月別アーカイブ: 10月 2015

大学卓球

先週の金〜日と、全日学へ行ってきました。

大学の試合は、中学・高校に比べると盛り上がりはやや控えめです。

理由は保護者が中高に比べると少ない。圧倒的に少ない。会場が揺れるような大応援にはなりません。観客から見たら、盛り上がりに欠けると思われますが、選手もガッツポーズ合戦にはならないため、試合を冷静に見ることができます。

 

大学の試合は見方が変わります。

それまでライバルだった選手たちがまた違うチームに分かれ、時には同チームになり仲間になる。

それまでの高校の試合を見ていると面白いかも

インターハイの男子団体

2年連続、3番ダブルス〜4番シングルスで対戦している町と有延

インターハイ団体決勝ではお互いにダブルス1勝1敗、シングルス1勝1敗

このふたりがダブルスを組んでいるのかーと思って見ていると、ちょっとワクワクする。

 

また、高校までと違って、「やる、やらない」の選択がわりと自由。自分次第の部分が大きくなるので、伸びる選手は本当に伸びる。

 

良い例が

大島祐哉くん

インターハイでのシングルスは3年間ノーランカー。

しかしそこから大学で一気に伸び、今や世界選手権の日本代表。

大学の4年間で、彼は変わった。

 

こういう「化ける」選手も出てくるから大学卓球はおもしろい

 

化けそうな選手

明治の渡辺選手

昨年のインターハイ2位という実力者だけど、すぐにでももう1ランク強くなりそう。もっとガツガツやっても良いと思う。

 

中央の宮本くん

鍛えたフットワークとフォアの威力はまさに東山流

最近はバックの強さもプラスされてきて、大島2世になるかもしれない

 

彼はインフィニティVPSⅤに変えたことを報告に来てくれました。

弾む5枚合板で、パワー自慢が打ってもしっかり応えてくれる。「これすごく良いです」とお気に入りでした。さすが樊振東をも唸らせるラケットだ

 

初〜中級の選手が使うと弾みすぎるかもしれません。上回転の打ち合いはものすごく良いですが、台上で弾いてしまい、コントロールできない人もいます。

性能だけ考えると、5枚合板に擬態した特殊素材ラケットです。

 

國學院の町田くん

「金になるサービスを持つ男」

彼がしっかりと自分のサービスの原理を解析し、人に教えるノウハウを身につければ、すごいことになると思う

今大会もサービスエースを連発。神のサービスの伝道師になれば、別の意味で化ける男。

 

全日学の用具の話はまた今度にします。

大学に入り、自分次第になることで、今まで疑問に思わなかった自分の用具に敏感になる人も多いです。だからいろいろ用具が変わっていておもしろい。

 

とりあえず、自分の今のブームはリズムテックです

「リズムテック試打動画(王国ウェブ)」

 

柔らかいラバー好きだけどパワー不足を感じている人、

柔らかいラバーを使っているけどツッツキ、ストップが浮いてしまう人

などには革命的なラバーだと思います。

それでいて打球音も良い(強打時には金属音が鳴ります)。柔らかすぎなくて、押し負けない。

うーむ、軟ラバもここまできたかーと実感するラバーですよ。価格は少々お高めですが、これはたまらんラバーです。

 

そろそろフォア:翔龍、バック:リズムテックの疑似中国選手になってみようかな。

まだまだ用具に悩む選手たち

全日本社会人、全日本団体、、

大人たちの全国大会では用具がガラリと変わってきています。

プラボールの余波はまだまだ選手に用具を悩ませているようです。

プラボールの性能、質が安定しない限り、まだまだ正解はでないようで、それはトップだけではなく、みなさんも同じでしょう。

どう変わったのか、それをトップ選手の用具変更から学んでみましょう。

 

シチズン加藤悠二くん

インナーフォースZLCからSK7へ。

もともと木材使いだったから問題なく戻れたのかなと。しかしSK7がすでに廃番となっている今、代わるラケットがほしい。

日本生命の前田美優さん

ヤマト卓球との契約もあると思いますが、

クリッパーウッドからスワット5PWへ

5枚合板・・・?しかも激しなりの5枚へ。割と大胆な変更です。

バックの表ソフトもモリストSPからVO>102に変更したのも関係しているのかな。弾きが強くなって、ラケットを抑え気味にしたのかな。

ブンデスリーガの小澤くん。

ビスカリア→水谷隼へ。ALCからZLCになって弾みアップ。もともと柔らかいタッチで、ボールを吸収させる技術の天才なので、つかみよりも弾みを求めたのかなと。

 

日鉄住金物流の濵川くんは、ついに両面グリーンスポンジへ

木材王子の瀬山くんはインナーZLCへ

逆にずっと特殊素材ユーザーだった高岡選手は木材のスワットへ

 

みんな、行ったり来たりしています。

 

張一博くんはニッタク契約が終わり、一度は劉詩雯へ変更しましたが、今はインナーフォース・ZLCへ変更

新女王の天野さんは

コルベル→インナーフォース・ZLC→劉詩雯へ落ち着き、

フォアはテナジーからファスタークG-1へ変更

四天王寺の芝田さん

両面テナジーからフォアV>15エキストラ、バックGFT48へ

まだちょっと変える予定みたいです。

ペンドラ松下大星くんは両面05に!

