休日に子供たちと建築中の家を見に行く趣味は今も続いている。趣味と言うほどでもないが、他に散歩をするところもないので、次々と建てられる新しい家にターゲットを移しながら見て回っている(我々が毎週のように内部を散策していた家が、そのうち中に入れなくなって、売れて誰かが住むようになるのを見るのは感慨深い)。そういえば、日本に7年住んでいた宣教師のデイブも、日本にいたときには近所の建築中の家を見に行っていたという。やることは同じなんだな。
建築中の家を見て気づいたのだが、太い柱というものがない。全部、同じくらいの太さの平べったい板ばかりだ。さらによく見ると、なんと、どの板も70cmぐらいの長さのものが接続されてできていて、一体ものの板は20本に1本もない。鉛直な板と板の接続は右の写真のように、金具もなくてただ差し込んでせいぜい接着剤を入れただけのようだ。さすがに水平な板には薄い金属片がついているが、これもかなり心もとない。
この辺りでは地震がまったくないので、揺れに対する強度が必要ないのだろう(トルネードがきたらどっちみち吹き飛ばされる。なにしろ地面に生えている木さえ引き抜かれるってんだから)。日本の頑固な大工さんが見たら「こんなのは絶対ダメだ。家じゃねえ」などと言いそうだなと思いながら見ていた。
他にも構造的な違いが沢山あるんだろうが、私が気づいたのはそれぐらいだった。
あと、ここいらの家で気づいたことといえば、どの家にも雨樋というものがないことだ。雨は結構降るのだが、軒下でダーッと滝のように流れても別段、気にしないようだ。雨樋は、売っていないわけではないので付ければ付けられるが、多くの家は付けていない。ところ変われば考えも変わるのだ。