昨日の午後、急にデビッドの髪が短くなった。何事かと思って聞くと、仕事の合間に床屋に行ってきたという。たったの15分ぐらいの間である。まるでトイレに行くようなつもりで床屋に行ってきたのである。
こちらに来てから床屋に行ったことがあるが、ひどい目にあった。一応からだにケープをかぶせるのだが、密着性が悪く、ろくに掃除もしないので、首から肩にかけて髪の毛だらけになるのだ。矢も立てもたまらず、家に帰って大急ぎで頭を洗い、シャツについた毛を取るのに苦労したものである。
デビッドの首を見たら、やはり髪の毛だらけだった。「痒くないのか?」と聞くと、「パウダーをつけてくれるので痒くない」と平気な顔である。信じられない。効くかよそんなもの。「アメリカ人の実態を記録したいので写真を撮らせてくれ」と言うと、パソコンの前でうなじを露出したまま動きを止めてじっとしていてくれたデビッドはいい人である。ちなみに写真の下のほうにある毛は、下からせり上がってきている背毛がはみ出して見えているのであって、切った髪の毛ではない。念のため。
デビッドは首筋に髪の毛を大量につけたまま、9時まで仕事をして帰っていった。