重すぎやしないか・・・・。

藤木君は

ハイブリッド(9枚)→インフィニティ(5枚)→クリッパーウッド(7枚)と合板枚数がいろいろ変更している模様

あ、合板ラケット、木材ラケットについては今月発売の卓球王国本誌「用具ゼミ」にて特集しています。木材ラケットの特徴、性質がわかりますので、ぜひ読んでみてください。

何気なく木材ラケットを使っている人、木材ラケットって何が良いんだろうと疑問だった人、木材以外を使っている人も、ラケットへの理解を深め、より自分に合ったものが選びやすくなるでしょう。

 

同じく木材ユーザーの市川さん

フォアを翔龍に変えて、かなり良さそうです

同じくフォアを翔龍に変更した土井さん

自分ももう少し打球点が早ければ使いたいんだけどなぁ

 

と、ざっと見るだけでもみなさん、変わっています。近年では考えられないくらい見る度に変わっています

特にカットマンは悩んでいるみたいですね

石垣さんはP12からキョウヒョウのブルースポンジへ。

硬くてかかるラバーへ変更

四天王寺の橋本さんもキョウヒョウのブルースポンジ。

ラケットは剛力だから、どんだけ重いんだ!!!

逆に村松くんはヴェガヨーロッパと柔らかく。

 

 

さて、次の試合は後期日本リーグです。

また変わっているのかな−。悩んでいるんですよね。

変わった選手は声をかけてくれるとうれしいです(笑)

 

それにしても、アジア選手権でも思ったけど、ラリー中のストレート攻撃をする際、選手によって打法が全然違うので面白い。

一番とてつもないものは樊振東

中陣のラリー中で、打球点の落ちて台の下からストレートへホップアップするようなフォアドライブ。これがすごすぎる。

コースだけなら打てるが、下から打っているのに、スピードが異常だから相手が反応できない。普通は打球点が落ちたら速いボールはこない、ましてやストレートにはこない、だからみんなクロスで待つ。

これは樊振東しか打てないボールなんだろうなぁ。

 

荘智淵は少し弾道が高くなっても良いから確実に入れる。クロスに比べて少し緩めに打つ。弾道が高いから逆に相手が取りづらい

 

写真はバッククロスですが、、、

方博はとんでもない水平スイングで上からストレートへ打ってくる。

それを可能にするのはとてつもないスイングスピードのおかげ?

 

そして最後は技巧派・許昕

許昕は前陣だとシュートドライブで相手のフォアサイドを狙いますが、

中陣からはカーブドライブでストレートを狙うからすごい。

普通にストレートに打たれるよりも、曲がるし、横回転が強いからカウンターがやりづらいと言ってました。(某NTコーチ談)

 

ストレートに攻める様々な特集もおもしろそうだ

これから来るアジアの若手

アジア選手権に出場した各国の若手をチェックしておきましょう。

そして用具もできる限り解明してみます

 

北朝鮮 キム・ソンイ

ディフェンスプロ

テナジー05 / フェイントソフト

また出てきました、注目のカットマン。中国オープンではカット打ちの名人・伊藤美誠に勝利。今大会も陳夢と惜敗したがフルゲームの熱戦を繰り広げました。

団体戦でリ・ミョンスンとの2点使いで出てこられたら嫌ですね。怖い存在です。

 

続々出てきたチャイニーズタイペイの若手

廖振珽はパワーがあり、プレーも冷静。

ティモボルスピリット 両面テナジー

 

同じくチャイニーズタイペイの王李中羿

用具不明。。。

こちらもチャイニーズタイペイ

李佳陞

ローズウッドに両面テナジー

 

最近のチャイニーズタイペイの選手は荘智淵式のバックハンドですね。みんなそっくりです。でも荘智淵式は安定するんですよ。バックが安定しない人は、荘智淵のバックハンドのスイングを参考にしましょう。

 

香港の何鈞傑

パワーがあって、度胸もあって、なかなか面白い選手。

サービスも種類が多彩です。

ラケットは特注ですが、見た感じはアリレートカーボンなので、ビスカリアのレンズ無し。フォアはキョウヒョウでバックはテナジー。

 

北朝鮮のチャ・ヒョシム

化ければリ・ミギョン級にいくかな。こわいなー。

エバンホルツ5に両面テナジーです。女子は木材もまだまだ多い。

 

と、ざらっと若手を紹介していました。

ちなみに全日本社会人を見ると、いろいろ皆さん用具が変わっていました。まだまだ悩んでいるところなのか、全日本までにもうひと変化ありそうです。

2社限定(終)。秋の展示会バタフライ編

早くも展示会がラストです(笑)

寂しいですね。でも展示会は時間もお金もかかるのです。年に1度でもいいかもしれません。

 

しかし、バタフライはすごい

東京・青山の表参道ヒルズで盛大に展示会!

