いろんな意味で話題となりました。
スロバキアのピスチェイ
張本戦で見せたイエローカードを連発したい行為。なぜされなかったのか、不思議なくらい。1枚は貰いましたが。
・「サービス、レシーブ前に『サ!』っと言うんじゃねぇ!」
・試合中だけど審判と握手。ベンチに戻るよ。ん?タイムアウト扱い?オレがいつタイムアウトって言った??アイツ(張本)が取ったんだろ!!
・相手が構えてないのにサービス。しかも得点になる!じゃあ、もう一回!
などなどやりたい放題でした。
が、ちょっと気持ちはわからんでもない。
みんなが張本くんに抱いていた感情と同じことが彼の周りにも起こっていたに違いない。
「ベスト8入りで相手はピスチェイ?いただきだね」
と皆さんは思ったでしょう。
「ベスト8入りの相手は13歳、こんな千載一遇のチャンスはないよ」
とスロバキアの人たちも同じように思ったのでしょう。
でもピスチェイは単にラッキーゾーンを上がってきたわけじゃない。
張本くんが水谷くんを破ったように、ピスチェイも鄭栄植を破ってきているから。
だからピスチェイにとっても、自分は今大会かなり調子が良い、しかも8入りの相手は世界ランク60位代、というこれ以上ないチャンスだったんです。
みなさん自身、もしくはみなさんの周りにこんな人はいませんか?
・春から入ってきた新入部員と試合。想像以上に強くて、負けそうな時に、「へへ、今日のオレは本気じゃないよ」という余裕の顔を作ってプレーする人
・女子と試合をして負けそうになった。ロビングを上げて、わざと打たせて、「今日は遊びのプレーいれちゃうよ。勝たせてあげているんだよ」と、よそおう人
まあ、誰しもが経験があるでしょ。
13歳が上がってきた!ラッキー。あれ?超強い!負けそう。
という心境だったけど、彼はその中でなんとかしてチャンスを作ろうとした。
技術と体力では勝てないので、心の部分。精神的に揺さぶろうと万が一の確率に賭けた。
その結果、「サって言うんじゃねぇ」と脅したり、「いきなりサービスを出したり」などの揺さぶりをかけた。
ピスチェイもベテランです。これだけ長くやってたらサ!っていう選手とは山ほど対決してきているはず。
卓球は相手の心理を読むスポーツでもあるので、相手にとって自分を不気味な存在にさせる。
そして「もう試合、諦めたから」という死んだふり作戦。
相手が油断したところで、あれよあれよと点をちゃっかり取る。
そこから見事に1ゲーム返しましたからね。作戦成功でした。
何試合もやって場になれてきたから良かったものの、1回戦で当たったら危なかったと思います。危うく呑み込まれるところでした。
だから張本くんも勝利直後に思はず監督のほうに走って抱き合った。
4-1でどうみても負けるはずない相手でしたが、心理的にはギリギリの苦しい試合でしたね。
まあ、ともあれ、バッドマナーであることには変わりないですが。
「この試合、勝たなきゃ殺す」と誰かに言われていたら、「やれるだけのことをやる」という選択肢に入ってくるのかな。(そんなこと言われないでしょうが。)
という視点で見ると、試合はおもしろい。
もちろん真似はしないでくださいね。
変な選手、ではなく、勝つために時間を使ってあがいてる。コート外で崩せばコート内でも崩れることを知ってるなぁと、コート脇で見てました。
そんな彼ですが、変なやつというだけで勝ち上がってきたわけではありません。
バックの感覚、ハンパない
回転かけたり、
伸ばしたり、
下回転を乗せたり、
乗せて、ストレートに流したり、
中陣からミートでぶち込んできたり
とにかく多彩!!
うそだろ!
っていうフォアもバッカンバッカン入る!
こんなフォアも入る!
彼のラバーを調査しないと!と思い、近づきました。
フォア:リズムP
バック:リズムテック
おー、ドライブもミートも超打ちやすいリズムテックか。相手のボールにあまり干渉されないのに、回転がかかり、ミートが落ちないすごいラバーです。
私も一時期、愛用していました。
プラボールになり、ミートがやりやすいと言われていますので、
ミートを武器にしたい人はぜひ参考にしてください。
自分はレシーブをバック面で乗せたりするのはやってなかったなぁ。どうしてもチキータしたいと思ってしまう・・・リズムテックで乗せ打ちやってみようかな。