月別アーカイブ: 8月 2009

墓をまたぐ

私が仕事中にくしゃみをすると、同僚のティムがいつものように「bless you」と言った。これはGod bless youの省略で、「神のご加護を」とでもいう意味で、まあ、おきまりの台詞だ。

私が「日本ではくしゃみをすると誰かがその人の噂をしているという言い方がある」と説明した。面白いことにアメリカでも似たような言い方があるという。くしゃみをすると「誰かが墓をまたいだ」というものだ。まだ生きているので墓はないのだが、将来、自分の墓になるはずのその地面を誰かがまたいだという解釈だという。なかなか遠近感のある気が利いた面白い言い方ではないか。

思ってる、思ってる・・

仕事でよくパワーポイントというソフトで作った資料を見せられる機会がある。そこでときどき気になるのが、吹き出しの形だ。

パワーポイントでは吹き出しの形がいろいろあって選べるようになってるが、気になるのはそれらの中で、雲形に楕円が連なっている形のものだ。なぜかといえば、これは日本のマンガの文法の中では、「心の中で思っているセリフ」を表すものだからだ。この吹き出しを見ると自動的に「あ、思ってるな」と感じてしまう。そのように刷り込まれているので仕方がない。

仕事のプレゼンテーションで「思っている」ことを表現する必要などないのだから、この吹き出しはそもそもオプションとして不要である。どうしてこんな吹き出しがついているかといえば、パワーポイントは、日本人ほどマンガを読まないアメリカ人が作ったソフトだからだろう。

アメリカ人ならともかく、日本人なのにこの「思っている」吹き出しを使う人がしばしばいるのは不思議なことだ。マンガを読んだことがなくて吹き出しの文法を知らないのだろうと思う。

仕事でこの吹き出しを見せられるたびに「ああ、思ってる、思ってる」と思ってしまう。

劇団のチラシ完成

劇団からチラシ作成を頼まれて興奮していた義姉から、完成したチラシが送られてきた。製作時間がなかったので新作の人形はなく、すでにあるものを並べて撮ったようだ。

劇は、イジメで自殺した少女が日記に書き記した生徒たちの親どうしが繰り広げる軋轢がテーマだという。

『劇団ユニット体温』という名前がなにやらおどろおどろしくてよい。

思い込み

先日、職場の倉庫の前を通りかかると、同僚の女性に声をかけられた。「ここのロックを開ける方法知ってます?」とのことだ。写真の右側のドア状の部分だ。残念ながら私は知らなかったのだが、もしやと思い、なぜそこを開けたいのか聞いてみた。

なんと彼女は、金網の向こう側に行きたいというのだ。ご覧の通り、左側は大きく開いている。「どうしてここを通らないんですか?」とおそるおそる聞くと「あっ・・それもそうですね」と笑い出した。

ここはいつも閉まっているので、思いつかなかったというのだ。なんということだ。人間の神秘を垣間見た気がし、思わず証拠写真を撮ってしまった。

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