お金かかってます! しかも表参道ヒルズ内で使える昼食券付き!

ごちそうさまです!

 

さあさあ、新製品に行きましょう

注目はボールです

新しいドイツ製のボール

スリースターボールG40+

マスタークオリティプラスチックG40+(トレ球)

 

スリースターは3個入りで840円(税別)=1個280円

トレ球は6ダースで6300円(税別)=1個約90円

中国製のスリースターに比べて価格が下がっています。これはユーザーにはうれしい!

このドイツボールですが、強度があがって割れにくくなっており、個体差があまりなくてブレも少ないそうです。

ジュニアサーキットはタマスのボールが使用球に定められていますが、今後はこちらのドイツボールを使用するそうです。

日本の発売は1月21日なので、全日本後です。いまのところ、全日本の会場には置かれず、試合で選ぶことはできない模様。早めに入荷すればもしかしたら・・・とは言っていました。

試打台がなかったので、打てず!

 

水谷隼のサービス・レシーブ DVD&ブルーレイ

見たい!

 

こちらはニューシューズのレゾラインレーザー

素足感覚タイプで、メッシュ多めの軽量シューズ。

ソールが薄く、アッパーのメッシュにも色が入っており、見た目がクールです。なかなか欲しくなる7500円

 

そしてみなさんの度肝を抜いたのはこのラバーパッケージ

新しいバタフライのパッケージです

テナジーシリーズだけかと思いきや、

全部!このデザインに統一!

 

ラバーのスポンジ側とパッケージにシリアルナンバーが刻印されている。やることが違う。さすがの管理能力です。

お待たせしました。新ラバーのブライスハイスピード

マイクロレイヤーという新技術を駆使。

これはトップシートが薄いということ。写真の左がブライスハイスピード、右がブライススピード。薄さがわかります。

これによりさて何が変わるのでしょうか。

シートが薄いとボールが食い込みやすくなります。グッとボールを食わせて、飛びと回転量がアップ!

なんだよ、そんなことかよと思うかも知れませんが、大変な技術です。なぜかというと、シートが薄くなれば耐久性に問題が出てきてしまします。通常ならばすぐにシートが切れますが、、、

その問題をクリアして晴れてお目見えとなったのです。ラバーにとって寿命は大事な項目なのです。

構想8年とか・・・・。ラバーを作るのは簡単じゃないですね。

 

さて、性能はというと、

会場では、ものすごく丁寧に映像で紹介

簡単に言うと。

バタフライ史上最速のスピード。ブライススピードはもちろん、テナジー64よりも飛ぶ!

テナジーはスポンジでかける&飛ばす。ブライスハイスピードはシートでかける飛ばす。

ブライススピードよりもスポンジは少々軟らかい。従来のテンション系よりもテンションを強くかけてある。

結論:スピード系の最高レベルのラバー

ということです。回転量、弧線の高さはテナジーには敵いませんが、スピードと扱いやすさ、その中で最大限のスピンを持つというラバーでしょう。一発の威力はテナジーよりもある?かな??

 

ちなみに価格はオープンプライスです。噂ではブライススピードと同じくらい(6千円前後)になるとのこと。

 

 

ラケットは

松平健太ALC

グリップはFLのみ。まさに健太仕様のラケット。

ブレードは今まで使っていたティモボルALCと同じもので、木材5枚+アリレートカーボン2枚。

でもグリップの形が違います。

左が健太ALC 右がティモALC

グリップが平べったいです。

このグリップのせいなのか、

平均重量も軽い。84gくらいだそうです。これで両面にテナジーを貼っても振れる振れる!

開発の金井さんがいたので、あまりに軽いから「グリップ内部抜いてます?」と聞いたら、「いえ、抜いてないんです」と。奇跡的な軽さだ。

その他のこだわりは

デザイン!

性能とは関係ないところですが、どうせならカッコイイラケットを使いたい。

 

しゃがみ込みサービスを出す際に・・・・

ラケットをちゃっかり宣伝!

というボケをかましてくれて、会場は盛り上がりました!

