バーミングハムに行ってきた

こちらは11/22,23とサンクスギビングという祝日で土日あわせて4連休なので、家族でバーミングハムというところに一泊してきた。バーミングハムは州都ではないがアラバマ州で一番大きな都市である。ちなみに先日行ってきたアトランタは隣のジョージア州の州都だ。バーミングハムってなんかずっと前から聞いたことがある名前だなあと思っていたら、これはイギリスのバーミンガム(Birmingham)と同じ綴りなのだ。バーミンガムといえば、河野満が77年に世界チャンピオンになったところじゃないか!『バーミンガム77』というラケットまで売っている。不意打ちされたので、こんなに重要なことをすぐには思い出せなかったのだ。いかんいかん。

バーミングハムまでは車で4時間ぐらい。アメリカでは町と町の間は信号のないまっすぐな高速道路が走っていて、日本と違って無料だ。これらは国道で、南北が奇数、東西が偶数の番号がついていて、標識には今どちらに向かって走っているかドライバーからわかるように表示されている。たとえばドーサンからバーミンハムに行くときは「231 North」と書いた標識を見ながら走る。モンゴメリーに着いたら「80 West」に入って「31 North」を走るとバーミングハムに着くという具合だ。だいたいの方向がわかるので大きな間違いはしないようになっていて便利だ。

バーミングハムについてすぐにあらかじめ調べてあったインド料理屋に行った。インド料理のバイキング形式は初めてであり、とてもよかった。

その後、今回の主目的である「ポンペイ遺跡の展示会」を見に行った。ポンペイとは紀元79年にベスビオ火山の噴火で一夜にして全滅したイタリアの町だ。そのときに降り積もった火山灰の中に、犠牲となった人たちの体の形の空洞が残っており、そこに石膏を流し込んで型をとり、犠牲者達の姿を再現したものだ。もちろん展示されているのはその複製品だ。感心したのは入館時に全員に渡された説明用のレコーダーだ。展示品に書いてある番号を押すとその説明が音声で流れるようになっていて、各自が耳に当てて聞くので何度でも聞けるし、まわりがうるさくても聞き逃すこともないのだ(いや、英語がわかればの話だが)。これを全員に配っていたので200個以上はあるようだった。

ホテルはBest Westというところで、5人で120ドル。アメリカでは人数ではなくて部屋数で値段が決まるので、多人数の場合は日本よりずっと安い。子供たちの目的はホテルの室内プールだったのだが、なんとその部屋が外と同じ気温で物凄く寒い。水は少し暖かかったが部屋の暖房はしていないという。どうりで寂れているわけだ。

夕食は日本食レストラン「石水」に行った。バーミングハムは大きな町なので日本企業も多いし日本人も沢山住んでいる。そのため、まともな日本食が食べられるのだ。店の入り口でいきなり職場の同僚一家に会った。日本人の世界は狭い。
さっそくラーメン3種類を頼んだ。日本で食べたら普通の特徴のないラーメンなのだが、なんと美味しいこと。ラーメンだというだけで、まさにそれだけで美味かった。これに寿司を頼み、5人でハイエナのようにつっついて食べた。

翌日は、「TOKYO」という韓国人が経営している日本食材屋に行っていろいろと買った。次に、今は稼動していないSLOSSという会社の溶鉱炉跡を見に行った。バーミングハムはかつては「鉄の町」と呼ばれていたのだ。さびれた溶鉱炉跡にかつての栄華を偲んだ。朽ち果てた鉄クズや水の腐水のたまった下水道なんかを見ているとなんだかタルコフスキーの映画の中に入ったようだった。

ホテルの朝食のバイキングを食いすぎ、さらに日本食材屋で缶コーヒーにスルメや酢だこ、お菓子などを買って車内でひっきりなしに食べたため食欲がなく(変な表現だが)、昼食も食べないまま夕方ドーサンに帰ってきたのだった。