痩せの大食いというのがいる。たくさん食べているのに痩せているということは、エネルギー保存の法則から考えれば、二つの原因が考えられる。異常に熱を外部に発しているか、多量に排泄しているか、つまり大便を大量に出しているかだ。通常、こんなことは人に聞けないのだが、誰もが抱いている疑問だと思う。
元の職場の後輩に手坂という奴がいる。これが典型的な痩せの大食いで、よく食べるのだが、太らないどころか最近では少しづつやせてきているという。それで聞いてみると、やはり大量に出すのだそうだ。特に下痢をしているわけでもないのに日に2、3回、しかもたっぷりと出すのだそうだ。当然、最初のころは奥さんから「どうしてそんなに出るのか」と聞かれたそうである。それほど極端なのだ。
手坂という名字は本人の希望があって仮名だが、本名も聞きなれない名字で、全国にも50件もないという。名字博士という興味深いサイトを見つけた。そこに名字のランキングがあるのだが、彼の本名は1万位までは載っていなかった。http://www.alles.or.jp/~tsuyama/name.htm
食べても太らないというのは、現代では良さそうだが、生物としては効率が悪いのだから当然、良くないことだ。飢饉にでもなったら真っ先に飢え死にするだろう。食っても食っても出るのだから当然だ。おそらく手坂の先祖たちは、飢饉のたびに絶滅していたものと思われる。「それでお前の名字が少ないんだろう」とからかっていたものだ。しかし、現代の日本の名字など、明治維新のときに皆で勝手に名乗ったものらしいし、明治以降は飢饉はないので、真偽のほどは不明である。しかし話としては、そういうことにしておいたほうが面白かろう。