仕事でよくパワーポイントというソフトで作った資料を見せられる機会がある。そこでときどき気になるのが、吹き出しの形だ。
パワーポイントでは吹き出しの形がいろいろあって選べるようになってるが、気になるのはそれらの中で、雲形に楕円が連なっている形のものだ。なぜかといえば、これは日本のマンガの文法の中では、「心の中で思っているセリフ」を表すものだからだ。この吹き出しを見ると自動的に「あ、思ってるな」と感じてしまう。そのように刷り込まれているので仕方がない。
仕事のプレゼンテーションで「思っている」ことを表現する必要などないのだから、この吹き出しはそもそもオプションとして不要である。どうしてこんな吹き出しがついているかといえば、パワーポイントは、日本人ほどマンガを読まないアメリカ人が作ったソフトだからだろう。
アメリカ人ならともかく、日本人なのにこの「思っている」吹き出しを使う人がしばしばいるのは不思議なことだ。マンガを読んだことがなくて吹き出しの文法を知らないのだろうと思う。
仕事でこの吹き出しを見せられるたびに「ああ、思ってる、思ってる」と思ってしまう。