勢監督のコメント。

「宇田がやった左の選手(ヒップラー)はオーストリアオープンなどにも出ていたし、情報はあったんですけど、試合の中での判断、対応、反応、決断という4つはコートの中にいる選手にしかわからない。この4つが遅れるとどうしても迷いが生じてしまう。宇田のゲームはまさしくそうでした。フォア前のサービスに対して、しっかりストップすれば問題ない相手なのに、自分でストップのフィーリングがなくて無理にチキータにいって、そこでミスが出ていた。レシーブに迷いが生じてしまった。

『チキータにいこう』と頭の中で思っていても、相手のサービスに対してチキータが難しければパッと反応して、判断しなければならない。その点が、大事な場面で遅れてしまっていた。どういった待ち方をするか、それは試合を重ねて感覚を戻していくしかない。

髙見は相手がいろんなことをしてくるし、サービスもいろいろな場所から長短が混ざって出てくるので、やりにくい相手ではあった。でもやるべきことをしっかりやれば負けないだろうと思っていました。木造の2点はイタリア戦でプレッシャーやナーバスな気持ちが解けてきたんじゃないかと思います。

昨日のミーティングでは、(張本)智和が急遽出られなくなって宇田に代わったけれど、この4人でベストを尽くそうということはひと言言いました。宇田の選出は、ベルギーオープンでアポロニア(ポルトガル)やフランチスカ(ドイツ)に勝って、一般のシングルスで3位に入っていたことが大きかった。智和がいないのはしょうがないことだし、選手たちも今はそれほど気にしていないと思う。

智和本人が一番悔しかったんじゃないですか、木造とのダブルスもすごく楽しみにしていましたから。でもずっと試合続きだったし、これからも試合が続いていくので、ここで無理して悪化させるわけにはいかないですね」
●男子団体第2ステージ
〈日本 3−1 ドイツ〉
 宇田 10、−7、−5、−9 ヒップラー○
○木造 4、9、4 エンゲマン
○高見 7、−4、2、10 シュトゥンパー
○木造 −8、3、13、4 ヒップラー

日本男子、難敵・ドイツを3−1で下し、グループAを1位通過!

トップで宇田が同じ左腕のヒップラーに敗れ、重苦しいムードが漂ったこのドイツ戦。それを振り払ったのは、イタリア戦で苦戦を乗り越えた木造だった。長いリーチからパワードライブを放つエンゲマンに対し、サービス・レシーブで優位に立って快勝。4番でもヒップラーとの左腕対決を制し、チームの勝利を決めた。「トップで宇田が落として、勝たないといけないと思いすぎるとプレッシャーがかかってしまうので、自分が2点取って勝ってやるという気持ちで試合に臨みました。不安や緊張が重い感じで、イタリア戦もギリギリだったんですけど、気楽にやれればどんな相手にも勝てると思います」(木造)。

3番での高見の勝利も大きかった。対戦相手のシュトゥンパーは、ノーモーションから突然トスを上げる、リズムの取りにくい投げ上げサービスを駆使。何ともつかみどころのない選手だったが、高見は第4ゲーム1−6と大きくリードされたところから打球点の高いフォアドライブ連打で追いつき、逆転勝ちを収めた。

これで明日の準々決勝に駒を進めた日本。第1シードであるため、グループBを1位通過した中国とは決勝まで当たらない。決勝トーナメントのドローは後ほど行われる。
  • トップで宇田を下したヒップラー

  • 宇田はサービス・レシーブで先手が取れず、ラリーでなかなか優位に立てず

  • 3番髙見が貴重な勝利!

  • 木造はエースの貫禄を見せてくれた