松平健太ALCの価格もオープンプライス。

こちらも噂ではティモボルALCと同価格くらいとのこと。

 

それにしてもさすがのバタフライでした。

今回の最高値はこの「ネテア・ダウンジャケット」

お値段、3万5千円! 攻めてます!

 

最後に・・・

来年度から入社する新入社員も頑張っていました。

愛工大4年の共田くん。最後の全日学は今月23日から開始です。

2社限定。秋の展示会ニッタク編

10日間の1人タイ出張から帰国し、すぐに締め切りを迎えております。

忙しい? でも毎月のことです。

タイの速報では勝手に「ミニ用具のこだわり」というコーナーを設けて外国選手にいろいろ取材しておりました。リ・ミョンスンにはさすがに警戒されましたが・・・。

気になる人はアジア選手権速報をご覧ください。

空き時間にタイの協会の人(元代表選手含む)と試合をしたりして(だからぼくは汗ビッショリなのです)、仲良くなり、記念Tシャツをたくさんもらいました。

スケジュールはきつかったけど、楽しかったですね

タイの裏話はまた今度します。いらん? はい、了解!

 

 

さて、日本に帰り、秋の展示会に行ってきました。

でも今年はバタフライとニッタクのみ。

 

ということで先に行った関係でニッタク編です

ニッタクは5日の月〜9日の金曜までやっているそうで、一番空いていそうなところを狙っていきました。担当者にたくさん話を聞きたいので。

 

ウェアなど

充実の試打ラケット

新ラバーはないので、ラケット!

 

 

まずはトルネードキング

言わずもがな「キョウヒョウ王」のようなラケット。

実はニッタクで一時期販売していた「キョウヒョウ王」ですが、今は価格の高騰やロットの問題などから入荷が難しい状況だと言います。もし入れても価格がめちゃくちゃ高くなるということで、

日本製でキョウヒョウ王を作る。そしてパワーアップさせる

というラケットです。

キョウヒョウ王は上板がコトですが、これは硬いウエンジ材を使用。

弾みが増し、粘着系ラバーとの相性も良いとのこと。ニッタクのキョウヒョウネオにピッタリ!

 

試打感想:5枚合板なのでスピードはそれほどでもないが、木材ならではの弧線はすごい。台上のボールでもソフトタッチで勝手に上に飛ぶので安心感がある。

そして弾みは確かに上がっているが、特別硬さは感じない。やはりしなり系のラケット。重量も軽めで、扱いやすい。キョウヒョウ王がほしい人はこれで良いかな。価格は5枚合板にしては高価だが、キョウヒョウ王に比べると安価。

 

次は

WG7

7枚合板で、これも上板が反発力のある素材を使用。

ホワイトウエンジという通常のウエンジ材よりも少し比重が軽いものを使用し、反発力と安定感を兼備。

ハードウッドのラケットはトップ選手に人気があるけど、中級者が使うと少し硬さが目立ち使いづらいが、これは少しマイルドになっているので使いやすい。中級者向けに価格も頑張って8千円!

 

試打感想:7枚合板らしい少し弾く感覚がある。それでも前というより上へ飛ぶから使いやすさに重点を置いているように感じた。これも重量が軽くて、両ハンドドライブ向き。弾みのバランスが良く、スピン系と合わせたらすごく一体感がありそう。

 

 

剛力スーパードライブ

これも前作同様、完全受注生産の3万3千円の超高価ラケット。

6枚合板で上板のウォールナットはそのまま、中の4枚は桧。

桧にすることで軽量化とスピードを強化し、両面に裏ソフトを貼っても大丈夫なようにした。それでも95gはある。

6枚にこだわったわけではなく、7枚だと重くて5枚だと力がなかったから間の6枚にしたら一番バランスが良かったという。

裏裏だけど、コンセプトは変わらず、変化とスマッシュを使用する選手向け。

 

試打感想:前作に比べると少し軟らかくて弾むようになっている。ラケットが重いのでボールは抑えやすく、桧の味付けが打球感も良くしている。フルスイングした時は上の2本と比べても一番ボールが走った。ただ、自分はペンホルダーなので重すぎた。

 

ラージシャイニー(後方のラケット)

ラージ用の最速ラケット。ジュエルブレードよりも速い。

ジュエルは表面の桧が厚くて中芯は抑え気味だったが、シャイニーは一番硬くてスピードが出るモデルだそうです。試打せず(忘れた)

 

という展示会でした。

ファスタークシリーズやアコースティックシリーズが非常に好調なニッタク。

アジア選手権では馮天薇がアコースティックカーボンを使用して3位入賞。それで劉詩雯に勝っていますから、説得力あります。

 

次回はみんなが気になるバタフライの展示会&新製品を紹介します。