ガンダムオタク

2ヶ月前に赴任してきたジュンくんが、極端なガンダムオタクだ。なにしろロボットアニメはガンダム以外は見ないというのだから、アニメオタクですらない、ガンダムオタクなのだ。

私も小学校の頃まではロボットアニメを見ていたが、卓球を始めてからは部活の時間との関係もあって、自然と見なくなってしまった。ガンダムといえば覚えているのは、高校のときに隣の席の奴が、「普通のアニメと違うんだ」と言って絶賛していたことだ。

それで、いつかは見なければならないと思っていた。ジュンくんにそれを言うと、当然のようにDVDセットを持っているという。それで借りることになった。

ジュンくんは何も言わなかったが、家に帰って包みを開けて愕然とした。ボックスの表面の透明フィルムが新品のままなのだ。「破るなよ」というジュンくんの無言の圧力を感じる。「うわ」と思いながらカリカリと爪の先で止めてある粘着テープを剥がしてフィルムを開けてそのままの形でボックスを抜き、高いところに置いて「さわることも捨てることも禁止」であることを家人に伝えてからDVDを見始めた。

しかし残念ながらどうにも入り込めない。翌日、ジュンくんに「面白くない」と正直に言うと、まだ2、3話では面白くないはずだという。何話見ればいいのか聞くと「半分くらいは見ないとダメです」という。半分ってことは25話、ざっと10時間かよ!なんだか絶望的な気分になってきた。

このまま見るべきだろうか、止めるべきだろうか。